未知の感染症対策に、風邪症状の「ARI患者数」集計開始…初の調査結果は1週間・1医療機関あたり49・38人

2025年4月22日(火)19時52分 読売新聞

 未知の感染症の流行を把握するため、今年度から国の患者数調査の対象に加わった「急性呼吸器感染症(ARI)」について、国立健康危機管理研究機構は22日、初の調査結果を発表した。せきやのどの痛みといった風邪の症状を示す呼吸器感染症の総称で、13日までの1週間に報告された患者数は、1医療機関あたり49・38人だった。国は今後のデータの推移を注視していく方針だ。

 ARIは、感染症法上の「5類」に位置づけられ、全国約3000の定点医療機関から1週間分の患者数の報告を受ける定点把握対象として7日から集計が始まった。個別に患者数が報告されるインフルエンザや新型コロナウイルスなども含まれる。

 これまでは、風邪症状があっても、診断がつかなかった場合は報告の対象外で、この中に新たな感染症が含まれていても、見逃してしまう恐れがあった。

 調査では、定点医療機関のうち、300の医療機関から患者の鼻ぬぐい液など検体の提出を受け、ウイルスなどの病原体が含まれていないかも調べる。

 谷口清州・国立病院機構三重病院名誉院長(感染症疫学)は、「ARIの調査で、インフルエンザや新型コロナなど既知の感染症が、どれぐらいの割合で流行しているのかが分かる。これらの流行状況を継続して把握することで、未知の感染症が発生した際、早期に察知し、対処することが可能になる」と指摘している。

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