釧路で「アーバンフォックス」増加中、「かわいい」と餌やり寄生虫媒介の恐れ…苦情も5年で最多
2025年4月22日(火)15時28分 読売新聞
釧路市内に生息するキタキツネ(13日)
北海道釧路市に2024年度に寄せられたキタキツネに関する苦情などの通報件数は97件で、前年度を20件上回って過去5年間で最多となった。「餌をやる人がいる」という通報が後を絶たず、市街地などでは「アーバンフォックス」と呼ばれる人なれした個体も増えている。
市環境保全課によると、通報件数は年間70〜80件ほどあり、これまでは21年度の81件が最多だった。餌を与えている人物が特定できれば市が注意に出向いており、理由を尋ねると「かわいい」「やせていてかわいそう」などと答えたという。
寄生虫媒介
キツネは寄生虫エキノコックスを媒介する。幼虫が寄生したネズミを食べたキツネの腸内で成虫になり、卵はフンと一緒に排出。人がキツネに触れたり水などを介したりして感染すると、潜伏期間を経て重い肝機能障害などを起こすことが知られる。
市は、感染防止に加え、キツネが人間の与える食べ物に依存し、何度もやって来るようになることから、餌を与えないよう呼びかける。収集日前にごみを出さないことも大切という。
市が注意喚起
市ホームページに「キタキツネの被害と対処について」と題したコーナーを設け、注意点をまとめている。市は箱わなも設置しており、24年度は18匹を捕獲した。駆除はせず、離れた場所に放している。