ボーナスで資産運用! 初心者でも挑戦しやすい運用先はどこ?

2025年5月20日(火)8時3分 マイナビニュース


近年、ボーナスで資産運用を始める人が増えてきています。NISAの普及もあり、投資に興味を持つ人が多くなっているのがその理由の一つです。では、投資が初めての人は、どのような方法なら始めやすいのでしょうか。今回は、投資初心者がボーナスで資産運用する場合のおすすめの運用先や、ボーナスの上手な使い方などについてわかりやすく解説します。
■ボーナスで資産運用する人はどのくらいいる?
<ボーナスとは>
ボーナスとは、毎月の給料とは別に支払われる特別な報酬、一時金のことです。「賞与」や「特別手当」と呼ばれることもあります。国税庁では、「定期の給与とは別に支払われる給与等で、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるものその他これらに類するもの」と定義されています。
ボーナスの金額や支給時期、支給回数はそれぞれの企業に委ねられているため、ボーナスが支給されない企業や、年間に複数回支給される企業もあります。ただし、一般的には夏と冬に年2回支給される企業が多いようです。
<ボーナスの使い道で多いもの>
dodaの「ボーナスの使い道ランキング」(※)によると、20代から50代の社会人15,000人のうち、ボーナスの使い道で最も多かったのは「旅行・レジャー」(37.8%)でした。続いて2位には「生活費の補填」(31.6%)、3位には「趣味・娯楽」(28.3%)がランクインしています。
また、4位は「交際・外食費」(21.0%)、5位は「ローンや借金の返済」(17.2%)、6位は「金融商品(投資・資産運用)」(16.8%)でした。
こうして見ると、ボーナスで資産運用を行う人は割合としては高くありません。しかし、同データにおいて、2023年にボーナスで資産運用を行う人は14.7%でした。今回は、そこから1年で2.1ポイントアップと大きく伸びています。2024年は新NISAがスタートしたこともあり、投資に関心を持つ人が増えたという背景がうかがえます。
(※)対象者: 20〜59歳の男女、雇用形態: 正社員、実施期間: 2024年8月5日〜8月13日、有効回答数: 15,000件
■ボーナスの理想的な配分とは
ここまでボーナスの使い道で多いものをご紹介しましたが、ボーナスは一般的にはまとまった金額がもらえるため、ボーナスを一つの使い道で使い切ってしまう人は少ないでしょう。多くの人は、「貯金にいくら回して、残りで欲しかった○○を買って…」のように、複数の使い道を考えるのではないでしょうか。
では、ボーナスは何にどのくらいの割合で使うのが理想的なのでしょうか。ここからは、ボーナスを有意義に使うための「黄金比率」をご紹介します。
<ボーナスの黄金比率>
ボーナスの黄金比率とは、ボーナスを「貯金: 消費: 自己投資: 金融商品への投資=4: 3: 2: 1」の割合で使うことです。このうちの「自己投資」とは、仕事に役立つ書籍を読む、セミナーを受けるほか、健康増進のためのスポーツジム通いなども含まれます。
人生経験を豊富にする、価値観を磨くという意味では、旅行や芸術、映画鑑賞なども自己投資と言えるかもしれません。
たとえばボーナスが50万円支給されたなら、「貯金: 消費: 自己投資: 金融商品への投資=20万円: 15万円: 10万円: 5万円」のように使うのです。これなら、しっかりお金を貯めながら自分へのご褒美として好きなことにも使え、将来の自分に投資しつつ金融商品への投資も行えます。
「ボーナスで資産運用してみよう」と考えている場合も、お金を全て投資に回すのではなく、黄金比率を参考に配分するのが上手な使い方と言えるでしょう。
<ボーナスの黄金比率の注意点>
ただし、この黄金比率はあくまで目安ですので、家族構成や資産の状況に応じて柔軟に調整することが大切です。たとえば、独身で養う家族がいない方ならこの比率通りにボーナスを使えるかもしれませんが、子育て世帯の場合、「自己投資にはあまり多く割けない」という人もいるでしょう。その分、将来の教育費などにお金を配分する必要があるかもしれません。
また、普段あまり貯金ができていない人は貯金の割合を多くする、特に消費したいものがない場合はその分のお金を他の使い道に回すなど、ご自身のケースに当てはめて考えてみましょう。
■投資初心者におすすめの運用先4つ
いざ「ボーナスで資産運用してみよう」と決めたら、どのような方法で運用するのが良いのでしょうか。ここでは、初心者が挑戦しやすい運用先を4つ挙げてみました。
1.iDeCo(個人型確定拠出年金)
老後のためにお金を貯めたい人におすすめなのが、毎月掛金を支払い自分で運用することで将来の年金を準備する「iDeCo」です。iDeCoは月5,000円から始められ、職業や勤務先の年金制度などによって掛金の上限が決められています。
一番の特徴は、運用成績次第で将来受け取れる金額が変わる点です。また、iDeCoを活用するとさまざまな税制優遇が受けられます。まず、掛金の全額が所得控除になり、運用で得た利益は非課税、そして、お金を受け取る時も退職所得控除や公的年金等控除が適用されます。将来のお金が貯められるだけでなく、税金を軽減できるメリットもあるお得な制度です。
2.NISA(少額投資非課税制度)
NISAとは、投資して出た利益が非課税になる制度です。2024年1月からは新NISAがスタートし、これまでのNISAと大きく内容が変わりました。最も大きな変更点は、従来の一般NISAにあたる「成長投資枠」と従来のつみたてNISAにあたる「つみたて投資枠」が併用できるようになり、年間投資枠は合計360万円まで(成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)、非課税保有限度額(総枠)も1,800万円までと大幅に引き上げられた点です。
また、新NISAのうち「つみたて投資枠」には長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(金融庁が指定した基準を満たす投資信託)のみがラインナップされています。つまり、初心者でも安心して投資が始めやすい商品が揃っているのです。どのような方法で資産運用を始めようか迷ったら、まずはNISAからスタートするのもおすすめです。
ただし、老後資金を準備したいという明確な目的がある場合は、先ほど1で挙げた「iDeCo」を活用しましょう。いつでも引き出し可能なNISAと違い、iDeCoは原則として60歳まで資金を引き出すことができませんが、その分節税メリットが大きく税金がお得になるからです。
3.個人向け国債
国債とは、国が発行し、利子や元本の支払い(償還)を行う債券です。利子は半年に一回支払われ、元本は満期になると償還されます。個人向け国債とは、個人が買いやすいように工夫された国債のことです。満期や金利の異なる「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあり、1万円から購入できます。
個人向け国債は国が発行している債券ですので、満期になった時の元本の返済や半年ごとの利子の支払いは国が責任を持って行い、安心です。また、経済環境などが変化して実勢金利が変動しても、元本部分の価格は変動しないため安全性が高く、元本割れもありません。「投資を始めたいけれど、元本割れするのはいやだ」という人は、個人向け国債を検討すると良いでしょう。
4.財形貯蓄制度
財形貯蓄とは、給与や賞与から天引きで自動的に積み立てる貯蓄です。「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3つの種類がありますが、財形貯蓄を利用できるのは、福利厚生としてこの制度を導入している企業の従業員のみです。
財形貯蓄は天引きのため、着実にお金を貯められるというメリットがあります。また、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、元利合計550万円までの利子は非課税となりお得です。勤め先にこの制度があり、着実にお金を貯めたい人にはおすすめです。
■ボーナスで資産運用を行う際の注意点
ボーナスはまとまった金額が手に入る機会ですので、普段は資産運用に踏み切れない方でも、始めやすいタイミングと言えます。ただし、ボーナスで資産運用をする時には、気を付けておきたいポイントもあります。最後に、注意したいポイントを2点ご紹介します。
1.ボーナスは減額やカットもあり得る
ボーナスは、企業が必ず支給しなければならないものではありません。経済状況や会社の業績によっては、ボーナスが減額、時には不支給になってしまうこともあり得ます。
「毎月の給料で貯金や投資をするのは難しいから、ボーナスでやればいい」と考える人もいるかもしれませんが、ボーナスに頼り過ぎると、いざという時に計画通りお金が貯められない恐れもあります。
特に貯金は、普段の給料から行うのが基本です。毎月の給料から貯金ができない場合は、一度お金の使い方を見直してみましょう。
2.使う予定のないお金で投資をする
ボーナスで資産運用する場合に限らず、投資は「余裕資金」で行うのが鉄則です。投資にはリスクがあるため、生活費や将来使う予定のあるお金で投資をしてしまうと、運用がうまくいかなかった時、必要なことに使うお金が足りなくなる恐れがあるからです。
先ほどボーナスの黄金比率をご紹介しましたが、貯金などその他の使い道にもきちんとお金を振り分け、使う予定のないお金で投資するようにしましょう。たとえば、ボーナスで家具や家電の買い替えを予定している、将来の教育費の準備がしたいなど、使い道の決まっているお金は分けておきます。
優先度の高い使い道にきちんとお金が使えるよう、ボーナスをどのような配分で使うのか、全体のバランスを必ず確認しましょう。
■今から夏ボーナスの計画を立ててみては
普段は資産運用をする余裕がなくても、ボーナスを受け取ると、「運用を始めてみようかな」という気持ちになる人は多いのではないでしょうか。一般的な夏のボーナス時期まではもう少し時間がありますが、今からどのように使うか計画を立てておけるといいですね。ボーナスの黄金比率を参考に、有意義な使い方を模索してみましょう。
武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら

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