性能4倍の新型量子コンピューター、富士通と理研が開発…「計算エラー」訂正技術の研究に活用へ

2025年4月22日(火)18時47分 読売新聞

富士通と理化学研究所が開発した新型量子コンピューター(22日、埼玉県和光市で)

 富士通と理化学研究所は22日、従来の4倍に性能を高めた新型の量子コンピューターを共同開発したと発表した。計算エラーが起こりやすい量子コンピューターの課題を解決するための研究に活用し、実用化を急ぐ。

 量子コンピューターは、ミクロな世界の特殊な物理法則「量子力学」を利用した次世代の計算機で、通常のコンピューターでは何万年もかかる計算も短時間で処理できると期待される。

 同日、埼玉県和光市の理研本部で報道陣に公開された新型機は超伝導方式と呼ばれる量子コンピューターで、性能の目安となる「量子ビット」の数を従来機の64から256に増やした。

 量子コンピューターは計算エラーが多く発生するという課題があり、実用化にはエラーを訂正する技術の確立が不可欠とされる。量子ビット数が増えた新型機では、より精度の高い訂正技術の実験ができるという。

 ただ、実用化には100万量子ビットが必要とされ、超えるべき技術的なハードルは高い。富士通と理研は2026年を目標に1000量子ビット級の開発も進め、研究を加速させる。

 理研の中村泰信・量子コンピュータ研究センター長は「現在の量子コンピューターはまだ規模が小さく、すぐに何かの計算に使えるわけではない。改善しながら、出来ることを徐々に増やしていきたい」と話した。

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