「ずっとイジりの対象でした」20歳からハゲはじめ、月3万円の治療薬に手を出したことも…「日本初の“ハゲモデル”になった50男」のハゲしすぎる人生

2025年5月5日(月)17時50分 文春オンライン

「僕らの世代、いまだに男は稼いでなんぼなんです。家族を養えないと自分に価値がないように思えて、男としてのアイデンティティが見事に崩れるんです。それがめちゃくちゃ怖いんですよ」



若かりし頃のハゲモデルこと和見龍弥さん。若い時からすでに髪の毛は薄くなりつつあった(写真:本人提供)


 インスタグラムのフォロワー2万人超え、49歳でパリのファッションショーにモデルとして参加した 和見龍弥 さん。現在はハゲモデルとして活躍する彼の人生には、波乱万丈があった。


なぜ「日本初のハゲモデル」になれたのか?


 和見さんの最初のコンプレックスは「高身長」だった。


「保育園時代から背が高くて、背の順に並ぶと必ず一番後ろだったんです。小学生って、残酷じゃないですか。みんなと違う人をいじめるというか、いじるというか。ずっとそういうイジリの対象でした」


 そんな和見さんを新たなコンプレックスが襲う。20歳の時、美容師から「和見くん、年いくつだっけ……? ちょっと早いかもね」と言われたのだ。そこから薄毛への不安が始まった。


「前からも上からもですね。……『お気の毒に』みたいな感じですか?(笑)。タイプで言えば、M字型(おでこが薄くなる)とO型(頭頂部から薄くなる)の両方来たんです」


 和見さんは社会人になってからも、月3万円ほどの薄毛治療薬を飲み続けた。しかし、ストレスフルな仕事のせいで薄毛はさらに進行。35歳で会社を退職し、アロマインストラクターに転身した。


「奥さんの仕事が終わったら『働かざる者食うべからずです』って言いながら、僕が毎日奥さんをマッサージしてました。その時に、お金稼げてないってこんな気持ちになるんやなって。ハゲとは別の意味で、自分に全然自信がなくなってしまって」


50歳でモデルの道へ


 しかし、44歳の時にサロンを閉じた和見さんは、人生の新たなステージを目指すことを決意。20歳の頃にスカウトされた経験を思い出し、50歳を前にしてモデルの道を志すことにした。


「確かに幸せやし、もうチャレンジしないでもいいんですけど。でも『自分にも何か可能性があるんじゃないかな』って思うようになって。それで『ハゲ 中年 男性 モデル』で検索して。見つけた事務所に片っ端から履歴書送り、あるモデル事務所に入れてもらえることになったんです」


 そして49歳で念願のモデルデビューを果たし、わずか1年でパリのランウェイを歩く夢まで叶えたのだ。


 和見さんは今、日本の「ハゲ」に対する価値観を変えることを新たな目標としている。


「パリに行くと僕みたいなスキンヘッドや薄毛の人ばっかりなんですよね。成人男性の半分以上は、ハゲと髭(笑)。そういう人が普通にカフェでコーヒー飲んで、かっこつけているんです」


 日本でも「ハゲ」がファッションの一部として認められる日が来るかもしれない。和見さんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。


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(「文春オンライン」編集部)

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