「ZeroCa」でよい歴史をはじめよう。鈴木福さんたちと「楽しい脱炭素」について議論しました

2023年10月13日(金)12時0分 ソトコト

「ZeroCa」に登録して、よい歴史をはじめよう

「ZeroCa」って何? それはワクワクする未来への道標です


2022年4月に設立した新しい会社『GDBL』は、電力データを社会の中でうまく活用し、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営ビジョンに掲げています。全国8000万世帯に設置されているスマートメーターによって集計された電力データを活用したサービスを展開することを主な事業としています。


そのサービスの一つが、2023年10月からスタートする「ZeroCa(ゼロカ)」です。これは、「Zero-Carbon(ゼロカーボン)」から取った言葉で、温室効果ガス(CO2など)を実質ゼロにする、つまり「脱炭素」を意味しています。一人ひとりの脱炭素ライフスタイルをサポートするアプリケーションで、家庭での節電や脱炭素に貢献する環境行動をわかりやすくスコア化。それによって、確かな実感と新たな気づき、そして、節電や環境行動を習慣化するための後押しを行います。環境行動を心地よいものへと変えることで、「Zero-Carbon(脱炭素)社会」への道標となることを目指します。


ただ、「『ZeroCa』は環境行動のための一つの道具に過ぎません」と『GDBL』の平井崇夫代表取締役社長(以下、平井社長)は言います。続けて「脱炭素や持続可能な社会を実現する主人公は、一人ひとりの人間です。私たち人間やさまざまな生き物が暮らす地球にとってやさしい行動って何だろうかと、みんなで考え、意見を出し合い、実践することが大切なのです」と、ZeroCaに託す思いを語ってくれました。





そこで、各界で活躍されている方々に「ZeroCa Leaders」になってもらい、どうすれば脱炭素の行動を楽しく続けていくことができるのか、自由闊達に、ユニークなアイデアを出してもらうための「ZeroCa Leaders Meeting」を開催。「今日この日から、地球にとっての『よい歴史』が始まりそうな期待感でワクワクしています」という平井社長の言葉を皮切りに、「ZeroCa Leaders Meeting」がスタートしました。








「ZeroCa Leaders Meeting」は動画視聴も可能です

この記事に書かれているミーティングの内容は、実際の内容を編集してお届けしています。ソトコト編集長の指出やゼロカ・リーダーズたちのユニークで具体的な提言やアイデアをより詳しく視聴できます。


「脱炭素って何をどれだけ実践すればいい?」。環境行動にインセンティブを!





指出一正(以下、指出) 皆様の経験や専門分野から見た「脱炭素」が抱える問題点や課題をお聞かせください。





工藤尚悟さん(以下、工藤) 私が接している大学生たちは、脱炭素について意識が高く、知識も豊富です。自分でできることから行動しているのですが、その行動によってどのくらい脱炭素の効果が上がっているのかは「わからない」と言います。その点、その点、「ZeroCa」に登録しておけば、 環境行動を数値化することで自分のライフスタイルを振り返ったり、何をすればいいのか考えたりするためのツールとして役立ちそうだなと感じました。





村川友美さん(以下、村川) 私は、中山間地域で小水力発電所をつくる会社を経営しています。地球を循環する水の一部をエネルギーとして取り出すのですが、水力発電を含め、再生可能エネルギーは直接、住居や建物に届ける仕組みができていないので、再エネを選ぼうとするとどうしてもコスト高になってしまいます。それが事業の壁となり、広く普及できていないことが課題です。





山内萌斗さん(以下、山内) 脱炭素という言葉は難しいので、わかりやすく伝わるような工夫が必要ではないでしょうか。炭素は、誰もが息を吐くと出るCO2(二酸化炭素)のCで、CO2が暖かさを保つ性質があるので、増えすぎると地球の気温が上がり、さまざまな異常を起こしてしまうということを、ゲーム要素を加味しながら楽しく伝えられたら、脱炭素社会をつくるうえで行動を変えていくことの敷居を下げられるような気がします。





山﨑晴太郎さん(以下、山﨑) 環境行動を実践しても自分には何もいいことがない、さらには、何かを我慢しなければいけないのが広まらない原因の一つでしょう。私は自宅で再生可能エネルギーの電気プランに変えたのですが、誰にも褒められず、ポイントが貯まるでもなく、ただ電気代が上がっただけ。環境行動に対して何らかのリワード(報酬の還元、返礼など)があれば、ポジティブな気持ちで取り組めるのですが……。





鈴木 福さん(以下、鈴木) 私はエシカル商品に関するアンバサダーをしていますが、実生活のなかでどのレベルまで脱炭素に取り組むべきかと悩むこともあります。100パーセントの脱炭素を実践することは難しいときもありますし、利便性を優先すると脱炭素ではなくなってしまいます。どれくらいの脱炭素を実践すればいいのか、目安や指針となるようなデータが表示されれば、自分なりの脱炭素の基準や目標を設定しやすくなるかもしれません。


無理に語りかけるよりも、「気づいたら脱炭素していた」 という仕組みづくりを


指出 脱炭素は地球の未来を創るために必要な行動ですが、どのような語りかけをすれば、みんなが脱炭素に向き合い、行動してくれると考えますか?





山内 脱炭素や気候変動を伝えるとき、北極の氷の上で右往左往するシロクマの姿のようにネガティブなイメージで語られがちですが、未来への警鐘ばかりではなく、脱炭素を実現できたらどんな素敵な未来が待っているのか、みんながワクワクする未来をイメージさせるほうが、環境行動をポジティブに始められそうな気がします。今の幸せを未来に残せるよう語りかけていきたいです。


村川 電力をつくることは専門的な知識がないと無理と思われがちですが、実はみんなも電力をつくる側になれます。ですから、子どもたちも事業者になれるような発電所づくりをやってみたいと、今、思案中です。エネルギーを消費するだけではなく、一部でもつくり手になれたら、節電しようと語りかけるよりも効果があるかもしれません。


工藤 SDGsや脱炭素を考えるとき、「自分ごとと捉えて行動しましょう」と語りかけられると、何も行動していない人は居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。こちらから語りかけて行動を促すというより、楽しく参加できる場を用意して、そこに参加していたらいつの間にか脱炭素をしていたみたいな形のほうが効果はありそうです。


山﨑 どうせ使うなら便利なものがいいし、どうせやるなら楽しい方がいいと私も思います。使った結果、実は脱炭素だったというふうになっているのが理想でしょう。SDGsや脱炭素というワードがなくても、ユーザーの心を動かせるかどうか。持続可能な社会をつくるのではなく、「持続したい社会」をどうつくるかという視点に立つべきでしょう。





鈴木 語りかけ以上に、「気づいたら脱炭素だった」という状況をどうやって生み出していくかが、難しいけれど重要だと感じました。「自分ごとに」という言葉が強制になってはいけないと工藤さんがおっしゃいましたが、一人ひとりが気になった言葉、心にひっかかった言葉を口にすることで、強制ではなく共感が生まれれば、脱炭素のムーブメントは広がっていくように思います。


ゲーム、リワード、コミュニケーション。ワクワクする仕掛けで脱炭素を楽しんで


指出 日常の小さな一歩を、まず自分が始めるという意識が大切で、「やらなきゃいけない」ではなく、「楽しんでやる」ことが長く続けていくためには必要だと思いますが、「楽しんでやるアイデア」をお聞かせください。


山内 弊社で、ゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」という事業を行っています。ゴミ拾いとゲーミフィケーションを組み合わせることで、ゴミ拾いが宝探しに変わるのです。ポイント化された街なかのゴミを、ミッションをクリアしながら拾い集め、成績のいいチームが表彰されます。そんな、子どもも大人も心を動かす、ワクワクするようなゲーム要素がSDGsや脱炭素にもあれば。





山﨑 スマホでご飯を頼むサービスがあります。それをバイクでスピーディに配達する人と、自転車で多少時間をかけて配達する人がいますが、脱炭素という面で考えたら自転車のほうが貢献しているわけです。だったら、自転車で運んだ人にはリワードを出すべきです。そんなふうに、「ZeroCa」に登録していいスコアを出すことができたら、何かお得なサービスを享受できるなど、リワードの構造をデザインしたサービスを付与するのも方法だと思います。


工藤 自分たちの環境負荷を測ると、多いのが食品のパッケージング。そこで、学生たちは話し合った結果、直接農家さんから買うことに決め、農村へ向かったのです。そこで、農家さんと知り合いになり、繁忙期に農作業を手伝ったりして、コミュニティができていきました。脱炭素行動ではないかもしれませんが、農村とのコミュニティをつくったことは評価に値するでしょう。





村川 中山間地域の資源で電気をつくり、それを使うことは価値あることですが、それ以上に、地域の風景や暮らしを味わえる体験も提供したいと考えています。里山の夕暮れに、電気ではなくランプを灯し、みんなでお酒を飲むとか、カゴを持って畑で野菜を収穫して料理するとか、そういった体験を通してエネルギーについて考えれば、「地域でつくるエネルギーもいいね」と再エネを選ぶ感覚が養われるのではないかと思っています。


鈴木 環境行動を楽しみながら行うアイデア、この記事を読まれている皆さんもたくさん持っているはずです。でも、それを大勢の人に発表したり、届けたりする機会って、なかなかありませんよね。「ZeroCa」に登録した先に、環境行動のアイデアを出すことで満足度が上がるような仕組みがあれば楽しくなるだろうし、さらに次のアイデアを提案しようという気持ちになっていくのではないでしょうか。


どのタイミングでアプリを立ち上げ、使うとどんなメリットがあるのか。「ZeroCa」に追加して欲しい機能は?


指出 最後に、「脱炭素活動」を楽しく続けていくツールとして、電気の使い方や環境貢献活動を「見える化」できるアプリ「ZeroCa」がありますが、率直な感想や「こんな機能があればさらに楽しく続けられるのでは?」などご意見があれば伺えますか?


山﨑 ID連携して、みんなで一緒にできるようにするのもいい。うちの子どもたちと連携して、家族のゲームとして脱炭素ができれば、もっと楽しく、有意義なアプリになるんじゃないかな。さらに広げて、「ZeroCa」を使っている人たちが住める「国」をつくるのもおもしろいかも。この「国」の人たちが環境行動をしたら、再生可能エネルギーが安くなるとか。そんなコミュニケーションの設計もありかなと思います。





工藤 「ZeroCa」は、どんなタイミングで立ち上げるのかと考えると、たとえば、レシートを管理するアプリのように、自分のカーボンフットプリントを振り返って環境負荷をチェックしたり、睡眠の質を測るアプリのように、環境負荷の質を測ってくれたり。そうしたデータが、わざわざ「ZeroCa」を立ち上げなくても取れるようになれば、より便利ですね。


山内 皆さんスマホにいろいろなアプリを入れているから、そこに食い込むのは簡単ではないでしょう。ユーザーにメリットというか、山崎さんがご提案されたリワードの再設計や「国」のようなコミュニティがあることがポイントになりそうな気がします。その国民が楽しそうに、幸せそうに生きている姿を見て、「自分も入りたいな」と思う人が増えればいいですね。





村川 実は、私はアプリには疎いのです(笑)。疎い人からすると、「ZeroCa」に登録して使いたいと思わせる何かが必要になるでしょうね。自分の環境行動に対する評価なのか、お得感なのか、主婦目線での利用価値なのか。意識高い系で終わらせないカジュアルな使い心地が感じられたらいいですね。





鈴木 さっき「ZeroCa」を体験したら、「そうか、これも脱炭素に関わるのか」「こんな簡単なことでいいんだ」みたいな発見がありました。より大勢の方に登録してもらって発見をしてもらいたいので、学校や企業単位で取り組めるような機能もあればいいかもしれません。あと、「ポイ活」が流行っているので、環境行動をしたり、アイデアを出したりすればポイントが貯まるというのもいいかも。自己満足でもいいから、みんなが「ZeroCa」を使うことで、環境配慮のためのより大きな一歩になってほしいです。


「遠くに行くならみんなで行け」ということわざのように、みんなで脱炭素社会へ





指出 脱炭素のための環境行動を広めるには、「みんなと一緒に、楽しみながら」がキーワードになりそうです。「脱炭素、やらなきゃいけないよね」ではなく、「脱炭素、楽しいからみんなと続けているよ」というように、楽しい、かっこいい、オシャレ、可愛いといった感覚で「ZeroCa」への登録と利用が広がっていけばいいですね。
私の好きなアフリカのことわざに、「早く行くなら一人で行け。遠くに行くならみんなで行け」という言葉がありますが、「ZeroCa Leaders Meeting」で話し合ったことで、みんなで遠くに行けそうです。「ZeroCa」が道標となって、脱炭素社会という「ワクワクする未来」へ、ユーザーの皆さんと一緒に行けそうな気がします。





「ZeroCa」に登録して、ワクワクする未来へ一緒に行こう!

「ZeroCa」は、みなさまの脱炭素ライフスタイルをサポートするサービスです。家庭の電力データや環境貢献アクションを通じて、自身の環境行動をわかりやすくスコア化し、「見える化」することで、確かな実感と新たな気づき、そして習慣化を後押しします。環境行動を心地よいものへと変えることで、ゼロカーボン(Zero-Carbon)社会への道標になるサービスを目指しています。


「ZeroCa Leaders Meeting」は動画視聴も可能です

・X(旧Twitter):
https://twitter.com/zeroca_jp
・Instagram:
https://www.instagram.com/zeroca_jp/
・YouTube:
https://www.youtube.com/channel/UCuE90In61SvMrgYpO8TI-kw


文・松井健太郎 写真・高岡 弘

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