【お悩み相談】人にお礼が言えない高齢の父にイライラします

2025年4月30日(水)6時0分 大手小町(読売新聞)

我が家は共働きで、夫婦2人とも帰りが遅い時には、近所に住む私の父に我が家まで来てもらい、小学3年生の子どもを見てもらっています。時々、夫が気を使って、お酒や頂き物を父に出す時があります。夫としてはお礼の気持ちを込めていますし、「いつもありがとうございます」と口にも出しています。

でも、私の父はお礼を全く言いません。私の感覚だと、「ありがとう。おいしいね。どこのお酒なの?」という会話を期待するのですが、父はいつも何も言わないか、言っても「ああ」のみです。いつも大してうれしくなさそうなので、「飲みたくなければ飲まないでいいよ」と、つとめて普通に言ったこともあるのですが、「なんでそんな言い方なんだ!」と怒り出して、うんざりしました。

父はもう70代半ばなのですが、いまさらお礼をちゃんと口にできる人にはならないのでしょうか? 娘としてとてもイライラします。(ハンドルネーム:みか)

お悩みアドバイザーの壇蜜さん

みかさんのお父様、自分のお孫さんのために色々してくださっているようですね。無口でちょっぴりぶっきらぼうだけど、お孫さんを気にかける優しい方なのだと私は文体から悟りました。

そして、みかさんやみかさんの旦那様もまた、そんなお父様をねぎらいたい、少しでも喜んでほしいという気持ち、感謝の気持ちがある温かい方々なのだと思いましたよ。相談するくらいもどかしい事態になってしまったのは、皆さんの持つ「コレが自分なりの優しくする、いたわる」マインドや方法が見事にかみ合っていないからだと推測します。

お父様が、どんな気持ちでみかさんの代わりにお子さんの世話をしているのか、想像したことはありますか?

「イヤイヤ面倒みている」「頼まれたから仕方なく聞いてあげている」「本来なら自分のやることじゃないのにと、内心不満な気持ちでやっている」などのようなネガティブな思いで「お孫さんとの時間」を過ごしているようには私には思えません。みかさんの一言に、「何でそんな言い方なんだ!」とお怒りをあらわにしたのがその証拠かと。

お孫さんも、みかさんご夫妻も大切に思っているから助けている——。しかし、お父様は、性分上、多くを語ったり、謝意やもてなしに対して喜ぶ気持ちを伝えたりするのが苦手なだけのような気がしてなりません。「ありがとう」と言われても、照れくささからあえてぶっきらぼうになってしまう方って、高齢の男性には多いようにも認識します。

まずはお子さんに、「おじいちゃんと2人の時、どんなお話ししてるの? 遊んでもらったり、お勉強みてもらったり、ご飯作ってもらったりしてる?」とさりげなく聞いて、「お子さんといる時のお父様」のお姿を把握してみてはいかがでしょうか。そして、「お父さんもお母さんも、おじいちゃんに『ありがとう』っていつも思ってるんだよ」と話し、それをお父様にも伝えて欲しいとお願いしてみてはどうでしょう。

謝意の表し方と受け取り方が一方通行になっている今、関係改善の最初のとっかかりとして、お子さんのチカラを借りましょう。そして、お父様にも、「○○ちゃん(みかさんのお子さん)、今日はどうだった?」と、いない間に何があったか、何をしていたかなどを聞いてみるのもいいでしょう。お父様がぶっきらぼうモードになっても、「自分たち夫婦がそばにいないときの様子を知っておきたい、だからお願い!」と言えば、少しは話してくださるかもしれません。

謝意→謝意を受け取り、温かい気持ちが育まれる→また頼まれたら対応→新たな謝意。そしてお子さんは、その温かみに触れて成長されるでしょう。このサイクルを確固たるものに作り上げることを目標に、お父様の「なかなか変えられない性分」を包んであげれば、売り言葉に買い言葉から生まれるトゲトゲしたムードにはなりにくくなると考えます。

たまにお父様宛てに、みかさんご夫妻とお子さんからの「ありがとうの意を込めた手紙」を書いたりしてもいいかもしれませんね。温かい3代の輪を作りましょう。(タレント 壇蜜)

大手小町(読売新聞)

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