注目が集まる<ゴールド投資>。25年弱で価格が9倍に…今後も値上がりは続くのか【2025マネー記事セレクション】
2025年4月25日(金)6時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
2024年に『婦人公論.jp』で反響を得た「マネー」に関する記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年07月19日)
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2019年に大きな話題となった<老後2000万円問題>や昨今の経済不安から、「投資を始めたいけど、なんだか難しそう…」と考えている方も多いのではないでしょうか。そんななか「投資は『よくわからない、得体の知れないもの』だから不安なだけ。だったらそれを取り除けばいい。」と話すのは、投資の学び舎「トウシナビ」代表・櫻井かすみさん。そこで今回は、櫻井さんの著書『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本: 投資詐欺被害、貯金ゼロ、無職、離婚ありの「お金超恐怖症」の貧乏ママだった私でも今は純資産1億に到達!』から「ゴールド投資」について解説します。
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ゴールドがこれからも値上がりしそうな理由
昨今、ゴールド(金<きん>)投資に注目が集まっています。
その証拠に国内のゴールドの価格は、2024年に過去最高値を更新しました。1gあたり1万円を超え、ここ25年弱で価格は9倍まで上がっています(下図)。
金の価格の推移<『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本: 投資詐欺被害、貯金ゼロ、無職、離婚ありの「お金超恐怖症」の貧乏ママだった私でも今は純資産1億に到達!』より>
さらに、10年〜20年後の長期的な視点で見ると、ゴールドの価格は今後も上昇し続ける可能性が高いともいわれています。
なぜゴールドは、そこまで値上がりしているのか。そして今後も成長が予測されているのか。
その秘密を、ゴールドだからこそ持つ5つの特徴から探っていくことにします。
【特徴 その1】埋蔵量に限りがある
ゴールドは世界中でその価値が通用すると同時に、有限という特性を持つ資産でもあります。
既に採掘されているゴールドは19万トンほどで、まだ採掘されていない残りは5万トンほどと推測されています。
現在ゴールドは年間3000トンベースで採掘されていますが、このままのペースで採掘されると20年未満で枯渇するという計算になります(*参考:米国地質調査所〈USGS〉「Mineral Commodity Summaries2023」)
ゴールドの希少性とコスト
【特徴 その2】希少性が高い
ゴールドは埋蔵量に限りのある資源であり、将来的には需要に供給が追いつかなくなる可能性があります。そこで、既に地上にあるゴールドを再利用するしかないともいわれるほど。
『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本: 投資詐欺被害、貯金ゼロ、無職、離婚ありの「お金超恐怖症」の貧乏ママだった私でも今は純資産1億に到達!』(著:櫻井かすみ/Gakken)
そうなれば、今よりも希少価値は高いものとなり、価格はますます高騰すると考えられます。
ゴールドは作れない、増えない、増やせない、採れないという制限があるがゆえの結果です。
【特徴 その3】採掘コストが高騰する可能性大
金を採掘するために、様々なコストがかかります。採掘の人件費、エネルギー代、鉱脈の探索費などです。
金の生産平均コスト(AISC)は2023年7月〜9月時点で、新型コロナウイルス流行前に比べて39%上がり、四半期ベースで過去最高になったといわれています(『日本経済新聞』〈2024年2月28日〉より)。
しかも資源国でインフレが深刻化していることもあるため、これらの費用が今後も大幅に高騰することが危惧されているのです。
投資や資産の対象であるだけでなく…
【特徴 その4】宝飾品や工業利用などのゴールド需要は、なくなる可能性が低い
ゴールドは投資や資産の対象であるだけでなく、装飾品、医療分野、産業分野など実に様々な分野で需要があります。
スマホやパソコンなどの電子機器にも使われており、知らず知らずのうちに我々の生活にも深くかかわっているのです。
そんなゴールドの需要がなくなる可能性は低く、地球全体の規模で見た際の人口増加や電子機器の普及が進むにつれて、価格がいっそう上昇することが予想されます。
【特徴 その5】人工的に作り出すのが難しい
現在、人工的にゴールドを作ることは、理論上可能だといわれています。
とはいえ、非常に大掛かりな設備と費用を必要とします。
この設備を動かすためには、莫大な費用が必要であるのに対し、できるゴールドはほんの原子数個分程度のみ。
金1gを生成するだけでも必要なエネルギーは莫大なため、これではあまりにもコストに見合いません。
米国インデックスでは敵(かな)わないゴールドの安定感と回復力
10年に1度起こると言われている「**ショック(景気後退)」があると、株は売られて下落しやすくなります。
30%近くの下落くらいはコロナショックでも起きています。S&P500をはじめとした米国インデックス投資も、例外ではありません。
100万円であれば60万円まで下がり、1000万円であれば600万円、1億であれば6000万円まで減ることになります。
保有している資産がどんどん下がっていく暴落の痛みに、あなたは果たして耐えることができるのか……。想像してみてください、少しゾッとしませんか?
「老後のため」「教育資金のため」と毎月コツコツ積立てていた資金が、暴落で消えてしまうことも可能性として想定しておく必要があります。
そうでないと、いざ暴落の局面を迎えた時に、恐怖で居ても立ってもいられなくなるのです。
そこで、S&P500をはじめとした米国インデックスだけだと、安心だとは言い難いでしょう。
米国インデックスがダメだとは一言も言ってません。でも、米国インデックス“だけ”というのが、リスクが高いということを言いたいのです。
そこで、「資産を積極的に増やす」だけでなく「資産を守るための対策」も一緒に考えておくことが大事で、その手段として「ゴールドを買うこと」が有力候補となるのです。
なぜなら株などが暴落しても、ゴールドは暴落しにくい歴史があるから。もちろんゴールドも下落はしますが、株ほどのアップダウンはあまり見られなかったのです。
ゴールドと株の違い
では実際に、ゴールドがどれだけ安定感があったのか。下の図を見てみましょう。
2008年に起きた世界的経済危機「リーマンショック」の際は、S&P500は価格が回復するまでに約5年かかっています。また、記憶に新しい2020年の「コロナショック」では、約半年ほどで株価が回復しました。
それに対してゴールドは、リーマンショックでは約1年で以前の水準に戻り、その後急騰し2011年には2倍まで上がりました。
コロナショックでは、ゴールドは約1ヶ月で価格が回復。しかも半年後には、暴落前よりも2割ほど値上がりもしました。
このようにゴールドも下落はするものの、株に比べて復活が早かった傾向がわかっております。
※本稿は、『投資への不安や抵抗が面白いほど消える本: 投資詐欺被害、貯金ゼロ、無職、離婚ありの「お金超恐怖症」の貧乏ママだった私でも今は純資産1億に到達!』(Gakken)の一部を再編集したものです。
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