私が愛する「ご当地駅メロ」 「聖地」で流れる昭和・平成あの名曲【川崎駅・茅ヶ崎駅】

2019年4月30日(火)18時0分 Jタウンネット

Jタウンネットでは現在、駅のメロディーについて読者の皆さんの様々な感想や意見を募集している。前回は、ご当地メロディーの普及にともなって既存のメロディーが失われてしまうことを惜しむファンの嘆きを紹介した。


今回は、その逆に好きなご当地メロディーの具体例をいくつか紹介させていただく。40代男性からの投稿で、神奈川県内の川崎駅と茅ヶ崎駅のものだ。両駅とも一定の年齢から上の世代にはたまらない曲を採用している。


流行歌の歴史を体感できる駅


「川崎駅『上を向いて歩こう』
理由‥励まされる。前向きになれる。
茅ヶ崎駅『希望の轍』
この場所のイメージそのもの!駅から20分歩くかバスを5分乗れば海が広がって最高 烏帽子岩を望む光景が浮かびます。このメロディーも非常に前向きになれる」



川崎駅の「上を向いて歩こう」は東海道線ホーム(1・2番線)で16年12月10日から採用。坂本九さんが川崎市川崎区出身であることにちなんでの採用だ。京急川崎駅でも同様の理由で違うアレンジの楽曲を接近メロディーに使用している。


「上を向いて歩こう」は1963年発売の高度経済成長を象徴する1曲だが、その曲が川崎駅に採用されたことには歌い手の出身地以上の意味を感じてしまう。


川崎駅周辺は昭和の昔は一大工場地帯で、工場に勤める労働者が集まり、彼らが集まる歓楽街や競馬場ができて、どことなく猥雑な一帯だった。


昭和を代表する歌謡曲の歌い手が川崎で生まれ、同じ場所で数多の男たちが日本の成長を支えていた。彼らも「上を向いて歩こう」を聴いて明日への気力をもらっていたのではなかろうか。


21世紀の今、川崎駅周辺は工場の数は減り、再開発により駅ビルやショッピングモールがオープンして小綺麗な街になりつつある。時代は変わり、坂本九さんが没しても、歌はこの街で働く人を今も元気付けていると思うと感慨深いことこの上ない。


もう1曲は茅ヶ崎駅でのサザンオールスターズ「希望の轍」である。


メンバーの桑田佳祐さんが監督を務めた1990年の映画「稲村ジェーン」の劇中歌で、2014年から東海道線ホーム(5・6番線)で採用。5番線(東京方面)がイントロ、6番線(熱海方面)がサビの部分をメロディー化しているが、桑田さんの独特なボーカルが耳に残る原曲から一転、爽やかなサウンドで構成されているので知らないとサザンの曲と気付かないかもしれないが、上下線とも明るく前向きになれるメロディーだ。


「稲村ジェーン」は湘南を舞台にした作品で、茅ヶ崎市内の菱沼海岸にあるラブホテル「アンデルセン」も舞台になっていたりする。茅ヶ崎駅は南側に出るとサザン通りがあり、投稿の通り海岸も近くこの駅にはサザンが似合うと実感させられる。街と駅が一体になって、「希望の轍」「チャコの海岸物語」などのサザンの曲の聖地という雰囲気を盛り上げている。


川崎・茅ヶ崎の2曲はいずれもその時代にヒットし親しまれたポップス。聴く人の人生の節目で影響を与えた、思い出深い曲であるかもしれない。そして両駅とも聖地としてぴったりの条件を兼ね備えている。もともと曲自体のファンも多いのだから、乗客にも地域にも愛されているという一例だろう。


引き続き、様々な駅の音楽に関するメッセージを募集中。全国各地から感想や意見をお寄せいただきたい。


※Jタウンネットでは、好きな「駅メロ」を募集します。地域・路線は何でもOKです。こちらのメール(toko@j-town.net)に、具体的なエピソード、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

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