そろばんの先生、宮本理香子さんが「フラッシュ暗算」ギネス世界記録を更新 

2024年4月5日(金)10時39分 OVO[オーヴォ]

 Wow!だ。まるで“天才”が主人公の映画を見ているような気分になれる。スクリーン上に点滅する数字を計算していく「フラッシュ暗算」(日本フラッシュ暗算協会・東京)のギネス世界記録が更新された。3桁の数字15個を1.61秒で計算、正解したのはそろばんの先生、宮本理香子さんだった。



「フラッシュ暗算」は、1978年に開発されている。頭の中でそろばんをイメージして計算をする「そろばん式暗算」で、ギネス世界記録に初めて認定されたのは2010年。今回同様3ケタの数字15個を表示し、記録は1.83秒だった。

 当初ギネス世界記録を申請した時は、英国本社ギネスワールドレコーズリミテッドに「フラッシュ暗算」を理解してもらうのは難しかったという。「これは数字を読み取る競争なのか」「計算をするなど不可能だ」というのが最初の反応だったそうだ。確かに、点滅する数字を読み取るだけでも素人目にはハイレベル過ぎ、計算など想像もつかない速さだ。そこで日本のそろばんの歴史から、競技大会・検定試験、フラッシュ暗算の開発経緯、プログラムの内容を説明し理解してもらったという。

 3月19日には、日本フラッシュ暗算検定協会の東尾理子名誉会長からギネス世界記録認定証が宮本さんに授与された。

 記録を更新した宮本さんは、両親が経営するそろばん教室(宮本暗算研究塾Max)で2歳から習ってきた。現在は、同塾の八王子教室で先生として勤務している。

 今回の記録更新について宮本さんは、「フラッシュ暗算のギネス世界記録というのは、一つの大きな目標でした。フラッシュ暗算の問題は、一瞬で終わってしまいますが、練習に懸けてきた時間は数えきれません。一人ではここまでこれなかったと思っています。日々、支えてくれる家族、一緒に競い合うライバルたち、応援してくれる全国の先生方に、感謝の気持ちでいっぱいです。さらに、今回は自分が指導している生徒たちの前で挑戦できたことが何よりも力になりました。生徒たちにかっこいい姿を見せることができ、また夢を与えることができ、とてもうれしかったです。自分の記録を超える生徒を育てることが、今後の目標です。私自身もさらなる記録更新に向けて頑張ります」

 一般的に計算は、言語脳である左脳を使うため、計算をしながら言葉を話すというのは難しいが、そろばん式暗算習得者は右脳で計算を行うため、計算をしながら会話をすることができるそうだ。そろばんを習得すると、イメージ力や記憶力がアップし、右脳が鍛えられる。日本フラッシュ暗算検定協会主催の「フラッシュ暗算検定」は、文部科学省後援の検定試験で、受験者数は延べ150万人を超えている。

 速さと正確さを競う競技そろばんは、“頭脳のアスリート”といえそうだ。

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