麻木久仁子が放送大学3年目に突入、社会人8年目の娘にも放送大学を勧めてみたい
2025年4月28日(月)16時58分 ジェイタメ
タレントで国際薬膳師の麻木久仁子が放送大学で3年目の新学期を迎えた。「科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)」の「健康福祉指導プラン」はすでに修了しており、今期の講義を終えれば「福祉コーディネータープラン」を修了することになる。これまでの2年間を振り返り、3年目も学び続ける理由を語った。
●還暦を機に放送大学に入学……「いつかやろう」ではなく「今やろう」
放送大学は、 4月と10月の年2回学力試験なしで入学可能な文部科学書省・総務省所管の通信制大学。BS放送、ラジオ、ネットなどを通じて好きな時間に学習できることが特徴。大学卒業(学位取得)を目指す「全科履修生」(最大10年間まで在学可能)、好きな科目だけ学べる「選科履修生」、「科目履修生」がある。
48歳で脳梗塞、50歳で乳がんを経験した麻木は「食」にまつわることに興味を持ち、東洋医学に基づいた国際薬膳師の資格を取得。国際中医師や温活指導士の資格も取得し「食」に関する情報を発信する活動を行っている。2年前、還暦を迎えたタイミングで「いつかやろう」ではなく「今やろう」と決意し放送大学に選科履修生として入学した。
●3年目は「自然な感じで学ぶことができています」、成績は“オールA”を継続
3年目に突入した様子を尋ねられると「4月スタートの1学期と10月スタートの2学期でそれぞれ4科目ずつ受講していて、2年間で16科目を履修しました。3年目になると放送大学で学ぶことが生活のリズムの中に溶け込むようになっていましたので、『よし、がんばるぞ!』という気張った感じはなく『新学期がまた始まったな』という自然な感じで学ぶことができています」と現在の様子を紹介。
1年目の科目はすべて「マルA」という最高評価の成績で単位を修得してきたが、2年目の成績は「マルA」が5科目と「A」が3科目。「“オールマルA”は終わってしまいました。でも、“オールマルA”を続けなきゃというプレッシャーから解放されてすっきりしています(笑)」と笑顔を弾けさせた。
●仕事面での成長も実感「言葉に根拠がつくようになりました」
「2年間の振り返り」が話題にあがると、「放送大学に入学した一番の理由は、人生100年時代を少しでも心身健やかな状態で生きるにはどうしたらよいのかを学びたかったからです」と話し始めた。
「1年目は“どうやって安全で健康にごはんを食べようか”という自分自身のテーマである『食』に直接関係する『食と健康』や『食の安全』などの講義を受講しました。ただ、学ぶうちに、社会基盤の在り方が人々の健康に非常に影響していて、個人の努力とはまた違う要素で1人1人の健康が社会基盤の在り方によって規定されていることがわかってきました。それで、2年目からは福祉や介護の問題、公衆衛生などにも興味を持ちました」と続けた。
「私自身の生活の質もきっと上がっていると思いますし、“食”や“健康”をテーマにした講演などをするときも、放送大学に入学する前は漠然としたイメージや自分の狭い経験から話していたのですが、歴史や背景、法制度の在り方や現状を知ったうえで話すことができるようになりました。同じテーマで情報を発信するにしても言葉に根拠がつくようになりましたので、仕事の質も上がっていると思います」とも。
さらに「情報番組のMCなど常に情報に触れる仕事はしていたのですが、ランダムに情報に触れて雑学的に学ぶことと大学で学ぶことはぜんぜん違います。大学で学べば1科目を履修するだけでも、そのテーマに対して芯が生まれます。この2年間、放送大学の講義を受けることで積み重ねてきた知識には“かっこたるもの”を感じています」と付け加えた。
●今期は「地域」と「家族」に注目して4科目を選択
今期は「社会福祉−新しい地平を拓く」「貧困の諸相」「家族問題と家族支援」「地域福祉の課題と展望」の4科目を選択。「健康と社会が切り離せないことを学んでから興味が自分の身の回りの狭い範囲から広がりました」と述懐し「地方自治体レベルの共同体や地域社会は“食”をはじめ介護や医療にも直接結びついています。1人1人の地域との関わり方が地域の在り方を決めることになると学びましたので『健康に生きたい』と思ったら『どう地域と関わっていくのか』ということが大事になるのだなと思いました。なので今期は『地域』と地域の中における最小単位である『家族』に注目して4科目を選びました」と選択した理由を紹介した。
●放送大学エキスパートの「健康福祉指導プラン」はすでに修了、今期の目標は「福祉コーディネータープラン」
今期の4科目で単位を修得すれば「科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)の「福祉コーディネータープラン」を修了することになる。
「放送大学エキスパート」とは指定された特定の授業科目群を履修することにより、ある分野に目的・関心を持ち、そのための学習を体系的に行ったことを証明する制度で、学校教育法第105条「履修証明制度」に対応したカリキュラム。2006年の実施から全プラン累計で約36,000名の学生が認証状を取得している。
「『放送大学エキスパート』の『健康福祉指導プラン』に必要な単位は2年目の2学期までに取りました。今年の3月末のタイミングで認証状の発行を申請しましたのでゴールデンウィーク明けくらいには届くそうです」とにっこり。「『放送大学エキスパート』は履歴書にも書ける公的なもので私たち選科履修生にとってはすごく励みになります。選科履修生は自分の好きな科目を選ぶことができるのですが、放送大学エキスパートの授業科目群は受講科目を選択する際のガイドラインにもなります」と声を弾ませた。
今年10月から始まる2学期以降の目標は「社会生活企画プラン」。「『地域貢献リーダー人材育成プラン』や『心理学基礎プラン』にも興味があるのですが、私にとっては“人や地域のために活動する”というよりは“自分の人生をどう生きるか”が大きいのかなと思います。健康に直接関わる部分として『健康福祉指導プラン』から始まり、そこから興味が広がって今期『福祉コーディネータープラン』を修了する予定です」と希望に胸を膨らませる。
●人生100年時代を生きるに「学びたいことはまだまだたくさんあります」
3年目も放送大学での“学び”を続けようと思った理由については、まず「私くらいの年になると、未来に何が起こるのかを予想することができなくなります。極端な話ですが明日にでも何かの病気を宣告されるかもしれません。一方で、重い病気を患うことなくあと30年以上生きることもあるかもしれません」とコメント。
「放送大学に入学した2年前は『還暦を過ぎて第2の人生をどう生きて行けばよいのだろうか』と考えてはいましたが、具体的にどうすればよいのかということがわかりませんでした。それが、放送大学で学び続けるうちに、“何が起こるかわからないという不透明な状況”や“何が起こるかわからないことに対する不安”に対処するためにはリテラシーが必要になることを知りました」と目を輝かせる。
「私はまだ『還暦を過ぎてから重い病気を宣告される』という危機に直面していませんのでそうなったときのことはわかりませんが、『未来が予想できない中で自分が自分らしく生きていくためのリテラシー』や『不測の事態に直面したときに自分の力で対応していくためのリテラシー』を身につけるために学んでいますので、学びたいことはまだまだたくさんあります」と声を弾ませた。
●周囲でも広がる放送大学の輪、娘の未来を思う場面も
周囲にも放送大学で学ぶ友人がいるそう。「同世代で放送大学で学んでいる方がいるのですが、私と同じように“人生100年時代をどう生きるか”をテーマにしています。ただ、40代の友達も放送大学で学んでいて、その方は先が見えない経済状況の中でどうすればキャリアアップできるのかということを考えているみたいです。働きながら子育てをしてそのうえさらに放送大学に通っているという人もいます。『リスキリングすることでAI時代に対応しないと』という危機感があるのかもしれません」と話す。
放送大学では2025年4月時点の入学者数が前年比10%増を記録した。入学者数は全世代に渡って増えており、中でも20代から30代の若い会社員世代の学生が増加している。6つあるコースのうち「情報コース」では入学者数がここ数年右肩あがりで増え続けている。(6つのコース:生活と福祉コース・心理と教育コース・社会と産業コース・人間と文化コース・情報コース・自然と環境コース)
「放送大学はインターネットを利用した受講環境がものすごく整っています。土日に集中的にやることもできますし、朝活として出勤前に学ぶこともできます。私みたいに夜にやることもできます。若い方々はどんなメディアでも使いこなすことができますので、それぞれのスタイルに合わせて学び続けているのだと思います」と言葉に。
「私の娘は今30歳で、新卒で就職して8年目です。ようやく現場リーダーを任されるくらいになったところで、今は目の前のことで忙しいかもしれないのですが、さらに何年かして『ステップアップしたい』と考えるようなことがあったら応援したいと思います。もし『どこでどう学べばいいのかな?』と相談されたら『忙しい中で学ぶとしたら放送大学はすごく学びやすいので、選択肢のひとつとして検討してみたら』と勧めてみたいです」と母親の表情で娘の未来に思いを馳せた。
●放送大学は「人生を充実させるためのリテラシー」を身につけるファーストチョイス
「放送大学に通ってみたいと思っている人へメッセージはありますか?」と質問されると「多くの通信制大学があると思いますが、放送大学は自分が学ぶ形を自分で構築できる大学です。よく『麻木さんはそう言うけど本当に面白いの?』と声を掛けられるのですが、試しに1科目だけでも受講してみてください。エンジンがかかったら学士取得を目指すこともできます。これだけ融通が利いてしかも授業料がリーズナブルな大学は少ないと思います」と実感を込めて語る。
「3年目に入り、私の“学び”は最初に入学した当時では想像もできない形で広がりを見せています。広がったら広がったで、その広がった興味に応えてくれる講義があります。放送大学エキスパートなどの制度もあり、仕事の忙しさやライフスタイルに合わせて学ぶことができます。特に『自分の人生を充実させるためのリテラシーが欲しい』と考えている方にはファーストチョイスとしてお勧めできると思います」とメッセージを送った。