年金法案提出は「夏の参院選後」で調整…負担増による影響懸念で今国会は見送りへ
2025年3月9日(日)9時30分 読売新聞
自民党の森山幹事長(7日)
自民党の森山幹事長らは8日、パートらの厚生年金加入拡大などを盛り込んだ年金改革関連法案の扱いを巡って協議した。政府・与党は今国会への提出を見送り、夏の参院選後の臨時国会に先送りする方向で調整している。
党本部で森山氏のほか、小野寺政調会長や松山政司参院幹事長らが協議した。出席者によると、法案には負担増の内容も含まれ、参院選への影響が懸念されることから、「提出を先送りするべきだ」との意見が相次いだという。
政府は今月上旬の法案の閣議決定を目指していたが、与党内では慎重論が強まっている。自民党厚生労働部会では法案の審議が進んでいない。政府高官は7日、「今国会では(提出)できない」との考えを示した。
一方、法案は与野党が今国会で特に重要と位置づける「重要広範議案」の一つに指定されている。8日の自民幹部の協議では、国会審議を求める野党の反発を懸念する声も出たため、結論は持ち越された。
立憲民主党の野田代表は8日、宮崎市で記者団に「基礎年金の底上げなど大事なテーマをなぜ先送りするのかよく分からない。無責任だ」と批判した。