はなびらたけ 4時間天日干しでビタミンDがぶなしめじの7倍に爆増!骨粗しょう症予防に最適
2025年4月18日(金)11時0分 女性自身
健康な人が1日に摂取するべきエネルギーや栄養素の量を示した「日本人の食事摂取基準」が4月から新しくなっている。
最新の知見に基づき5年に1度見直されている食事摂取基準。
最新版で注目されているのが、ビタミンDの1日の摂取目標が成人男女とも9.0マイクログラムとさらに高く設定されたこと。
2005年版では1日に必要なビタミンDは5.0マイクログラムだったので、この20年で2倍近く引き上げられたことになる。
国が積極的に摂取を勧めているビタミンDだが、日本人のほとんどがビタミンD不足に陥っていることが明らかになっている。
東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座の越智小枝教授が語る。
「2019年4月から1年間に東京都内で健康診断を受けた成人男女5,518人の血中ビタミンD濃度を調べたところ、全体の98%が必要とされる値を下回っていました。
ビタミンDには、食べ物から摂取されるもの、日光を浴びて皮膚から生成されるものと2種類あります。
検出されたビタミンDを調べてみると、ほとんどが動物由来か日光を浴びてつくられたもの。
植物やきのこ由来のビタミンDがほとんど検出されませんでした。植物由来のビタミンDを取っていると思っている人でも、ほとんど必要量が取れていないのが現状です」
ビタミンDは、サケやしらすなどの魚介類、干ししいたけなどのきのこ類に豊富に含まれているが、不足するとどうなるのだろうか。
■日焼け止めを塗るとビタミンDが生成されない
越智先生が続ける。
「新型コロナウイルスの重症化を抑えるといった感染症やがんなどの免疫を整える作用、心筋梗塞のリスクを下げる作用などが注目されていますが、もっとも知られているのが、ビタミンDが丈夫な骨をつくるのに欠かせない栄養素だということです。
ビタミンDは、カルシウムが小腸で吸収される際にサポートしたり、骨にカルシウムを取り込ませたりする作用があります。
また骨を溶かす『破骨細胞』の働きを抑えたり、しなやかな筋肉をつくったりすることも。ビタミンDが不足すると、骨粗しょう症や骨折リスクが高まります」
50代以降は、骨密度が急速に減少していく。
骨の量が減る骨粗しょう症になると骨折しやすくなり、歩行困難や寝たきりを招くことも。骨の健康のためにも、日ごろからしっかりビタミンDを取ることが重要だ。
「ビタミンDは、太陽の光を浴びることでも生成されますが、現代は屋内での仕事が多いことに加え、シミやシワ、皮膚がんなどの原因となる紫外線のダメージを考えれば、日光で十分なビタミンを生成するのは極めて難しい。
意識的に日光に当たる習慣を取り入れるのはいいことですが、日焼け止めを塗ってしまうとビタミンDの生成が90%以上抑えられてしまいます。
日々の食事でビタミンDが多く含まれる食材をしっかり選んで摂取していくことが有効な手段です」(越智先生)
骨の健康を保つためにも、適度に日光を浴びながら、ビタミンDがたっぷりの食材を取っていくことが重要。
そこで注目されているのが、昨今、スーパーなどで見かけることが増えた「はなびらたけ」だ。
管理栄養士で野菜ソムリエ上級プロの岸村康代さんが語る。
「生のはなびらたけのビタミンD含有量はゼロですが、日光を当てると、含有量がグーンと増える特徴があります。
最近では紫外線を当てた生のはなびらたけも売られていますが、4時間ほど日光に当ててから調理すればビタミンDを豊富に取り入れられます。
腸内環境を整えるβグルカンなどの食物繊維も多く、またうま味成分のグルタミン酸も豊富でクセが少ないはなびらたけは、さまざまな料理に活用できます」
別途グラフを見てほしい。
ビタミンDの含有量がゼロだったはなびらたけが、日光(紫外線)に4時間当てるだけで100gあたり26マイクログラムに。
8時間では、ビタミンDが豊富なまいたけの2.4倍以上、ぶなしめじの約16倍の含有量に!
1日の目安量を超えるが、食事によるビタミンDの摂取では過剰摂取のリスクもほとんどないというから安心だ。
前出の越智先生が語る。
「ビタミンDは加熱しても大丈夫な脂溶性ビタミン。油と一緒に摂取すると吸収率が上がります。
健康寿命の延伸に不可欠なビタミンDを意識して体に取り入れることを心がけましょう」
そこで、はなびらたけを使った骨強化レシピを2品紹介する。“最強食材”を活用したビタミンDたっぷり生活で、いくつになっても歩ける体をつくろう!