プロフェッショナルだらけの部族・カンバ族に伝わる「職人伝説」 / カンバ通信:第331回

2023年10月8日(日)15時0分 ロケットニュース24

ジャンボ! アフリカはケニアの首都ナイロビでタクシー運転手やっているチャオスだよ。

42もの部族がいる多民族国家ケニアだけど、オレは「カンバ族」に属している。

かの有名なマサイ族は「戦士」の部族、みたいなイメージがあると思うけど、カンバ族はどうなのか?

・カンバ族は職人の部族

オレ的には、カンバ族は「プロフェッショナルな職人だらけの部族」であると思っている。とにかくモノを作るのが上手なんだ。

特に木材加工の腕前はピカイチで、非常に熟練した職人たち(カンバ職人という)が大勢いて、今でも彼らは素晴らしい作品を作っている。

手彫りの動物、手彫りの壁(壁細工)、手彫りの家具など、「ケニアのおみやげ」で売ってるような素晴らしい作品は、だいたいカンバ族が作っている。

そんな我々カンバ族には、こんな伝説も残っている。

・カンバ族に伝わる「職人伝説」
遠い昔。カンバ族の祖先たちは、服ではなく毛布を羽織るだけの姿で暮らしていた。

すると1人の職人がひらめいた。

「木から下半身を覆うもの(要するにズボン)を作ったらどうだろう」と。

思いついたら即実行。

まず彼は木を切り倒し、木を曲げ、自分サイズのズボンを作ろうとした。

普通ならここで失敗すると思うけど、そこは百戦錬磨のカンバ職人。

なんと、彼のサイズぴったりの「木のズボン」が完成してしまったのである。

はいてみると、まさしくジャストフィット。しかもカッコいい。

ところが、動こうとすると、重かった。そりゃそうだ、木でできているのだから。

そのうち彼は木の重さで動けなくなり、それを周りで見ていたカンバ族の祖先たちは、重要なことを学んだ。

「毛布でズボンを作ればいいのだ」と。

しかし、よくよく他の部族が住むエリアに行ってみると、そこらじゅうで布製のズボンは売っていた。

それからだ。カンバ族が毛布だけではなく、洋服を着るようになったのは──みたいな。

ウソかホントなのかはわからないけど、そんな伝説が残っているほど、カンバ族の作る作品は素晴らしいってこと。

もしもケニアに行って、木製の動物の置物とか、そういうお土産を見たら「カンバ族?」と聞いてみるといい。

もしもカンバ族の作品だったら、どうか買ってあげて〜。そしてカンバ族のことも思い出してほしい。ではクワヘリ!

執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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