横断歩道の法則。歩行者の進路が13度を超えると混乱が生じることが判明

2025年3月28日(金)8時0分 カラパイア


Photo by:iStock


 何気なく歩いて横断歩道だが、そこには「見えない法則」が働いている。混雑する横断歩道では、スムーズに渡れるところもあれば、渡りにくいところもある。実はある条件を超えると途端に混乱が生じるのだ。


 そのカギとなるのが歩行者の「13度を超えた進路のずれ」だ。イギリスのバース大学とアメリカのMITの研究チームが発見したこの法則は、都市設計にも影響を与えるほど重要なものだった。


 それでは詳しく見ていこう!


群衆の流れは自己組織化する「レーン形成」の理論


 どれほど多くの人が行き来しようとも、意外とスムーズに渡れる横断報道がある。しばらくその人の流れを観察してみれば、横断歩道にはレーン(進行の流れ)が自然に形成されていることがわかるだろう。


 これはバース大学の集団行動数学の専門家ティム・ロジャース教授らの研究チームが、人々の流れを流体に見立てて分析した結果、明らかになったことだ。


 横断歩道を渡ろうとする歩行者は、何か流れらしきものに気がつくと、自分もそこに加わるか、押し除けられてその脇を通行しようとする。


 すると、歩行者の流れは自然に自己組織化される。そうなれば、レーンに乗るだけで、人々が行き交う横断歩道を難なく渡ることができる。


 これがロジャース教授らが考案した「レーン形成」の理論だ。



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流れをカオス化させる魔の角度は「13度」


 だが今回、ロジャース教授らが探ったのは、レーン形成ではなく、レーンが形成されず、混乱が生じるカオス化の条件である。


 そのために、これまでと同様、歩行者の流れを分子の運動に見立て、流体力学の方程式を応用し計算してみた。


 そして浮かび上がったのが13度という角度だ。歩行者が横断歩道を渡るとき、出発地点から比較的まっすぐに横断するならば、レーンが形成されやすい。
 ところが横断する角度が13度を超えると、途端にレーンが形成されなくなる。結果として、歩行者の流れは無秩序なカオスに陥ってしまうのだ。



歩行者の渡り方が13度未満(左)と13度以上(右)の状況。この角度がレーン形成の鍵になる/Credit: Karol Bacik, MIT


 このことは、実際に人間によっても確かめられている。体育館で街中の雑踏を再現し、その様子をカメラで撮影しつつ実験してみたのだ。


 すると現実の集団の流れは、おおむね数学的な予測に一致することが確認されたという。


 13度を超えると、レーンが形成されず、流れは無秩序なものとなる。もちろんそうなれば、歩行者の歩く速度も遅くなる。



Karol Bacik, MIT


歩きやすい公共空間を設計するために


この研究は、横断歩道という比較的シンプルな状況を扱ったものだ。だがこの知見を応用すれば、歩きやすく安全な公共空間設計のガイドラインにもなるとのこと。


 もし今度混雑した横断歩道に出くわすことがあったら、ちょっと人々の流れを観察してみよう。もしかしたら、そこには人々が斜めに横断したくなるような何かがあるかもしれない。


 この研究は『PNAS[https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2420697122]』(2025年3月24日付)に掲載された。


References: Eurekalert[https://www.eurekalert.org/news-releases/1077549] / News.mit.edu[https://news.mit.edu/2025/mathematicians-uncover-logic-behind-how-crowds-walk-0324] / Bath.ac.uk[https://www.bath.ac.uk/announcements/the-secret-behind-zebra-crossings-and-why-some-spiral-into-chaos/]

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