こんなん泣くわ…別れ際に「行くな行くな!」涙を浮かべた島の子ども
2025年4月19日(土)6時0分 ダイヤモンドオンライン
こんなん泣くわ…別れ際に「行くな行くな!」涙を浮かべた島の子ども
写真はイメージです Photo:Strauss/Curtis/gettyimages
日本食の定番食材のひとつといえば鮮魚。そのため、多くの日本人にとって魚料理は身近な存在だ。しかし、自転車で世界一周した旅行作家の石田ゆうすけ氏は旅の最中、魚料理を食べる機会がほとんどなかったと述懐する。7年半の旅行中に食した数少ない魚料理のなかには、忘れられない“母の味”もあったという。※本稿は、石田ゆうすけ『世界の果てまで行って喰う 地球三周の自転車旅』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
「これ、どうすればいいの?」魚をあげたら困惑された
海外を旅していたときは魚を食べる機会が激減した(島や海岸部をメインにまわっていたらまた違ったんだろうけど)。考えてみると、世界から見れば日本は相当異色だ。海から遠く離れた山間部のスーパーにも海の幸がずらりと並び、しかもそれらが生で食べられるほど新鮮、なんて国は、記憶をいくらひっくり返して振っても出てこない。
海外には鮮魚売り場のないスーパーはざらにあったし、魚売り場があっても肉売り場と比ぶべくもなくはるかに小さかった。海外ではどれぐらいの人が魚をさばけるのだろう。日本の主婦が家の台所で魚を三枚におろす映像なんかが、日本特有の文化として海外のテレビ番組で紹介されているかもしれない。
ノルウェーのキャンプ場で感じのいい女性と出会い、気を引くために海で釣り上げたばかりの大きな鯖をプレゼントしたら、彼女は困惑した顔で「これ、どうすればいいの?」と聞いてきたことがあった。魚をさばくことはおろか、魚を料理したこともないらしい。
ま、日本でも会ったばかりの男からいきなり活きのいい鯖をもらったら女性は困惑するか……。