「高齢運転者の死亡事故」が4年連続増加…2024年の“交通事故状況”について専門家が解説

2025年4月11日(金)20時10分 TOKYO FM+

TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。4月4日(金)の放送では、警察庁 交通局交通企画課 安全係の成田洋基(なりた・ひろき)さんから、2024年の交通事故状況について伺いました。

※写真はイメージです


◆飲酒運転による死亡事故が大幅に増加
今回は2024年の交通事故状況についてお伝えします。令和6年の交通事故による死者数は2,663人で、前年と比べると15人少なく、割合にすると0.6%の減少です。重傷者数は27,285人で前年より351人少なく、割合で1.3%減となりました。
一方で、65歳以上の死者数は1,513人。これは前年より47人増えて、割合にして3.2%の上昇です。また、状態別で見ると「自動車乗車中」が増加し、「歩行中」「二輪乗車中」「自転車乗用中」は減少しました。
自動車乗車中の死亡事故を見ると、高齢運転者の死亡事故が増えています。令和6年は、75歳以上の高齢運転者による死亡事故が410件ありました。「4年連続の増加で、免許保有者10万人当たりの死亡事故件数を見ると75歳未満の2倍近くあります。さらに、車両単独事故の構成率は75歳未満の約2.5倍です」と成田さんは解説します。
また、自動車乗車中の運転手の状態にフォーカスすると、大きな問題が2つ浮かび上がります。1つは、相変わらずなくならない「飲酒運転」、もう1つが「携帯電話等の使用」です。
飲酒が引き金となった死亡事故は140件(28件増)で、なんと前年と比較して25%増えました。携帯電話等使用による死亡・重傷事故件数も136件と過去10年で最も多く増加傾向にあります。携帯電話等使用による死亡・重傷事故は、全体のほぼ半数を20代・30代が占めています。
歩行中に交通事故で亡くなった方は65歳未満で増えており、時間帯は夜間が増加。事故類型別では6路上で寝そべるなどの「路上横臥」の割合が高く、夜間の事故の75%に飲酒がありました。一方、65歳以上では、65歳未満と比べて“横断中”、特に「横断歩道以外横断中」の割合が高くなっています。そのうち7割が夜間の事故ですが、反射材の着用率はわずかに4.1%でした。
自転車乗用中の交通事故で亡くなった方は324人。そのうち約8割は何らかの法令違反があり、約5割が頭部に致命傷を負っています。また、成田さんは「自転車利用者のヘルメット着用率は、前年比で3.5ポイント上がっているものの、いまだ17%です。8割以上がヘルメットをかぶっていません」と解説しました。
現在「令和7年 春の全国交通安全運動」がおこなわれています(15日(火)まで)。最後に今年の重点ポイントについておさえておきましょう。
1:子どもを始めとする歩行者が安全に通行できる道路交通環境の確保と正しい横断方法の実践
2:歩行者優先意識の徹底と、ながら運転等の根絶やシートベルト・チャイルドシートの適切な使用の促進
3:自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルールの遵守の徹底
<番組概要>
番組名:JA共済 presents なるほど!交通安全
放送日時:毎週金曜 7:20〜7:27
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/koutsu/

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