疲れやすくなったのは、筋肉が衰えているから。20歳を過ぎると年に1%ずつ筋肉は減少する!「寝たきり」を防ぐ、毎日できる筋力アップ動作

2024年5月10日(金)12時30分 婦人公論.jp


(イラスト提供:illustAC)

ずっと自分の足で歩きたいなら、体を動かして筋肉を鍛えることが大切です。けが予防やロコモ(※)対策のアドバイスをするフィジカルトレーニングの第一人者が、運動が苦手な人でもできる簡単筋トレ法を伝授します(構成◎浦上泰栄 イラスト◎サノマキコ)
※「ロコモティブシンドローム」の略。運動器症候群

* * * * * * *

90歳からでも筋肉は増やせる


講演会などで『婦人公論』世代の方に会うと、みなさん、「加齢とともに疲れやすくなった」という話をなさいます。人間の筋肉は20歳を過ぎると年に約1%ずつ減少しますから、何も対策を講じなければ、60代を迎える頃には4割近い筋肉を失うことになる。以前より少ない量の筋肉で体を動かせば、疲れを感じるのも当然といえるでしょう。

疲れるから体を休ませる、すると活動量が減ってさらに筋肉が衰えるという悪循環に陥り、その先に待っているのは「寝たきり」生活です。一生動ける体でいるためには筋トレを習慣化してほしいのですが、「年齢的に筋トレは負担が大きい」と考える人は少なくありません。

実際は、何歳になっても筋トレはできるし、続ければ確実に効果が表れます。病気で寝たきりになった私の祖母は98歳でトレーニングを始めて、毎日続けたところ、103歳で40回のスクワットができるまでになりました。祖母は104歳のとき老衰のため亡くなりましたが、死の直前まで自分の足で歩き、認知症を発症することもなかったのです。

筋力を高めるには時間がかかります。WHO(世界保健機関)は成人に対して週150分以上の運動を推奨していて、筋トレも毎日30分〜1時間程度行うのが理想。とはいえ、運動習慣のない人がいきなり長時間の筋トレを実践するのは難しいですよね。

そこでまず初めに私がおすすめするのは、日常生活の中に筋力をアップする動きを組み込むこと。たとえば、テレビを観ながら膝を曲げ伸ばしする、買い物に出かけたらなるべく階段を使って足腰を鍛える。そうやって1日の中で運動時間を積み上げることから始めれば、筋肉は確実についていきます。

正しく体を動かすには、筋力とともにバランス感覚や柔軟性も必要です。この3つを養うトレーニングを紹介するので、最低3ヵ月を目標に続けましょう。体が動きやすくなった、疲れにくくなったと感じるときが必ず訪れます。

○バランス力と足腰の筋力をアップ

●片足立ちで靴下をはく

転倒を防ぐには、足腰の筋力アップと同時に、バランス感覚の強化も大事。

そこで「靴下をはく動作」をトレーニングに活用しましょう。

片足立ちでバランスを取りながら靴下をはきます。

慣れるまでは、つかまれるものがある場所で行って


(1)壁を背にして立ち、腰を壁につける。軸足のひざは軽く曲げ、靴下をはく側のひざを上げる


(2)(1)の姿勢をキープしたまま靴下をはく。反対側の足も同様に行う

【ポイント】
慣れてきたら壁を使わず行ったり、靴下を脱ぐときも片足立ちになったりして、強度や回数を増やしましょう

○猫背を解消して美しい姿勢に

●ボールを挟んでイスに座る

猫背の状態が続くと、胸郭や肺、胃腸が圧迫されて呼吸が浅くなる、消化・吸収機能が低下するなど不調のもとに。

食事中や読書中などイスに座るとき、腰のカーブと背もたれの間にボールを挟み、正しい姿勢を維持できる筋力を養いましょう


直径20cm前後の小さなボール、または2回結んで丸めたフェイスタオルを用意し、腰のカーブの部分に挟んで座る。ボールが落ちないように背中で支え、その姿勢をキープ

【ポイント】
背中を「点」で支えることが大事なので、ボールやタオルのような小さなものを使う(クッションは避ける)こと。車に乗ったり、映画や舞台を観たりするときも、この座り方を実践して

婦人公論.jp

「減少」をもっと詳しく

「減少」のニュース

「減少」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ