モンシロチョウ 飛んでいるのは オスばかり

2019年4月13日(土)10時30分 ウェザーニュース


2019/04/13 11:11 ウェザーニュース

4月になり春本番を迎えると、昆虫や小動物などが活動的になる時期。アリは地表に出てきて、テントウムシは動き出し、シマリスはちょこまか、カタツムリもゆったり動き回ります。
可憐に飛んでいるモンシロチョウの姿が見られ始めるのも、やはりこの時期です。とはいえ、モンシロチョウがその年に初めて確認されたのは、昨年2018年の場合、北海道網走市では5月16日、岩手県盛岡市では4月29日、神奈川県横浜市では4月4日、宮崎市では3月1日です。けっこう違いますね。
今年は宮崎市で2月12日に早々と観測されたのをはじめ、西日本や東日本ではすでにモンシロチョウが飛び始めています。

モンシロチョウはキャベツ畑がお好き

モンシロチョウはキャベツ畑や菜の花の周り、野原などをひらひらと舞うように飛び回っています。
なかでも、モンシロチョウはキャベツ畑が好きなようです。というのも、モンシロチョウの幼虫のアオムシはキャベツなどのアブラナ科の葉しか食べないからです。だから、モンシロチョウのメスはアブラナ科の植物だけに卵を産みつけるのです。
ということは、キャベツ畑を飛び回っているモンシロチョウはほとんどメスなのでは? そう思う人もいるでしょう。ところが……。

オスだけが飛んでいる!?

キャベツ畑を飛び回っているモンシロチョウは、実はほとんどオスなのです。どうしてオスばかりが飛び回っているのでしょうか。それはサナギから羽化してくるメスをオスが待っているからです。
オスたちはメスが羽化するのを今か今かと待ち構えています。そして、メスが羽化したとたんに、交尾しようとします。オスたちは、スキあらば、襲いかかって、自分の子孫を残そうとしているのでしょう。
しかし、1回交尾されたメスは、2回目以降はだいたい拒否するようです。1回で受精できるからです。メスとしては、「無駄なエネルギーは使いたくない」といったところでしょうか。

オスかメスか、見分ける方法、教えます

モンシロチョウがオスかメスか、見分ける方法はあるのでしょうか。
よく見ると、オスの前翅(ぜんし/前ばね)の黒い模様の幅は狭く、メスのそれは広いのがわかります。

飛んでいたり留(と)まっていたりするモンシロチョウを見かけたら、目を凝らして、オスかメスか、観察してみるのもオススメです。楽しい春のひとときになるでしょう。

参考資料など

『モンシロチョウ キャベツ畑の動物行動学』(小原嘉明、中公新書)、『オトコとオンナの生物学』(池田清彦、PHP文庫)、「NHK for School モンシロチョウのオスとメスの見分け方」(http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005301571_00000)、気象庁HP(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)


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