町あかり、今の日本に「もふもふタマキン」が必要な理由を語る! 映画『タヌキ社長』インタビュー!

2022年6月27日(月)10時0分 tocana


 日本が世界に誇る「バカ映画の巨匠」こと河崎実監督。トカナが配給するその最新作『タヌキ社長』が列島に旋風を巻き起こしている。何の説明もなく、タヌキの姿をした社長を軸にストーリーが展開する「もふもふタマキンエンタテインメント」と銘打った本作。そんなブッ飛びまくった映画で初主演を飾ったのが、昭和歌謡曲のエッセンスを取り入れた楽曲でリスナーからミュージシャンまで数多くのファンを獲得してきたシンガーソングライター・町あかりだ。タヌキ社長に恋するOL・房子という難役を演じ切った彼女に、本作の素晴らしさを余すところなく語ってもらった!


■なぜ、タヌキである必要があったのか?


——『タヌキ社長』は河崎監督の作品でも指折りのブッ飛びレベルでした。最初にオファーが来た時はどう思いましたか?


町あかり  最初は「タヌキに恋をしちゃうOLの役」くらいしか聞いていなくて、どういうこと? とよく理解できませんでした。でも、完成した台本を読んでみたら確かに想像を超えた内容だったのですが、それと同時に「すごくいい話だな」って。タヌキ社長は本当に紳士的な人格者だし、「うちの酒は唯一無二。利益の追求よりもお客さん一人ひとりに尽くして、私達なりの正直商売をしよう」っていうセリフにも感動しました。これは決してただのバカ映画ではないなと思って、河崎ワールドに飛び込んでみようと決めました。


——でも、なぜ社長をタヌキにする必要があったんでしょうね? 町さんなりの解釈はありますか?


町あかり  監督ご自身も「小学生の発想なんだ」と仰っていましたけど、きっと「タマキン、タマキン」って連呼する映画を作りたかったのかもしれません(笑)。タマキンから連想してタヌキを…… っていう流れかも。それにタヌキは日本人に昔から馴染みのある動物ですし、昭和っぽいイメージがありますよね。



——そこでOL役は昭和歌謡で有名な町さんにしよう、と?(笑)


町あかり  この映画の元ネタになった「社長」シリーズは昭和の作品ですし、全編を通してなんとなく昭和っぽい雰囲気がありますよね。


——映画初出演にして初主演ですが、撮影はいかがでしたか? OL姿がとてもよくお似合いでしたが、何か参考にしたものは?



町あかり  初めてのことなのでもうドキドキで。すごく頑張ってセリフを覚えました。次は歌のシーンです、と言われてホッとするくらい。OLの経験はないので想像で演じるしかなかったのですが、房子は自分とまったく違う性格のキャラクターというわけではないので、そこは安心できました。でも、実際のところ緊張する余裕がないくらい撮影のスピードが早くて。実は、たった1日で全部撮ってるんですよ。


——1日で撮影とは凄いですね! 映画には3曲、町さんの歌が登場しますが、歌唱シーンも含めて1日ですか?


町あかり  はい、全部1日です。まず房子がオフィスで歌ったのが「恋人にもうみえない」という曲で、BARBEE BOYSのいまみちともたかさんの作詞・作曲です。これは以前、配信ライブで初めて歌わせてもらって、素敵な曲なので監督に伝えたら映画で使っていただくことになりました。




 それから房子がバーで歌ったのが、「Am I a bit strange?」という英語の曲で、もう1曲がエンディングテーマの「ポンポコポン(お月様の下で)」です。この2つは私が作詞・作曲しました。


——他の出演者とは仲良くなりましたか? 個性的でマルチな才能が勢揃いでしたね。


町あかり  房子の女友達を演じてくれたレインボーの池ちゃん(池田直人)とは、よく一緒に台詞を練習しましたね。本当に、女装している感じが全然しなくて、もう女の子と話しているようにしか思えないんです。アドリブでもどんどん言葉が出てきて、普段からよく女子の会話を観察してるんだろうなと思いました。


——たしかに、本作でのレインボーの2人の活躍は必見だと思います。



町あかり  2人の掛け合いは本当に面白いですよね。お笑いファンも十分楽しめる要素が詰まってます。それから、モト冬樹さんも吉田照美さんもカッコ良かったし、掟ポルシェさんはイメージとはぜんぜん違う、びっくりな姿が見られます。実は、掟ポルシェさんは私が作詞・作曲した「うちの会社は会議が多い」という『タヌキ社長』の応援ソングを歌ってくれているんです。すごく味わい深くて最高なのでぜひ聴いてほしいです。





■オカルト、寅さん、そして時代が必要とする“バカ”について


——トカナらしい質問を。町さんはUFOや幽霊を見るなど不思議な体験はありますか?


町あかり  私はまったくないんですよね……(笑)。でも、昭和のオカルトブームには興味があります。カルチャーとして、子どもたちが不思議な話に夢中になれるって、すごく平和なことだし可愛くていいなと思います。その流れだと思うのですが、1980年代に活躍したスターボーという3人組のアイドルも大好きですよ。


——オカルト以外に、昭和について最近はどんな探究を?


町あかり  実は、『男はつらいよ』シリーズが昔から大好きで、全50作について私なりの視点で解説した「町あかりの『男はつらいよ』全作品ガイド」という本が出たばかりなんです。


——おー、さすがですね! 町さんなりの視点とは?


町あかり  『男はつらいよ』は、タイトルに惑わされず女性にこそ見てほしいと私は思っています。各作品に登場するマドンナは、みんな女性なら誰でも共感できる悩みを抱えていて、そんな彼女たちが、寅さんの助けを借りながら幸せになる映画でもあるんです。寅さんが振られて終わりの映画じゃないんです。これまで『男はつらいよ』の評論は男性が書いたものばかりなのですが、女性の立場からも絶対に楽しい作品なので、それを特に若い世代のみんなに伝えたくて。


——それは新しい切り口の画期的な本ですね! そういえばタヌキ社長の服の色とか、ちょっと寅さんに似てますよね。


町あかり  私も『タヌキ社長』のマドンナ的な存在をしっかり演じ切れていたら嬉しいです。(笑)


——今後は、役者さんとしての活動も?


町あかり  また機会があれば、とは思っています。メインはもちろん歌手ですが、すごくいい経験でしたし、創作活動の糧にもなると思っています。


——では最後に、『タヌキ社長』のどんなところを一番見てほしいか、メッセージをお願いします!


町あかり  みなさんタヌキ社長のビジュアルの衝撃が強すぎて、どうしてもそこに注目してしまうかもしれませんが、はちゃめちゃだけど、すごく素敵なストーリーの映画になっています。ただのバカ映画ではなくて、バカ正直に、バカ真面目に頑張る人が最後に救われる、そういう世界であってほしいという願いが込められていると思います。


 それから、もう2年以上、いろんな大変な思いや辛いことが続いて、それと真剣に向き合って生きてきた人ばかりだと思うんです。そんな中、「なんじゃこりゃ」と笑ってもらって、この映画が明日に向かうための息抜きや充電になってくれたらいいと思います。


——ありがとうございました!




 バカ映画とは、決してそこに何も詰まっていない空虚な映画のことではない。町あかりが語ってくれたように、私たちが今必要とするバカに満ちている河崎実監督の最新作『タヌキ社長』。この深遠かつ重層なるバカの世界に、ぜひあなたも劇場で触れてみてほしい。


(文・取材=編集部、写真=橋本美花)


* * *


これが噂の「もふもふタマキン♂」エンターテインメント
どうかしている、着ぐるみコメディ!!


『いかレスラー』『コアラ課長』に次ぐ
河崎実“不条理どうぶつシリーズ”最新作爆誕!


『タヌキ社長』



『タヌキ社長』
(配給:TOCANA)


桜坂劇場(沖縄)、シネマディクト(青森)にて
7月1日(金)まで大絶賛公開中!!


河崎実「不条理どうぶつシリーズ」最新作にして最高傑作!
暗い世相を吹き飛ばす衝撃の喜劇映画!
 『いかレスラー』『コアラ課長』『かにゴールキーパー』など数々の着ぐるみ映画を世に送り出してきたバカ映画の巨匠・河崎実による「不条理どうぶつシリーズ」決定版!
 かつての東宝映画のドル箱、森繁久彌の「社長」シリーズをベースとした本作。社長が信楽焼たぬきの風貌をしたヤバすぎる最強娯楽映画! 何の説明もなく、ひたすらタヌキを中心として怒涛の展開を見せる物語! 各界著名人よりコメントも到着!


各界著名人より推薦コメント到着!!


森繁久彌の「社長」シリーズ、「男はつらいよ」のタコ社長、漫画では「社長 島耕作」と、脈々と我々の目前に登場してきた個性溢れる社長たち。
遂に降臨した新時代社長は何と人間ではなかった!?
天才・河崎実監督最新作『タヌキ社長』観終えたばかりですが、タヌキ社長ぜひ純烈に欲しいなあ。
魅力的なお人柄(?)とにかく稀な逸材なんですよ!
酒井一圭(純烈)



タヌキ社長がブラブラさせているものは、自由で柔軟な精神である。
タヌキ社長は、みだりに見せてはならぬ孤高の魂は、ちゃんとズボンにしまってある。
岩井志麻子(作家)



いやー、肩透かし・しょい投げ! 期待を裏切って、王道の本格お色気コメディーなのだもの、一本取られた。(くだらん洒落だな)昭和育ちなら懐かしい、演芸場の匂いがする。
ともかく、町あかり嬢の天真爛漫さという猛毒をもってしても、制しきれないおバカっぷりだわ。これ、続編作らないと、なんでタヌキのタ◯キ◯が八畳敷きなのか、教えてやらねえ〜っと。
KONTA(BARBEEBOYS) 



冒頭の「人はみな彼の事をタヌキ社長と呼んだ」のナレーションに「だってタヌキだろ!」といきなりツッコミました。この下らなさ大事です。
和田ラジヲ(漫画家)



この映画は、何も考えず、ただ見てたら楽しくなってくる映画です。たぬきがモフモフぶら下げて出て来る違和感も、気がつけば、その違和感がなくなるほど世界観に引き込まれ、芸人さんのやり取りに笑いながら、その凄さに震え、エンディング曲を聴きながら、めちゃくちゃ温かい気持ちになりました。本当に不思議な映画でした。そんな不思議な中でも、1番の不思議で、僕の見どころは…『何故か、段々、池田さん(「レインボー」の池田直人)が可愛く見えてくる』です!ポンポコポーン!
兵動大樹(お笑い芸人)



愛と宴会の開運タヌ喜劇! 
 信楽矢木雄、55歳。彼は一代で信楽酒造を業界有数の企業に仕立て上げたタマモノ。今日も大手百貨店への納入をめぐってライバル会社との戦いに日夜励んでいた。彼はバツイチで、愛した奥さんを病気でなくしていた。もう二度と結婚はしないと誓った社長だが、部下のOL・房子は社長を愛していた。しかし房子を好きなライバル酒造会社の社長のドラ息子がなにかと横車を押し、宴会好きの営業部長や慎重な総務部長らが絡み合い、てんやわんやの騒動を繰り広げる。



前代未聞の“もふもふタマキン♂”エンターテインメント!
『いかレスラー』『コアラ課長』『かにゴールキーパー』など伝説の着ぐるみ作品を手がけてきた河崎実監督が世に放つ「不条理どうぶつシリーズ」最新作、“もふもふタマキン♂”エンターテインメントついに爆誕だ!


『タヌキ社長』
監督:河崎実 
キャスト:町あかり、関智一(タヌキ社長の声)、ジャンボたかお(レインボー)、
池田直人(レインボー)、モト冬樹、吉田照美、ショウショウ、土屋シオン、掟ポルシェ ほか
製作:有限会社リバートップ 
主題歌:ぼんぼん花———火 
キャラクターデザイン:森野達弥
配給:TOCANA
桜坂劇場(沖縄)、シネマディクト(青森)にて
7月1日(金)まで大絶賛公開中!


 

tocana

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