一つずつ文字が消えていく世界。その言葉が失われた時、「その言葉が示していたもの自体」もこの世界から消える<マンガ『残像に口紅を』第1ー2話>
2025年5月29日(木)12時30分 婦人公論.jp
その言葉が失われた時、「その言葉が示していたもの自体」もこの世界から消える…
世界から一つずつ文字が消えていく。文字が消えれば、言葉が消える。言葉で表現できないものは、この世から消える——。1995年の刊行以来、テレビやTikTokなどたびたび話題となり、50万部のベストセラーとなった筒井康隆『残像に口紅を』。この実験的名小説をコミカライズした『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS) 』から、一部を抜粋して紹介します。
* * * * * * *
(1)からつづく
世界から「あ」を引けば(2)
きっと今も僕らは誰かにこの姿を鑑賞されているはずだよ
水槽にほうり込まれた金魚のようにね
↓↓↓言葉の本質は…
もし一つの言葉が消滅した時、惜しまれるのは
「記号」か?
「イメージ」か?
↓↓↓その言葉が失われた時…
『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS)』(著:寺田浩晃/原著:筒井康隆/KADOKAWA)
その言葉が失われた時
「その言葉が示していたもの自体」も
この世界から消える
↓↓↓そんなの話が成り立つわけないだろ!?
しかし今回はその言語ゲームが行われている現実を生き
実際に生活しなければならない
しかも言語がすべて失われた時は、死を迎えることにも——
(3)につづく
※本稿は『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS)』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
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