トランプ米大統領の関税政策、世界中が大混乱…冷静で現実的な言動を

2025年4月23日(水)17時30分 読売新聞

トランプ政権の関税措置で、日本の自動車産業にも影響が懸念される(愛知県内で、読売新聞ヘリから)

 トランプ米大統領の高関税政策の乱発で、世界経済に不透明感が増しています。関税を巡る貿易摩擦は国家の大きな問題です。読売新聞朝刊の投書欄「気流」には、関税に関する投書がこれまで寄せられてきました。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「関税」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)

自由貿易のリーダーに

 トランプ氏の行き過ぎた米国第一主義的な経済政策、高関税政策に強い懸念を持っている。

 トランプ氏は中国からの輸入品にかかる関税を上乗せし、メキシコとカナダに関税を課す方針を示した。もし実際に発動されれば、悪影響は大きいし、多国間の枠組みを軽視して、高関税をテコに2国間取引で実利を得ようとするのではないか。

 高関税政策は貿易の縮小、雇用喪失を招くリスクがあるし、インフレも懸念されるだろう。自動車産業など日本への影響も大きい。自由貿易体制で大きな恩恵を受けてきたのは、ほかならぬ米国ではないだろうか。

 高関税政策はやがて報復関税などの対抗措置を招き、世界経済の停滞、争いの原因となりかねない。自由貿易体制のリーダーとして冷静、現実的な言動を望みたい。(66歳・非常勤公務員=埼玉県、2024年12月29日掲載)

米中応酬、経済大国の責任は

 米中の制裁関税の応酬は、出口が見えない。先の先進7か国(G7)による主要国首脳会議では、米中の摩擦激化による世界経済の減速を懸念する声が相次いだが、具体的なメッセージを出すには至らなかった。「米国第一」を掲げ、国際協調を軽視するトランプ米大統領の行動は、とどまるところを知らない。

 このままでは世界経済が低迷し、大量の失業者を生む危険をはらんでいるのではないか。両国は、世界1位、2位の経済大国として責任を持って、互いに真の国益は何かを考えて行動してほしい。(79歳・無職=新潟県、2019年9月8日掲載)

競争力持つ農業へ、抜本的な改革を

 環太平洋経済連携協定(TPP)への参加は避けて通れない関門だと思う。日本の農業は、巨額の補助金や高関税で守られてきた。1990年代、ウルグアイ・ラウンド対策費として、総額6兆円が投じられた。本来、農地を集約して大規模化を進め、生産コストを下げる改革が必要だったが、遅々として進まなかった。今度こそ、生産性が高く、国際競争力を持つ農業への抜本的な改革に国費を充てるべきだろう。「農業維新」が必要だ。(85歳・刀剣研ぎ師=埼玉県、2010年12月19日掲載)

担当記者から

 トヨタなどの自動車産業への影響などを懸念し、4月3日の日経平均株価は大幅下落となりました。波乱の新年度スタートと言える状況ですが、少しでも早く落ち着くことを願っています。(田渕)

 「ササる投書」を随時掲載します。次回もお楽しみに!

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