魚なのにダイエット中!「丸太のよう」な「ナガコバン」が話題 実は元野生、水族館が明かすその原因
2025年4月17日(木)12時0分 J-CASTニュース
魚津水族館(富山県)の公式Xが2025年4月14日、「飼育員からの愛を一身に受け、丸太のようになってしまった」というコバンザメの一種、「ナガコバン」のある衝撃的な姿を投稿し、注目を集めている。
投稿では「ダイエット」中であることも明かされているが、一体どのようなダイエットをしているのだろうか。そもそも、なぜダイエットが必要になってしまったのだろうか。水族館の担当者に詳しい話を聞いた。
「寝そべっている姿がチャーミング」
魚津水族館公式Xは、同館で飼育しているナガコバンが、水槽の底でお腹を上にしている様子の写真を公開。
「こちらは毎日エサの時間にだけ泳ぎ周り、それ以外の時間はほとんど動かず、お客様からは『死んでいるのでは?』と心配される、飼育員からの愛を一身に受け、丸太のようになってしまった可愛いナガコバン」
と説明した。さらに、「※現在ダイエット中です」とも明かした。
「ナガコバン」で検索すると、魚津水族館のナガコバンよりもスリムなフォルムの魚の画像が表示される。Xでは一般的なナガコバンの画像と見比べて驚く声や、「寝そべっている姿がチャーミングです」「日曜日のわたし」「生きていたのか...よかった...ダイエットがんば」といった声が寄せられた。
また、「ダイエット中」であることに「魚もダイエットするんや」と驚く声も上がった。投稿は16日までに13万の「いいね」が付き、話題になった。
「餌の時間になるとめちゃめちゃ動きます」
16日にJ-CASTニュースの取材に応じた魚津水族館の担当者によると、このナガコバンは21年10月18日に漁協から寄贈され、水族館にやってきた。詳しい年齢は不明だ。元々は野生で、「ジンベエザメが偶然その定置網に迷い込んでしまった際、そのジンベエザメにくっついていたのではないか」という。
ナガコバンは通常、頭についた吸盤でジンベエザメやマンボウ、カジキマグロなど大きめの魚のお腹に吸着する。そのため、一般的には写真のような仰向けではなく頭を上にした状態で過ごすが、水槽には「くっつける生き物がそんなに大きくないホシエイしかいないので、おそらく床にくっついているのかなと思います」と、前出の担当者は話した。
ホシエイに吸着しない理由は、「あんまりホシエイにくっつくのが好きじゃないのかな」と推測している。なお、ほかの水族館でもナガコバンがホシエイに吸着する例は聞かないという。
ナガコバン自体「泳ぐのが得意な魚ではない」というが、投稿のナガコバンはとくに、来場者から「あの子死んでないですか」「大丈夫ですか」と声がかかることが多いという。
一方で、「餌の時間になるとめちゃめちゃ動きます」と前出の担当者は言う。「自分からダイバーに『餌ちょうだい』って寄ってくるんですけど、食べ終わった瞬間にもう(水槽の)下にいって動かなくなってしまって」とエピソードも話した。
「丸太のように」なった原因は?
投稿のナガコバンは、実は特別大きいわけではなく、体長60から70センチと一般的なサイズだという。しかし、「お腹がだいぶ出ている」という。体重は測定できないため不明だが、前出の担当者は「多分そこそこ重いのかなとは思っています」と話す。
ここまで「プリプリ」になった原因は、同じ水槽に入っているブリのために撒いた餌を「勝手に拾い食い」してしまったことだという。気が付いたら写真のように「丸太のように」なっていたと担当者は話した。
ダイエットの方法については、「1日2回、餌の時間があるのですが、片方でしかあげないなど、基本的には飼育員が管理するという形でダイエットしてもらっています」と明かした。
担当者は投稿のナガコバンの魅力について、「すごく可愛い子なので、Xに投稿したような落ちている姿も見てほしいですけど、餌やりの時間になるとめちゃめちゃ元気に泳ぎ回るので、そこにもぜひ注目してみていただきたいかなと思います」とアピールしていた。