【大学受験】定員割れ私立大増加、歩留率ダウンで競争緩和

2022年10月25日(火)14時45分 リセマム

私立大 定員割れ学校数の推移 (c) Kawaijuku Educational Institution.

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河合塾は2022年10月20日、大学入試情報サイト「Kei-Net」の入試・教育トピックスに「私立大 定員割れ大学の増加続く」を掲載した。定員割れの私立大学が過去最高の47.5%となった2022年度入試を振り返り、大学規模別の定員充足率、学部系統別の動向等をまとめている。

 「私立大 定員割れ大学の増加続く」は、日本私立学校振興・共済事業団が10月に発表した2022年度私立大学・短期大学等入学志願動向の調査結果をまとめたもの。調査結果から浮かび上がった2022年度入試の特徴を振り返っている。

 2022年度の私立大学の延べ志願者数は、382万2,509人(前年比99.7%)と前年並みにとどまった。一方、合格者数は150万8,201人(前年比104.9%)と4年連続で増加。入学者数も50万2,199人(前年比101.6%)と微増。入学定員も増加しているため、定員充足率は100.8%となった。

 近年の18歳人口の減少にもかかわらず、私立大学の入学定員は増加しており、大学間の競争は激化。各大学が入学者を確保するため、多くの合格者を出したようすがうかがえ、受験生にとっては追い風になっているという。

 定員割れ大学の割合は、1999年度から2桁を占めるようになったが、2022年度は過去最高の47.5%となった。定員充足率が80%未満の大学が増加しており、その割合は19.4%と、前年の14.2%から大幅に上昇。定員の充足が厳しい大学が増えている。

 河合塾では「今春入試では大規模大で合格者数、入学者数が増加した一方、小規模大では合格者数を増やしたものの、入学者が減少した。これにより小規模大を中心に定員割れとなった大学が増えた」と分析している。

 2022年度入試の状況を大学の規模別にみると、収容定員4,000人以上の中規模大、大規模大では定員充足率が100%を超えたものの、収容定員4,000人未満の小規模大では95.5%と下降。中規模大、大規模大では入学者数は増加したが、入学者数に比べ合格者数の増加率の高さが目立った。河合塾では「中規模大では志願者が減少しており、今後は小規模大のように入学者の確保が厳しい中規模大が増える」と推察している。

 合格率(受験者数/合格者数)は、規模の大きさに関係なく前年から上昇した一方、歩留率(合格者数/入学者数)は下降。私立大学全体の競争が緩和しているという。

 学部系統別に定員充足率をみると、ここ数年、定員割れが続く歯学系が76.1%と、2022年度入試でも低さが目立った。薬学系は94.8%と他系統に比べ低いものの、前年の88.6%から大きく上昇した。理・工学系と農学系は100%を超え、前年は定員割れとなっていた理学部や農学部等は定員を充足。文系では、社会科学系で100%を超えた一方、人文科学系が定員割れ。家政学系は7年連続、教育学系は2年連続の定員割れとなった。

リセマム

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