社内「AI活用コンテスト」に入社3カ月で応募し、準グランプリ受賞。カスタマーサポートの品質革命を推進できた理由とは

2025年5月21日(水)10時30分 BIGLOBE Style

こんにちは。BIGLOBE Style編集部です。今回は「社員が選ぶAI活用コンテスト」をご紹介します。

全社的なAI活用を推進するアイデアコンテストで準グランプリに輝いた、CS推進部オンラインサポートグループの菱田。月間6万人が利用するチャットサポートにAIを活用し、業務効率と品質の向上に貢献しました。エントリー当時、入社わずか3カ月目だったにも関わらず、「カスタマーサポートの品質革命」とも言える画期的な企画を提案し、見事受賞に至りました。

AIを活用したチャットボットの回答品質の向上、担当者の負担軽減、そして大幅な工数削減を目指すアイデアはどのように生まれたのでしょうか。インタビューをご覧ください。

転職の決め手は「人の雰囲気」の良さ

—— まずは今までのキャリアを教えてください

前職は新卒で入った通信販売の会社に約4年4カ月勤めていました。最初の1年はマーチャンダイザー*として美容健康関連の商品を担当し、その後、カスタマーサポート(以下、CS)関連の部署を経験しています。
*マーチャンダイザーとは、「いつ」「どこで」「いくらで」「どれだけ」商品を展開すれば、売上と利益を最大化できるかを担う担当者です。

この仕事の面白さは、お客さまの声に一番近いところにいられることで、BIGLOBEに転職した現在もCSを担当しています。お客さまのリアルな声を聞けることは、自分自身も非常に正直でいられると感じています。ただ何かを取り繕って売るのではなく、お客さまの素直な声を受け入れ、共感しながら共に課題解決を進めるプロセスがとても楽しいですね。

—— CSの仕事に面白さを感じているのですね! 転職のきっかけも教えてください

前職では同じ部署に長く所属しており、新しいことに挑戦する機会があまりありませんでした。

そこで、20代のうちに新しい環境で頑張ってみたいという気持ちが芽生えたのと同時に、CSの仕事自体は楽しいと感じていたので、別の商材に挑戦してみたいと思うようになったんです。

具体的には、前職が通信販売で美容健康や洋服など娯楽に近い商品を売る仕事だったので、次は生活必需品やインフラに関連する、日々欠かせないものを取り扱うジャンルを意識して転職先を選びました。

—— BIGLOBEには2024年9月に入社されていますね

はい。BIGLOBE との出会いは、転職サイトのスカウトがきっかけでした。インターネットという日々の生活に不可欠なサービスを扱っている点に魅力を感じましたが、最終的な入社の決め手となったのは「人の雰囲気」です。オファー面談で社員の方と対面した際、「毎日ここにいてもいいな」と思える安心感があったんですよね。

—— 「ここにいて大丈夫」という感覚ですか

そうなんです。こればかりは実際に配属となる部署の方々と直接お話ししないとわからないかもしれませんが、誰も無理することなく、自然体で接してくれる会社だと思いました。もちろん、仕事中はスイッチオンになり緊張感もありますが、それでも感覚的に安心を覚えるチームの雰囲気がBIGLOBEにはあるんです。

カスタマーサポートの魅力と、これからの挑戦

—— 現在のお仕事内容を教えてください

CS推進部オンラインサポートグループのミッションは、お客さまのお困りごとやお問い合わせをWebのオンラインツールを通じて支援することです。私の主な業務は、24時間自動で回答できるチャットボットシステムの運用です。また、電話でのお問い合わせを減らし、コストを削減することや、お問い合わせの手段を電話からWeb経由へとシフトさせることも担当しています。

—— 仕事のやりがいはどんなところにありますか?

前職でのCS経験同様、この仕事はお客さまのお困りごとがはっきり目に見えて、それを解決することができます。例えば、お問い合わせがあったお困りごとの内容をボットに追加することで、同じ内容のお問い合わせが再発しないようにすることが可能です。このようにして実際に困っている方を助けられたことを実感できるため、とてもやりがいを感じています。

また、今回のコンテストもそうですが、一人ひとりのやりたいことに対して非常に協力的な環境で働けることも魅力です。コンテストでは、中途入社の私を知らない方が多かったと思いますが、そういうことは関係なく、皆さんがとても優しく接してくださり、さまざまな方の協力のおかげで大きな成果を上げることができました。このような経験はこれまでになく、素晴らしい環境に恵まれ、驚きと嬉しさを感じました。

—— コンテストについては、また後ほど詳しくお聞きしますね! 仕事の場面では前職と商材が変わって、お客さまの声も違いますか?

はい、異なりますね。前職の通信販売では、有形商材でブランドのファンの方からの問い合わせが多かったため、お客さまとの距離が非常に近かったと思います。一方、BIGLOBEではインターネットサービスという無形商材を扱っており、ブランドというよりも、生活や仕事に不可欠な存在のため、お問い合わせの内容も異なります。

例えば、前職では商品自体に関するお問い合わせが中心でしたが、BIGLOBEではインターネット接続の不具合などトラブルが発生してからお問い合わせをいただくことがほとんどです。そのため、お客さまの課題をいかに迅速に解決できるかという視点を改めて勉強しているところです。

—— 無形商材だからこその難しさがあるんですね。入社して大変だったところは他にありますか?

大変なことは、2つありました。

1つ目は入社直後、ITの知識がまったくなかったことです。IT、インターネットの基礎知識を覚えるのが難しく、最初は会議で皆さんが何を話しているのか理解するのが大変でした。化粧品などの日々使っている商材ならイメージがわきますが、インターネットの仕組みや専門用語は普段の生活ではあまり意識してこなかったので、とにかく勉強し、慣れる必要がありました。

加えて、社内特有の専門用語やビジネス用語なども慣れるまでは大変でしたが、オンラインサポートグループのみんなが研修を行ってくれたり、社内で作成した生成AIを利用したりして覚えていきました。

2つ目は、チャットボット関連の業務は電話に比べて問い合わせツールとしての存在感がまだ薄いため、新しい施策や機能を積極的に試す必要がありました。その際、自分の部署だけでは実現できないことが多く、さまざまな部署の方に協力を仰ぐ必要がありました。信頼関係を築いたり、効果的な伝え方を考えたりすることが、初めは大変でしたね。

—— どのように乗り越えていったのでしょうか?

会社として、問い合わせをWeb化していくという方向性が一致しているので、担当するタスクはそれぞれ違っても自然と支え合っています。業務内容は異なりますが、みんなマインドは同じなんです。理想を言えば、問い合わせ自体が発生しないことが一番ですが、どうしても発生してしまった場合には、お客さまが問い合わせしやすく、私たちもコストやオペレーターの負担を考慮しながら効率的に対応できることがベストです。

入社3カ月目で、AIコンテストへ挑戦

—— AIコンテストに応募したきっかけを教えてください

入社して間もない頃に、このコンテストがあることを知りました。AIにずっと興味があり、新しいことが好きなのですぐにエントリーを検討したんです。

CSの業界的にもAI活用の流れが出てきていて、私も業務で使えないかというのはずっと考えていました。それに、普段チャットボットに関わる業務を担当している派遣社員の方々の負担軽減もできると思いましたし、そういう人たちからも「菱田さんが頑張ってくれている」と思ってもらえたら嬉しいな、って。

そして、何より私自身が入社して日が浅いタイミングだったので、生成AIに関する業務をやりたいと言っても、まだ任せてもらえないのではと思ったんです。それなら、自分自身をアピールする良い機会になるのではと考えました。コンテストを自分のポテンシャルを発揮する場としても活用させてもらおうと応募したんです。

—— まだ入社して数カ月のタイミングでのコンテストだったのですね

そうなんです。私は告知があってからかなり早い段階で応募しました。締め切りは2025年3月でしたが、前年の12月にはエントリーしたので、入社3カ月目の時ですね。その時点ではまだ2件ほどしか応募がありませんでしたが、最終的にたくさん集まったので、内心「これはもう無理かも」と思っていました(笑)。

コンテスト概要

■社内表彰
 「社員が選ぶAI活用コンテスト〜みんなの知恵が光る!AI活用で業務を変える〜」

■目的
 AIを全社的に活用するためのすぐれたアイデアや実際の事例を募り、全社の業務効率の改善や質の向上を促進する。

■審査方法
 社員投票、社長審査、AI審査

—— 提案の内容を少しだけ教えてください

私が応募した提案のタイトルは「AI チャットボット校正術 〜月間6万人が利用するサポートの品質革命〜」です。

チャットボットが完全に自動で文章を生成して答えてくれると、とても楽なのですが、現時点では、「お客さまからこういう質問がお客さまから来たら、こう答えてね」という指示のセットを人が追加しています。今回は、このテキストのクオリティを統一するために、校正にAIを活用しました。

BIGLOBEには多岐にわたる商材があり、お客さまからの問い合わせも内容もさまざまです。そのため、すべての質問を見直すには非常に膨大な作業が伴います。また、回答文はお客さまに提供するものなので、みんな慎重になり、チェック項目が多くなっていました。

そこで、人間が作成した数百件の文章をスプレッドシートに入力し、生成AIのシステムを利用して自動でチェックを行い、文字数をコンパクトにしたり、冗長な表現をシンプルにするシステムを提案しました。

—— このアイデアはどこから着想を得たのでしょうか?

私は仕事において「人が苦労しているところを全部なくしたい」という気持ちを持っていたので、AIを業務のどこかで活用できないか常に考えていました。特に、プロジェクトに関わる人々が苦労しないよう、「この作業は本当に必要か?」という視点を大切にしています。この視点が、偶然にもAIとフィットしたという感じです。

前職では問い合わせの量が少なかったので、頻繁に文章セットを作成する必要はなく、すべて手動で行うことができました。しかし、BIGLOBEでは問い合わせパターンが膨大で、新しいサービスが始まると、その問い合わせが一挙に増加します。これが大きな課題であることに気づいたんですよね。

—— 実際にコンテストで「準グランプリ」受賞が決まった時はどんな気持ちでしたか?

とても嬉しかったです。投票形式だったので、社内で知られている社員に票が集まるだろうと思っていたのですが、入社してまだ3カ月の私に多くの方が投票してくださったんです。アイデアや内容がお客さまのためになっているかという視点で選んでくださったことが、とても嬉しかったですね。

(左)山田社長 (右)菱田


—— 受賞の要因について、自分自身が振り返ってどの点が良かったと思いますか?

私の企画発表の際、チャットボットはまだ社内の他部署にはあまり知られていないと思ったので、生成AIをどのように活用したのかをわかりやすいように、「まずチャットボットはこういうツールで」「これくらい利用されていて」「これくらい重要です」という説明から始めました。

あと、具体的なことがイメージしやすいプレゼンにしたことに加え、今回はアイデアにとどまらず、実装まで先駆けて行って、実際の業務でコスト削減などにつなげたところが大きかったと思います。

—— 実装まで!?

はい。エントリーした時点ではテスト段階のような感じでしたが、発表の3月まで時間があったので、実際に本番で使用できるレベルまで仕組みを整えました。

その過程では、どのようなプロンプト(指示)が効果的か、またどのAIツールを採用すべきかを検討したり、派遣社員メンバーに実際の業務についてヒアリングしたりしながら進めていきました。

—— 他に工夫したところはありますか?

さまざまな部署の人を巻き込めたのが大きなポイントになったと思います。入社して3カ月くらいで、突然「これをやりたい」と言うのは少し気が引けましたが、部署内で共有したところ、「いいんじゃない、やってみなよ」と応援してくれて。会議で発言すると「それならこれが良いんじゃない?」と提案いただくなど、トントン拍子に話が進みました。アイデアを部門を超えて共有したことが、頑張ったところだと思います。

—— 実際にどういうサポートをいただきましたか?

例えば、エンジニア部門のAI専門チームが積極的にCSに関わってくださり、非常に助かりました。わざわざ会議を設定してレクチャーしてくださったり、次回から自分で実践できるように教えてくださったりと、大変心強かったです。

AIでサポートの品質革命を

—— 実際にAIを取り入れてみて、普段の仕事はどう変わりましたか?

現在、新しい質問のセットを問い合わせチャットボットに入れる際は、必ずAIを通すようにして正規の運用に組み込んでいます。今までは誰かが作った文章を校正する際、「この言い回しの方がもっと分かりやすいのでは」と思っても、相手に気を遣って言い出しにくいという課題があったんです。

それが、「この文章をAIに処理してもらいますね」とAIにお願いすることで、コミュニケーションでの課題も解消され、かなりスッキリとした内容に仕上げてもらえるようになりました。

—— 工数削減や精神的な負担も削減できたのですね

そうですね。既存で入っている文章のチェックを全てやり直すとなると、約600件が対象になります。一つひとつ人が確認すると、一件あたり約10分かかる計算です。表現も迷うこともありますし、それが600件分となると膨大な工数がかかります。しかし、AIによってこの作業が短時間で可能になったのは大きな成果だと思います。

さらに、チャットボット自体を作成したわけではなく、校正フェーズに工夫を加えたものなので、他のさまざまな分野にも応用が可能だと考えています。ルールさえ設定すれば、柔軟に活用できる仕組みだからです。

—— 技術的な知識の有無ではなく、現場の課題感や苦労しているポイントを把握して、それをどう解決できるかという姿勢があったことが大きかったとも感じます

そうですね。私はもともとITの知識があまりなかったので、技術的な難しさを考えずに取り組むことができたと思います。現場が解決したい課題を理解し、AIの特性をつかんで、どのようなプロンプトを出すことで返答が得られるかをトライアンドエラーで探ることが大切だと思いました。これは、人と人の対話に似ていると思います。ロボットだと思って適当に質問すると、得られるアウトプットも適当になってしまうので、その点は特に注意して取り組みました。

働きやすいカルチャーがある。それが会社の強み

—— 会社がこういうコンテストを企画していることや、AIに注力していることをどう感じますか?

とても良いことだと思います。入社して半年経ちましたが、ここまでAIに力を入れている会社はまだ少ないんじゃないかと改めて思います。

今回のようなコンテストが開催されることで、「AIでこういうことをしたい」「試しに使ってみたい」という時のハードルがとても低くなると感じています。また、困った時は助けてくれる仲間がたくさんおり、社内専用ツールやマニュアルも充実しています。学びへの好奇心がある方には、とても良い環境だと思います。

—— 他にBIGLOBEの良さとして感じることはありますか?

ビッグローブマインドという行動指針があり、私の周りでは特に「チームビッグローブ」と「みんなに感謝し伝える」というマインドが浸透していると感じています。今回のAIコンテストで人前に出て発表したり、受賞した時に、普段話したことがない方や日頃お世話になっている方々から、「見たよ」「すごいね」「発表上手だったよ」といったコメントをチャットでいただきました。このようなコミュニケーションができることは、実はすごいことだと感じました。

私のこれまでの経験では、例えば後輩が何か成果を上げても、それに対して口にすることはなかったので、BIGLOBEは気にかけてくださる方々がいることが大きな支えになっています。このような優しさは仕事をする上であまり触れられない貴重なものであり、会社の良さの一つだと思います。

また、CSの部署は会社全体で見て、普段はなかなか日の当たる瞬間が少ない仕事です。私はこの仕事を楽しんでいますが、どうしても売上に貢献したり新規サービスを立ち上げたりする部署の方が目立ちやすい傾向にあります。そうした中で、CSのような部署も見てくれる方々がいるのは嬉しいことですね。

—— まさに縁の下の力持ち的存在ですよね。働きやすさはどうですか?

働きやすさは、とてもあります。福利厚生が充実していて、休みを遠慮なく取れますね。みんな積極的に取っているので、中途で入社してから日が浅いからとか気負いすることもありません。在宅ワークもできるので、出社とのバランスはちょうどいい具合です。将来、もし結婚とか子育てなどのライフイベントがあっても、この会社ならやっていけると思わせてくれるバランスの良さがあります。

また、年下だからとか女性だからということで意見が軽視されることは今まで一度もなく、むしろ声を上げると「うんうん」という感じで聞いてくれるので、働きやすいカルチャーがあります。

実力を押し上げてくれる環境が、ここにはある

—— 今後、どういう方がBIGLOBEに加わってくれると嬉しいですか

積極的にやりたいことを持ち、部署を横断して仕事に関わることにためらいがない方が加われば、会社にとって大きなプラスになると思います。BIGLOBE の社員の印象は、一見するとクールで、仕事に熱心で黙々と取り組む印象があるかもしれません。だからこそ、さまざまな人と分け隔てなくコミュニケーションを取れる方がもっと増えることで、さらに素晴らしい成果を上げられるはずです。

—— 菱田さんご自身は今後どのようなビジョンをお持ちですか

CSは日が当たることは少ないかもしれませんが、お客さまの声を最も聞くことができる重要な部署だと考えています。商品やサービスは最終的にお客さまにつながるので、その接点であるCSの地位を向上させる役割を、今後も担っていきたいですね。

この記事もそうですが、社内外の方々に「CSはこんなことを行っているんだ」「新しい取り組みもしているんだ」「CSはとても重要な部署なんだ」と感じていただけたら嬉しいです。

—— 最後に、この記事を読んでいただいた方にメッセージがあればお願いします

繰り返しになりますが、BIGLOBEは新卒や中途、年次、性別にかかわらず、チャレンジする人を応援する環境が整っています。

今回のコンテストの企画についても、一人で頑張って作り上げたわけではなく、さまざまな方が自然と支えてくれ、押し上げてくれた結果だと思っています。そのため、私自身が特別なことを成し遂げたという気持ちはあまりないんです。BIGLOBEには、他者との関わりを通じて、自分の実力以上のことを実現できる環境が整っていると感じています。そのため、今後のキャリアに悩んでいる方や、自分の実力をさらに向上させたい方には、非常に適した会社です。

私は、「BIGLOBEに入って良かった」と胸を張って言えるので、その言葉を信じていただきたいですね。

—— 本日はありがとうございました!

BIGLOBEでは現在新たな仲間を募集しています。興味のあるかたはこちらをご覧ください。

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