暗号資産を保有している年収600万円以上の人に聞いた、保有を始めた最多の理由は?

2025年5月28日(水)16時22分 マイナビニュース


J-CAMは5月27日、「暗号資産投資に関する調査」の結果を発表した。調査は2025年5月9日〜5月10日、30〜60代で暗号資産を保有している年収600万円以上の男女1,001人を対象にインターネットで行われた。
○暗号資産保有の理由
はじめに、「暗号資産の保有を始めた主な理由」について尋ねたところ、「資産運用・投資の手段として有望だと思ったから(51.0%)」と回答した人が最も多く、次いで「価格上昇による利益を得られると思ったから(43.8%)」「分散投資(リスクヘッジ)として取り入れたかったから(26.2%)」となった。このことからも、暗号資産を資産形成の手段として捉える傾向が見受けられる。回答からは「分散投資」が動機につながっていることもうかがえ、保有者がリスクヘッジの一環として暗号資産をポートフォリオに組み入れているものと考えられる。
では、具体的にはどのような点に魅力を感じているのだろうか。
「暗号資産による資産運用で満足している点」について尋ねたところ、「価格上昇による高いリターンが期待できる点(40.5%)」が最多で、「少額から始められる手軽さ(38.7%)」「24時間取引が可能な柔軟性(25.7%)」となった。暗号資産の保有理由と満足している点が概ね一致しており、当初の目的に対する満足度も高く、合理的な資産形成の一部として捉えられていることが示された。
○暗号資産は「10万円未満」を保有が最多
「暗号資産の保有額」について尋ねたところ、「10万円未満(23.0%)」が最多で、次いで「100万円〜300万円未満(15.7%)」「10万円〜50万円未満(13.7%)」となった。アンケートの結果では「10万円未満」が最多となったが、1,000万円以上の高額保有者も1割以上と一定数いるようだ。このことから、暗号資産がすでに一定の富裕層にとって、株式や不動産と並ぶ「本格的な資産運用の選択肢」として組み込まれていることを示しているといえる。
○約3割が「10年以上」保有の意向と最多の結果に
「今後どのくらい保有し続ける予定か」について尋ねたところ、「10年以上(30.3%)」と回答した人が最多で、次いで「3年〜5年未満(22.1%)」「1年〜3年未満(21.0%)」という結果となった。全体の約6割が「3年以上の長期保有」を想定していることがわかる。特に「10年以上」という最長スパンでの回答が最多であることから、多くの投資家が暗号資産を将来価値のある資産として見ていることが示唆された。
一方で「半年以内」というごく短期の選択肢はわずか4.7%と少数派にとどまり、投資家全体の保有の姿勢が中長期にシフトしている実態がうかがえる。
では、保有額別だと保有期間の傾向は変わるのだろうか。
まず、「10万円未満」「10万円〜50万円未満」のいわゆる少額保有層においては「10年以上」と回答した人が4割以上と最も多く、暗号資産の将来価値に対する期待が高いようだ。加えて「5,000万円以上」の高額保有層では、少額保有層を遥かに上回る約6割が「10年以上」と回答する結果となった。すでに資産をある程度形成しているからこそ、急激な値動きによる利益確定を狙うのではなく、暗号資産を「ストック資産」と同様のものと認識して保持し続けることにメリットを感じていることが示唆された。
一方で、100万円〜1,000万円未満の中間層では、「1年〜3年未満」「3年〜5年未満」という短中期の選択肢が最も多い傾向となったが、1年未満の短期間の保有を検討している人は全体的に低く推移し、時間をかけて資産形成を進める傾向がみられた。この結果から、暗号資産は長期保有の傾向が強く、運用手法として有効だと感じている人が多いことが示された。
続いて「暗号資産における資産運用において、自分が実践している・有効だと感じる運用方法」について尋ねたところ、「価格が下がっても売らずに長期保有している(30.6%)」が最多で、「失ってもよい金額の範囲で運用するようにしている(25.4%)」「レンディングサービスを利用して利息を得ている(22.8%)」となった。
単なる価格差益を狙うのではなく、「価格変動に左右されず保有を続ける」「リスクを抑えて堅実に運用する」といったスタンスを重視する方が多いようだ。また、レンディングサービスを通じて、保有資産を利回り獲得に活用する動きも一定数見られた。
○10年後のビットコイン価格予想は?
暗号資産のリスクを認識しながらも、多くの保有者は将来的な成長性に期待を寄せている。その中でも代表的な暗号資産であるビットコインについては、特に注目が集まっている。ビットコインの長期的な価値の動向については、どのように捉えられているのだろうか。
「ビットコインの10年後の予想価格」について尋ねたところ、「7万ドル未満(約1,050万円未満)(20.0%)」「7万ドル以上〜20万ドル未満(約1,050万円以上〜3,000万円未満)(35.7%)」「20万ドル以上〜50万ドル未満(約3,000万円以上〜7,500万円未満)(29.0%)」「50万ドル以上〜100万ドル未満(約7,500万円以上〜1億5,000万円未満)(9.4%)」「100万ドル以上(約1億5,000万円以上)(4.7%)」という結果となった。(円換算は1ドル=150円想定で計算)
20万ドル(約3,000万円)以上に期待する投資家は43.1%を占めたことから、ビットコインの長期的な成長に期待している様子がうかがえる。
一方、日本国内における暗号資産関連の制度に関してはどのような対応を望んでいるのだろうか。
「今後の日本の暗号資産政策に期待する対応」について尋ねたところ、「税制の見直し(利益に対する課税方法の緩和や申告簡素化)(52.5%)」が最多で、「年間損益通算・繰越控除の制度導入(34.4%)」「取引所の規制強化とセキュリティ基準の統一化(24.3%)」となった。

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