既婚者の7割「日本は子どもを産みやすい国に近づいていない」 理由1位は「社会制度が整っていない」
2019年5月31日(金)17時10分 キャリコネニュース
一般財団法人1more Baby応援団は5月31日、「夫婦の出産意識調査」の結果を発表した。調査は2013年から毎年実施していて、今回が7回目。今回の調査では既婚者男女2961人に加え、自身もしくは配偶者が不妊治療を検討、経験したことがある1021人の男女に対しても調査を実施している。
既婚者を対象に、日本は子どもを産みやすい国に近づいていると思うか聞いた。「近づいている」と答えた人は32.2%。「近づいていない」と答えた人が大多数を占めた。子どもを育てやすい国に「近づいていると思う」と答えた人も32.6%で、「近づいていない」が67.4%だった。
「産休・育休取得で上司の目が気になる」4割
子どもを産み育てやすい国に近づいていないと思う理由を複数回答で聞いたところ、1位は「社会制度が整っていない」(76.6%)だった。2位は「保育・学校にかかるお金が高い」(68.8%)、3位は「給与が低い(または上がる見込みがない」(65.8%)と、子育て費用や社会制度を気にする人が多かった。
勤務先の就労環境も、子育てへのハードルを上げる一因のようだ。自身または配偶者が勤務する会社の働く環境が「良い方向に変わってない」と答えた人は60.5%だった。
産休や育休を取得するにあたり「上司の目が気になる」と答えた人は40.1%、「同僚の目が気になる」人も33.4%いた。また、「時短勤務やテレワークといった多様な働き方を自由に選びたい」(80.2%)、「勤務先の制度と風土が整っていれば子連れ出勤したい」(48.7%)など、子育て状況に対応した勤務制度を望む声も多かった。
不妊の悩み「男性も気軽に相談できる場が必要」
不妊で悩んだことのある1021人を対象に、「妊娠ができないことで悩んだのは何人目か」聞いた。最も多かったのが「一人目の不妊」(74.5%)だが、「二人目の不妊」と答えた人も35.6%に上った。「二人目の不妊」で悩む人のうち、「一人目の子どもができればすぐ二人目もできると思っていた人」は59.6%だった。
妊娠できない一番の理由を聞いたところ、「自身の不妊」が38.5%、「セックスの機会が少なくタイミングが合わない」が25.0%だった。
二人目の不妊に悩む体験を持つ男性に妊娠できない原因を聞くと、14.7%が「自身の不妊」と答えた。調査元は、「『不妊』は女性の悩みというイメージが未だに強いですが、今回の調査から男性・女性双方が抱える悩みということが浮き彫りになり、男性も気軽に相談できる環境づくりが必要」とコメントしている。