オンラインゲームきっかけに凶悪犯罪に巻き込まれる子どもたち ミャンマー特殊詐欺でも高校生がだまされ

2025年4月27日(日)12時0分 J-CASTニュース

世界中の人たちとつながることのできるオンラインゲーム。しかし近年、このオンラインゲームをきっかけとした犯罪が増加している懸念が浮上している。

ゲームめぐり女子高生と口論の末

2025年3月31日、愛知県一宮市の住宅にあるクローゼットから、20か所以上の刺し傷がある若い女性の遺体が見つかった。

捜査を進めていた愛知県警は、この家に住む無職江口真先容疑者(21)を死体遺棄容疑で逮捕した。被害者と「ネットゲームをめぐって口論となり、複数回刺した」などと供述しているという。

遺体は東京都に住む高校生、加藤和華さん(16)と判明。調べによると、ふたりはオンラインゲーム「フォートナイト」で知り合い、加藤さんは家族に対して3月28日に「ネットゲームの友達の家へ泊まりに行く」と告げて家を出ていたという。

江口容疑者は4月21日に、殺人容疑で再逮捕されている。

犯罪被害にあった子どもの数は前年比10%増

オンラインゲームを媒介として交友関係が広がるという若年層が増えるのに比例して、犯罪に巻き込まれるケースも増加傾向にある。

警察庁が今年3月13日に発表したデータによれば、2024年にSNSを契機に犯罪の被害にあった18歳未満の子どもは1486人。

そのうちオンラインゲームをきっかけとして犯罪に巻き込まれたのは98人で、前年に比べて10%増えた。特筆すべきは、中学生が56人、小学生が22人と、低年齢層に広がっていることだろう。

オンラインゲームは、その場で知り合った人とメッセージ機能などで話し合い、助け合って攻略していくタイプのものも多い。

ゲーム上で何度も一緒になることで親近感を得て、SNSなどで連絡を取り合う関係性に発展していく。そのなかでトラブルが発生するケースが増えているようだ。

警視庁の調べによれば、オンラインゲームによる犯罪の種別としては、児童ポルノ、不同意性交、不同意わいせつといった順に高くなっている。

また、今年2月には宮城県在住の高校生が、オンラインゲームで知り合った男に誘われたミャンマーへ渡航、そこで特殊詐欺の電話をかけさせられていた関与させられていたケースも明らかとなった。

親の監視も届かない「ボイスチャット」でのやり取り

警察庁ではこうした被害を避けるためにも、子どものアカウントを保護者のアカウントで管理するペアレンタルコントロール機能の活用や、むやみに個人情報を交換しないことを徹底し、ゲーム上での行動を親が監視するよう呼びかけている。

しかし、近年のオンラインゲームではメッセージの交換をボイスチャット機能で行うことが主流となりつつあり、文字による記録が残らないため、親が監視の目を光らせづらくなっているのも事実だ。

日本では1兆円超、全世界では1000億ドル超の規模となっているオンラインゲーム市場。

子どもがゲームを楽しむ前に、まずは家庭による心がけの徹底から入ることが必要となっている。

J-CASTニュース

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