豊後水道の地震 M6.6の規模は56年ぶり プレート境界ではないタイプ

2024年4月18日(木)12時20分 ウェザーニュース

2024/04/18 12:00 ウェザーニュース

4月17日(水)23時14分頃に豊後水道で発生したM6.6の地震では、愛媛県と高知県で震度6弱を観測しました。愛媛または高知で震度6弱以上(旧 震度6以上)の揺れが観測されたのは、1919年の統計開始以来初めてです。
震源は南海トラフから沈み込むプレート境界よりもやや深い位置とみられ、プレート境界型の地震ではないタイプとみられます。

震度6クラスは初の観測

豊後水道(宇和海)で発生したこの地震では、愛媛県愛南町と高知県宿毛市で震度6弱を、愛媛県宇和島市で震度5強を観測しました。愛媛県・高知県ともに、震度6弱以上(旧 震度6以上)の揺れが観測されたのは、1919年の統計開始以来初めてです。観測値点数の増加により、強い揺れの観測される頻度は昔よりも高くなっているのは確かですが、近年にない強い揺れだったことに違いはありません。
また、気象庁の震央地名「豊後水道」の領域で発生した地震を遡ると、M6.0以上の地震は1968年に発生したM6.6の地震と今回の地震の2件しかありません。56年ぶりの大きな規模の地震だったといえます。

南海トラフ巨大地震とは違った特徴

豊後水道は南海トラフ巨大地震の想定震源域にあたり、フィリピン海プレートが陸のプレートに沈み込むプレート境界を含みます。これまでの研究結果では、南海トラフから沈み込むプレート境界は北西側ほど深くなり、愛媛県宇和島市沖のプレート境界(フィリピン海プレートの上面)の深さは30km前後と分析されています。今回の地震の震源の深さは、暫定値で39kmと解析されていて、プレート境界よりもやや深いところで発生したとみられています。
また、この地震の発震機構は東西方向に張力軸を持つ正断層型の地震と解析されています。一方、南海トラフ巨大地震では北西—南東方向に圧力軸を持つ逆断層型の地震が想定されます。
これらのことから、今回の地震は南海トラフ巨大地震とは違った特徴を持つ、沈み込むプレート内部で発生した地震と考えられます。
これと別に、今回の地震が引き金となって、周辺で別のタイプの地震が誘発される可能性も完全には否定は出来ませんが、M6.6の規模ではその可能性は高くないといえそうです。もしもM7〜8クラスの地震が起きていれば注意が必要でした。

しばらくは余震に注意を

地震の発生から半日がたちましたが、M6.6の地震のあとの12時間で計26回の震度1以上の地震が観測されています。M6.6の地震の直後15分間には最大震度4の地震が1回、最大震度3の地震が1回観測されましたが、その後は震度3以上の地震は観測されていません。
一般的に、大きな地震からおよそ1週間程度は、その地震と同程度の規模の地震が起こる可能性が平常時よりも高い状況が続くといわれます。現時点で余震はさほど多くはないものの、急に規模の大きな地震が発生することもあるため注意が必要です。

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