北陸 4日から今季最強の寒波襲来 大雪による交通障害に警戒 影響長期化のおそれも
2025年2月2日(日)17時9分 tenki.jp
4日(火)から冬型の気圧配置が強まり、今シーズン一番の強い寒気が北陸地方に流れ込むでしょう。JPCZが北陸地方を指向するおそれがあり、短時間の強い雪や大雪のリスクが急激に高まるでしょう。高速道路や鉄道など交通機関に大きく影響するおそれがあります。さらに、今回は強い寒気が10日(月)頃まで居座るため、影響が長期化するおそれがあります。大雪による交通障害や農業施設への被害、低温による路面凍結や水道管の凍結などに注意・警戒してください。
今シーズン一番の強い寒気が南下 平地でも積もりやすい雪に
3日(月)は、低気圧が発達しながら日本海を進み、4日(火)には本州付近は冬型の気圧配置が強まるでしょう。4日(火)には平地でも雪の目安となる寒気が流れ込み、5日(水)には上空1500メートル付近でマイナス12度以下の寒気が西から北陸地方に流れ込み、上空3000メートル付近でマイナス24度以下、5500メートル付近でマイナス40度以下の強烈な寒気が流れ込むでしょう。
このため、北陸地方では、4日(火)には平地でも雪に変わるでしょう。今シーズンは上空の寒気が微妙に弱く、平地ではみぞれや湿った積もりにくい雪となることが多く、各地とも少雪傾向となっていましたが、今回は平地でも気温が下がり、広い範囲で積もりやすい雪となるでしょう。
JPCZの動向に注意 5日(水)〜6日(木)は里雪の傾向も
北陸地方に強い寒気が南下しただけでは必ずしも大雪になるとは限らず、降雪量は寒気の強さ以上にJPCZの動向や上空の風向きにより左右されます。これらは直前まで見極めが必要ですが、現段階では4日(火)は福井が中心、5日(水)〜6日(木)は新潟を中心にJPCZによる強い雪雲がかかりやすい予想となっており、いずれも北陸地方を指向しやすい傾向となっています。
また、JPCZの南側では西〜南西の風が吹く予想で、北陸地方では石川県や福井県の嶺北地方の沿岸、富山県西部で大雪となりやすい風向きとなります。これらの地域は、北陸地方の中では普段は雪が少ない方となっていますが、今回はそれらの地域でも大雪や短時間に強い雪のリスクがあります。
大雪による高速道路などの通行止めや車両の立ち往生の発生するおそれがあり、鉄道や空の便も大幅に乱れるおそれがあります。出張など移動などを予定されていた方は最新の気象情報や交通情報を確認し、場合によっては計画の中止や日程の変更を検討してください。
予想降雪量は
北陸地方では4日から平地を含めて雪となり、5日にかけて警報級の大雪となるおそれがあります。
4日18時までの24時間降雪量は富山県や石川県の山間部・山沿いで多い所70センチ、平地でも20〜30センチの降雪となるでしょう。
5日18時までの24時間降雪量は、JPCZの指向する新潟県で山沿い100センチ、平地でも50センチの降雪となるでしょう。富山県・石川県・福井県の三県でも平地で多い所30〜40センチの降雪が予想されます。
また、その後も冬型が続き、強い寒気が居座るため、降雪量がさらに増えるでしょう。大雪や短時間の強い雪による交通障害に注意・警戒し、強い雪による視程障害、電線や樹木への着雪、なだれ、路面凍結などに注意してください。
今回は令和6年能登半島地震や大雨の被災地でも大雪のおそれがあります。損傷を受けた家屋では、積雪の重みによる倒壊にも注意が必要です。
1週間程度強い寒気が居座る 影響長期化おそれ
冬型の気圧配置は一週間程度持続し、9日(日)までは北陸地方の平地の広い範囲で雪となる目安である上空1500メートル付近でマイナス9度以下の寒気に覆われるでしょう。このため、北陸地方では平地でも降りものは雪が主体となるでしょう。気温の低い状態が続き、雪も積もりやすい状態が続くため、積雪がさらに増えるおそれがあります。JPCZの動向や風向き次第では大雪が続くおそれもあり、最新の情報に注意が必要です。また、仮にJPCZから外れたとしても、低温が続くことにより、路面凍結や水道管の凍結・破損などのリスクがあります。
車での通勤・通学は常に最新の気象情報を確認しつつ、場合によっては公共交通機関や徒歩での移動、リモートワークの検討なども視野に入れつつ、対策を行ってください。
寒波による影響と対策
今回の寒波は①平地降雪目安を大幅に下回る強い寒気が長期間に渡って居座る、②JPCZが北陸を指向しやすい時期があり、短期間に積雪が急増するリスクがあるといった特徴があります。
短時間に一気に雪が積もると除雪が間に合わず、車両の立ち往生が発生するリスクが高まります。高速道路の通行止めや鉄道・空の便といった交通機関の運休・減便なども考えられます。出張や旅行などを予定されていた方は計画の中止や延期などを検討してください。また、通勤・通学での車の使用も慎重に判断してください。特に近距離の方は徒歩での通勤に切り替えた方が良い場合もあります。
大雪による倒木やビニールハウスなど農業施設の倒壊にも十分に注意が必要です。倒木による電線寸断で停電の発生するおそれもあります。停電時でも暖をとれる暖房器具やカイロ、懐中電灯、モバイルバッテリーなどの非常用電源などを用意した方がよさそうです。
長期間にわたって低温が続くことにより、日中でも路面凍結の発生するおそれがあります。スリップ事故のリスクが急激に高まりますので、車を運転される場合はいつも以上に慎重な運転をお願い致します。また、山間部を中心に水道管の凍結による断水や破損が生じるおそれがあります。水道管が直接外気に触れる部分や蛇口などに布などを巻き付けて保温する、少量の水を出しっぱなしにして凍結を防ぐなどの対策が必要です。