「同じ轍を踏むのは勘弁」パワハラ幹部一掃後も次官級を懲戒処分…「防衛省」次期次官レースの行方は?

2025年4月21日(月)7時0分 文春オンライン


政治の中心地、東京・霞が関から“マル秘”政界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「 霞が関コンフィデンシャル 」。最新号から、ダイジェストで紹介します。



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パワハラ騒動の余波


 今夏で在任2年を迎える防衛省の増田和夫事務次官(昭和63年、旧防衛庁)。交代が既定路線と見られる中、次期次官レースに影を落とすのが、昨年続いたパワハラ問題だ。


 7月の幹部人事と並行してパワハラ職員の一掃を図ったものの、昨年末には次官級ポストの防衛審議官に就いていた中嶋浩一郎氏(平成元年、同)が複数の部下に再三パワハラを行ったとして停職30日の懲戒処分に。事実上の引導を渡され、依願退職した。


 パワハラに関する証言は7月、別の幹部3人の処分時に十分集まっていたが、増田次官が中嶋氏から「今後は部下へ適切に対応する」と確約を取り付け、昇格を認めた。蓋を開ければハラスメントによる次官級の懲戒処分という前代未聞の事態となり、他省庁からも「防衛省ならではの珍事」と失笑が漏れる。



パワハラ問題で次官級ポストまで処分を受けた防衛省 ©GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート


 後釜となったのは中嶋氏と同期の加野幸司官房長。前任者に比べれば霞むものの、部下に対する厳しい体質も囁かれる。防衛政策局長、官房長を歴任した一方、過去の防衛審議官で次官に転じた者はおらず、省内でのキャリアはここが天井となる。


 増田次官の後任として有力視されるのは大和太郎防衛政策局長(2年、同)だ。日米防衛協力や自衛隊の部隊運用に関するポストを歴任し、防衛省だけでなく、関わりの深い外務省からも「将来の次官候補」と目されてきた。ただ、ハラスメント文化が濃厚だった六本木の旧防衛庁時代の空気を吸ってきたのは、大和氏も同様。省内からは「同じ轍を踏むのは勘弁してもらいたい」と不安げな声も聞こえてくる。


 その後に続く人材には、大和氏と同期の田中利則地方協力局長や、萬浪学官房長(3年)の名前が挙がる。両氏とも「オールラウンダー」だが、直近では、沖縄防衛局の勤務が長く、国家安全保障局(NSS)出向も経験した田中氏の経歴が目を引く。《 記事の続き では、幹部自衛官のトップ人事について言及しています》



※本記事の全文(約5500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年5月号に掲載されています( 霞が関コンフィデンシャル )。



(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年5月号)

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