【シェフインタビュー】Mikiシェフ 出張シェフを始めて変わったものの見方 お客様に寄りそう料理とコミュニケーションを

2023年4月11日(火)17時0分 ココカラネクスト

 外出自粛やリモートワークの普及により生活の中心が家庭へと移り、自炊の機会が一気に増えるなど、消費者の生活は一変しました。

コロナ禍で飲食業界の雇用不安が広がる中、店舗に頼らないニューノーマルな働き方として「出張シェフ」が注目されています。

出張シェフサービスを運営する「シェアダイン」では、コロナ禍の影響が出る以前の2019年と比較すると、飲食店出身のシェフの登録が急増しています。

コロナ禍をきっかけに出張シェフの活動を始めたシェフの中には、レストラン勤務の頃と比較して年収が2倍になったシェフや、年収1,000万円を目標とするシェフが出てきました。

今回は、「Mikiシェフ」に出張シェフのリアルな話をお伺いしました。

Mikiシェフ

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イタリアンのキャリアが一番長かったそうですね

カフェや居酒屋など、さまざまなジャンルの飲食業を経験した後に、2022年の10月までイタリアンレストランに約11年間勤めました。その間、結婚と出産を経て、産休も取らせて頂きました。子供が生まれてからは、時短勤務で働かせて頂き、お店には本当によくして頂いたと思っています。

ただ、レストランはディナーがメインとなるため、時短勤務で夕方までしか働けず、本格的なシェフの仕事ができない、というジレンマもありました。そこで、出張シェフというお仕事があるのを知ってシェアダインに登録し、お店を退職してから本格的に活動を始めました。

シェアダインの出張シェフに応募したきっかけについて教えてください

出張シェフを始めたのは、お客様の反応を直接知ってみたいということが動機でした。それまではキッチンで仕事をしていたので、お客様が食べ終えたお皿を見たり、ホールスタッフからお客様の様子を聞いたりする程度でした。シェアダインでお仕事を始めてからは、お客様の感想をじかに聞くことができて、それがやり甲斐につながると感じています。

実は、家事代行からお仕事を探していったのですが、シェアダインについては、自分の想いをこめて料理をつくり、それに見合った報酬を頂けるのではないかという期待感がありました。それからシェアダインのホームページのデザインも、自分好みでしたね。

実際にお仕事をされて、いかがですか

今は週3日、1日2件程度の頻度で出張シェフのお仕事を入れています。それとは別に週2日は違う仕事をしています。飲食店に勤めいた頃はキッチンにこもりっぱなしで、お客様と会話することは、ほとんどありませんでした。出張シェフになってから、人と話すことや、よそのお宅にお邪魔することは緊張しましたが今では会話も楽しみながら出来ています。

私は幼児食専門とうたっている訳ではありませんが、小さいお子さんがいらっしゃるお客様が多いですね。アピールポイントとしては、お客様のご要望に合わせてお客様が望まれる食事をご提供できるところです。例えばお好みの味付けにさせていただいたり、オーガニック野菜にこだわられている方でしたら、皮まで使って調理したりしています。

出張シェフの仕事を通じて、ご自身に変化はありましたか?

何よりも、シェアダインでお仕事を始めてから、自分自身の考え方が変わりました。これまでもっていた、料理についての固定概念のようなものを捨てた感じです。調理の仕方や味付けなどについて、自分のやり方が絶対ではなく、臨機応変にやるべきであるという考えを、今はもっています。

あとは、いろいろなご家庭に伺っていて思うのは「共働きで子育てをしているご家庭が多く、みなさん苦労されている」ということです。料理を通じて、そのようなお客様のお手伝いができるのは嬉しく、逆にお客様から刺激を受けて「自分も頑張ろう」と思うこともあり、前向きな考え方ができるようになりました。

お客様の立場でしたら、冷蔵庫の中の食材を優先的に使ってほしいというニーズもあると思います。私自身は、お家でプロの料理をご提供するという気持ちで調理していますが、やはり料理は食材ありきというところがあります。

冷蔵庫の中のあり合わせや、スーパーで手に入る食材で料理を作るといった制約は、どうしても出てきます。それでも、お客様に喜んでいただけるものを提供するために、お客様に寄り添いながらベストを尽くす、ということを心がけています。

シェアダインを利用されるお客様のニーズについてはどう感じられていますか

やはり、コロナ禍で人と人との接触が減った分だけ、人との関わりを求めている方が多いと感じています。料理だけを求められている方は、少ないのではないでしょうか。私自身はもともと、コミュニケーションが苦手だったのですが、お客様の雰囲気ですとか、レビューの評価を見ているうちに、コミュニケーションの重要性を意識するようになりました。

お客様目線では、シェフがせかせかと料理をしていたら、シェフに声をかけづらいと思います。そこで、自分自身の心に余裕を持たせるように心がけ、お客様と自然に会話が生まれるようなスタイルにしています。そうすることで、自分も楽になりました。自分のやり方に固執せずに、お客様が求めているものに耳を傾けるということです。

実際にお客様からは「大根は上と下どちらを煮物に使ったらおいしいのか教えて」などといった質問気軽にいただけるようになりました。

出張シェフとして働く意義についてはどう感じられていますか

シェアダインのシェフを始めて、いろいろものの見方が変わりましたので、やはり時代も変化しています。小さいお子さんがいて、外食が難しい方もいらっしゃいます。レストランだけでなく、ご家庭を訪問してお料理つくるというサービスは素晴らしいと思います。

これからも仕事として料理を続けていこうと考えている方には、ぜひ出張シェフに挑戦してほしいですね。私自身は自分のお店を持つという目標に向けて動いていますが、シェアダインのシェフも続けられる限り、活動していこうと考えています。シェアダインという会社にも感謝していますし、全国にサービスが広がりシェフが増えていけばよいと思います。

[文:食の専門家による出張料理サービス「シェアダイン」]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

ココカラネクスト

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