高圧的な同僚や頑固な親族…相手に振り回されない方法とは?心療内科医のアドバイス「私は大丈夫、と心にバリアを張る」

2024年4月8日(月)12時30分 婦人公論.jp


(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

周囲の人のネガティブな発言や自分勝手な行動に心をかき乱されると、前向きな気持ちを保つのは難しいもの。そんな相手とのコミュニケーションをスムーズにし、毎日を穏やかに過ごす練習を始めましょう(構成=村瀬素子 イラスト=すぎやままり)

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<1よりつづく>

【Case1】頑固な親と意見が対立


近所に一人で暮らす父親に生活支援が必要になり、「危ないから車の免許も返納しよう」と提案しました。しかし頑固な父は言うことを聞かず、話し合いは平行線。最近は何を相談しても怒るので、私もつい声を荒らげてしまいます(65歳・主婦)

《相手の「NO」に気づく》

社会との接点が減った高齢の父親にとって、運転免許は唯一の存在証明なのかもしれません。それを手放しなさいと言われて頭にきたのでしょう。

相手の「NO」には必ず理由があります。特に頑固な態度や怒りの裏には、寂しさやストレスが隠れているもの。娘にもっと一緒にいてほしい、という思いもあるのでしょう。

円滑なコミュニケーションを図るには、怒りの元であるストレスを軽減することが第一。父親が何に困っているか観察し、サポートしてあげましょう。

社会参加できる趣味を一緒に探すのもいいですね。例えば「近所に老人会の将棋クラブがあるみたい」とリサーチした情報を伝え、本人が興味を持てば手助けをする。ただし、「家にいても何もしないんだから、趣味でも探しなよ」と相手の気持ちを無視した言い方は×。本人の寂しい気持ちが取り除かれた状態で免許返納を提案すれば、頑なな態度も和らぐはずです。

なお、相手の怒りを受けて自分もカッとなった時には、深呼吸が効果的。鼻からゆっくり息を吸い、倍の時間かけて吐ききる。数回繰り返すだけでも交感神経が緩み、リラックスできます。ぜひ試してみてください。

【Case2】高圧的な同僚に辟易


同僚がいつも仕事を押しつけてきます。機嫌が悪く、頼み方も高圧的。断って非難されたくないので、つい引き受けてしまいます。いっそ転職しようかと思いつつ、年齢的に新しい職場を探すのは大変。我慢するしかないのでしょうか(58歳・パート)

《冷静さを保つ心のバリア》

相手が高圧的な態度だと、萎縮してしまう人が多いようです。前述した通り、自分の意思を伝えるには相手の感情に巻き込まれないことが大切。そこでおすすめしたいのが、イメージトレーニングです。

出勤前に自分が大きな繭に包まれている状態を想像し、心の中で「言いなりにならないぞ」と唱えます。相手が怒っても、「私は大丈夫」と心にバリアを張るのです。

これだけでも、不思議と冷静になれるもの。心の中で思っていることはその人の姿勢やその場の空気にも表れるので、相手の態度も次第に変わってきます。

仕事を押しつけられた時は、相手が本当に困っている様子なら引き受ければいいし、そうでなければ「今日はこの仕事で手一杯だから」と、明るく断って。

無理をすれば周りにも迷惑がかかるので、断ることは大事。そう認識すれば、臆することなく「NO」と言えるようになります。万が一相手から非難されても、職場だけの関係なのだから割り切ればいいのです。

<3につづく>

婦人公論.jp

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