さすが慣れてる!スーパーに入り込んだ七面鳥を素手でさくっと捕獲するアメリカの保安官
2025年4月20日(日)22時0分 カラパイア
アメリカでは野生の七面鳥が生息しており、郊外ではよく見かけるが、人間のスーパーにやってくる個体はめったにいない。ところが、インディアナ州のスーパーマーケットに七面鳥が入り込んできた。
そして何を思ったのか、店のお客さんたちを追い回し始めたのだ。アメリカでは感謝祭に七面鳥を食べる習わしがあるが、そのことに関しての抗議行動なのか?
困った店員たちは地元の保安官事務所に連絡した。すると、K9(警察犬)担当の保安官が、慣れた手つきで、あっという間に素手で捕獲!そのまま足をつかんで持ち運ぶと、森のある場所に放してあげた。
七面鳥がスーパーに入り暴れまわる
2024年4月10日、インディアナ州北部にあるセントジョセフ郡のスーパーマーケットにおそらくはメスと思われる七面鳥が現れた。
目撃者によれば、七面鳥は棚を飛び回りながら商品をなぎ倒し、客を追いかけ、暴れまわっていたという。
スーパーの店員や警備員はどうすることもできず、セントジョセフ郡保安官事務所に通報した。
保安官らが駆け付けた時には、七面鳥は薬局コーナーの棚の上にいた。
St. Joseph County Police Department/Facebook[https://www.facebook.com/watch/?v=674457265532601]
保安官がすばやく素手で捕獲
この七面鳥を捕獲したのが、K9(警察犬)担当のカイル・オコンスキー保安官だ。
他の保安官が七面鳥にブランケットをかけて捕獲しようとする中、警察犬担当のカイル・オコンスキー氏は、なんと素手で挑むという大胆な行動に出た
彼はブランケットに頼ることなく、落ち着いた様子で七面鳥に近づき、片手を七面鳥の顔にかざした。
その瞬間、両脚をつかんであっという間に捕獲!七面鳥は羽をばたつかせていたものの、足元を持たれてしまっているためにどうすることもできない。
現場で録画されたボディカメラの映像には、「気をつけて!爪が危ないぞ!」といった仲間の声が飛び交いながらも、七面鳥が無事に“確保”されていく様子が収められている。
St. Joseph County Police Department/Facebook[https://www.facebook.com/watch/?v=674457265532601]
確かに足元をつかめば爪は使うことができない。この保安官代理はもしかしたら過去にも同じような経験が何度かあったのかもしれない。見事な捕獲劇だ。
その後、足を持たれた状態で店外へ運び出された七面鳥は、森の近くへ放され、怪我もなく自然に帰された。
St. Joseph County Police Department/Facebook[https://www.facebook.com/watch/?v=674457265532601]
ボディカメラには、七面鳥を手にしたまま勝利のガッツポーズを見せるオコンスキー氏の姿が映っており、警察署のFacebookでは「この一件を経てオコンスキー氏は“野生動物との交渉術に長けた男”として署内で語り継がれることになった」と冗談まじりに称賛された。
また、投稿には「怪我人ゼロ、鳥も無傷で解放。対応にあたった全ての保安官たちに感謝を」といったコメントも添えられていた。
地元ではこの出来事を「コール・オブ・ザ・ワイルド(ターキー)」(Call of the Wild (Turkey))と名づけ、愉快な事件として話題となっている。
アメリカ人と七面鳥の関わり
それにしても本当に慣れた手つきだ。プロの野生動物救助部隊のようだ。
七面鳥はアメリカ大陸原産の鳥であり、17世紀から食用として親しまれてきた。とくに、感謝祭(サンクスギビング:毎年11月の第4木曜日)では、七面鳥の丸焼きが食卓に並ぶのが恒例だ。
とは言え、それはそれ、これはこれ。野生の七面鳥はきちんと自然に帰してあげるのもアメリカンスピリッツなのかもしれない。
ちなみにアメリカ建国の父の一人、ベンジャミン・フランクリンは「七面鳥こそアメリカの国鳥にふさわしい」と主張したことでも知られている。
結局国鳥はハクトウワシとなったのだが、フランクリンはハクトウワシを「怠け者で盗みを働く鳥」と見ていて七面鳥のほうが「勇敢で誠実」と評価したという。