麻婆豆腐を進化させたカレー炒飯とは?『上海菜館』(学芸大学)で唯一無二の「カレーあんかけチャーハン」を食べてきた

2022年4月9日(土)10時50分 食楽web


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 カレーは美味しい。チャーハンも美味しい。だからカレーとチャーハンが合体したら絶対に美味しい! という前提のもと、都内近郊でカレーチャーハンが食べられる店を探し歩く日々。

 今回向かったのは、学芸大学にある中華料理店『上海菜館』。店主の中華鍋をふる音やリズムが素晴らしいと、最近も「マツコの知らない世界(TBS系)」に登場したばかり。地元の常連さんはもちろん、週末には遠くから食べに来る人がいるほど、人気の高いお店です。


テーブル席とカウンター席があり、一人でも入りやすい雰囲気の店内。壁やカウンターの上にはさまざまなメニューが貼られている

 店に入り、メニューを見ると、ベーシックな「炒飯」(880円)の他に、「フカヒレあんかけ炒飯」(1280円)や「あさりと高菜のエビチャーハン」(1200円)、「腸詰ガーリックチャーハン」(1150円)などバラエティ豊富なチャーハンメニューが。「チャーハンだけで10種類以上あるんですよ」と話すのはオーナーシェフの真田照久さん。

 カレーチャーハンを目指してきたけれど、他のチャーハンも食べたくなる。どのチャーハンが一番人気なんですか?「『えびめんたいレタスチャーハン』(1200円)ですね。エビレタスチャーハンは他の店でもたまに見かけるけれど、明太子をプラスすることで、さらに美味しくなるんですよ」。なるほど。旨みがさらに乗っかる感じなのかな。気になる〜。


一番人気の「えびめんたいレタスチャーハン」が一番上に。でもその下が「カレーあんかけチャーハン」。もしかしてこれも人気なのかも?

 メニューを見ていると、チャーハン以外にも気になる料理が。それは「名物! 焼きチーズ麻婆豆腐」(1550円)。「名物」とつくってことは、きっとこれも看板メニュー。チャーハンだけなら、チーズ麻婆もつけたい! と一瞬思うものの、実はチャーハンには、半ラーメンor半ワンタン付きなので、おそらくボリュームが結構ある。1人で来て、さらに麻婆豆腐一皿分まで頼むと、おそらくキャパオーバーになること確実。と考えて、今回は諦めることにします。「麺類には半ライス、ライス・チャーハンには半ラーメンか半ワンタンがつくんですよ」と店主。心惹かれるけれど、焼きチーズ麻婆豆腐はまたの機会に。今回は「カレーあんかけチャーハン」一択で! 注文し、出来上がるのを待ちます。

ジェットコースターみたいな美味しさのカレーあんかけにテンション爆上がり!


「カレーあんかけチャーハン」1250円(半ラーメンつき)。半ラーメンと言っても、結構ボリュームある!

 目の前にやってきたのは、色鮮やかな具がたっぷりのカレーあんかけがかかったチャーハン。ジャガイモやニンジンじゃなくて、カラーピーマンが中華っぽい? 目玉焼きも乗っていて、とっても華やかです。そして半ラーメン。チャーハンについてくるスープがわりってことかなぁと思っていたら、ちゃんとハーフサイズ。のり、メンマ、ネギものっている。思っていた以上にボリュームがあって、思わずにやけてしまいます。

「チャーハンは卵とネギのシンプルなものですが、あんかけのカレーには、タマネギ、ニンジン、赤ピーマン、にら、しめじ、ナス、あさり、肉が入っています。中でもあさりはいい味が出るので、うちのメニューには炒め物でも、あさりが入っているものが多いんですよ」とオーナー。


シンプルチャーハンだが、炒め方はさすが! パラパラでほろほろ。カレーとのバランスも考え抜かれている

 もちろん、あんかけのカレーもこだわりが。「イメージは麻婆豆腐に豆腐じゃなくて野菜を入れる感じですよ」。ん? 麻婆豆腐? よく聞くと、油をひいて調味料などを入れる手順など途中までは麻婆豆腐と同じ。途中で豆腐ではなく野菜、そしてオリジナルのカレーペーストを入れることであんかけが完成するとのこと。コク出しに甜麺醤、辛味に豆板醤などを使っています。そして目玉焼きを飾るのは「マイルドにするためですよ」。なるほど〜。

 そして、目玉焼きの上にかかっているのは山椒とシャンランフン。シャンランフン?「クミンなどが入っているパウダーですね。香り付けに」。まさかの麻婆豆腐から進化した中華風のカレー、もし家でやるなら、麻婆豆腐の素買って、山椒とクミンパウダーかけたら近づくかなぁ。家で挑戦したくなってきます。


ツヤッツヤ、とろとろのカレーあんをたっぷりかけて。これが途中まで麻婆豆腐だったとは。でも香りは確かに中華スパイス系(食楽web)

 そもそも、なぜ「カレーあんかけチャーハン」を出すようになったんですか?「他のお店でドライカレーのチャーハン食べたんだけれど、パサつくしむせる。なんかしっとりしたカレーでできないかと考えたのがきっかけですね。当時スープカレーが流行していたプラス、福建チャーハンというスープチャーハンがあるので、その両方をイメージして、カレーのあんかけルーにしたらいい、と考えて作ったんですよ」。

 他のお店でカレーライスを出しているところに食べに行ったり、自作のカレールーで作ったり、チャーハンにかけてみてバランスを考えたりするなど試行錯誤の結果、麻婆豆腐の調味料を足していくやり方が生まれたとのことです。

 中華料理の店で出てくるカレーって、ラーメン用に作ってあるスープストックにカレースパイスや具を混ぜて、みたいな、スープからのカレーが主流だと思うけれど、麻婆豆腐スタートの途中からカレー、は初めて聞いた。おそらく『上海菜館』だけだと思う。


カレーだけれど、奥に麻婆がいる。教えてもらったからそう感じるのか。遠くに麻婆が味をまとめている気がする

「カレーあんかけチャーハン」を頼むのは、近くのサラリーマンや常連さんはもちろんですが、小さな子供を連れた親子連れのお客さんも多いとのこと、「お母さんがカレーあんかけチャーハン食べて、小さいお子さんが半ラーメン食べてね。その方が安く済んで嬉しいでしょ」。なるほど。半ラーメンだと小さい子にもちょうどいいし、親子連れに受けるの、納得です。

 ちなみにお店の一番人気は定食。ゴハン、おかず、半ラーメンのセットとのこと。「ボリュームがあるからね。若い人に特に人気なんですよ」。定食は、「酢豚風ロース定食」(1200円)や、「信玄鶏唐揚げ定食」(1200円)など、確かに魅力的。ガッツリ食べたいときに良さそうです。


「うちの店の看板娘はおばあちゃん。86歳で現役だからね。おばあちゃんに会いにきてね!」(オーナーシェフの真田照久さん)

 麻婆豆腐マイナス豆腐プラスカレーの「カレーあんかけチャーハン」。いざ味わってみると、最初は優しい口当たり、しかし食べ続けると山椒やスパイスの辛さや痺れが重なり始め、後半は辛さが一気に加速する、まるでジェットコースターのような味わい。辛味の曲線がすごい、というか、途中から香りと辛味が爆上がりする感覚? これは絶対クセになる! 

 この味を知ってしまったら、さらに名物「焼きチーズ麻婆豆腐」が食べたくなる! おそらくこのジェットコースター感にチーズのまろやかさがあるんだろうなぁ。次回食べにくるときは、数人で来て、気になる料理全部を味わうことにします!

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:上海菜館

住:東京都目黒区鷹番3-12-5
TEL:03-3713-4808
営:11:30〜14:00、18:00〜21:30(L.O.21:00)
休:火曜、月曜夜

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