人気ポケカ抽選で当選→店に行くと「すでに受領済」 トラブル続出でトイザらス謝罪「落ち度による不正、警察に相談」
2025年4月24日(木)17時18分 J-CASTニュース
人気ポケモンカードゲームの抽選販売で、おもちゃ用品チェーン「トイザらス」を運営する日本トイザらス(神奈川県川崎市)は2025年4月24日、不正行為があり、一部の店舗で購入できない当選者が出たと、J-CASTニュースの取材に明らかにした。
当選者らからは、店に行くと、「すでに受け取り済み」とされたと、Xで不満が出ていた。日本トイザらスでは、救済措置を取ったとしたうえで、「こちらに落ち度があって、ご迷惑やご心配をおかけしたお客様にはお詫びしたい」と謝罪した。
名前などが一致、「個人情報が漏れているのでは」
この商品は、4月16日にランダム5枚入り180円(税込)で発売された「ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレット 拡張パック『ロケット団の栄光』」だ。
トイザらスでは、30パックのボックスを5400円(税込)で販売しようと、3月26日〜4月6日に予約を受け付けた。抽選結果は、16日に発表され、18〜20日が商品受け取り期間になっていた。
そんな中で、当選者の1人の女性(@3kidsmam18)が20日、関西地区の店舗に行ったところ、すでに受け取り済みと店から伝えられたとXで投稿した。21時の閉店30分前だったが、16時ごろに取りに来ていると指摘されたという。ポイントカードの番号や名前が一致していたというため、女性は、個人情報が漏れているのではないかと不信感を露わにした。この直前に受け取りに来た人も、店から同じことを言われていたという。
一方、女性によると、店は、会社に確認すると説明し、キャンセル分が出たとして、商品を購入できた。身分証は確認されなかったという。
この女性は24日、取材に対し、「不正されたかどうかは、された側からすれば関係ありません。個人情報をポイントカードに入れていますので、もしそれが悪用されたときには、どう責任を取るのかと言いたいです」と憤っていた。
女性の問題提起は大きな関心を呼び、最初の投稿は、7万件以上の「いいね」が集まっている。リプライの中には、関東地区の店舗でも、同様なことがあったという報告もあった。
当選者リストを無断で撮影する様子が防犯カメラに映っていた
このポケモンカードゲームの抽選販売について、トイザらスの公式Xは4月22日、「お詫び」と題する説明を行った。
その投稿では、「このたびは、当社の抽選企画にて商品の受け渡しにて不具合が発生」したとして、「ご当選者さまをはじめ関係の皆さまに多大なるご不便・ご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。再発防止に向けたシステム・運用面の見直しを早急に進めてまいります」と謝罪した。
その後、日本トイザらスの広報担当者は24日、社内で調査を行ったところ、全国の6店舗で計17人の客についての個人情報が不正に取得されていたことを取材に明らかにした。
「6店のうち、2店において、防犯カメラの映像を確認したところ、誰かが当選者リストを無断で撮影する様子が映っていました。リストの一部が不正に取得され、不正に利用されたと考えています。リストの情報で、当選者になりすまして商品を購入していました。その結果、後から来られたお客様が商品を買えなくなっていました」
買えなかった当選者には、後日に在庫商品を購入できるようにしたと説明した。
各店では、店員が当選リストを照合していたが、レジなどの客から見られるようなところでリストをチェックしていたケースがあったという。リストには、当選番号やポイントカード番号、当選者の苗字が記されていた。
商品販売に当たって、当選番号が書かれたメールやポイントカードの番号を見せてもらうことにしていたというが、身分証は確認していなかった。今回、不正に番号が使われた当選者のうち希望者には、カード番号を変える対応をしたという。
「他の4店についても、同様な不正が行われた可能性があり、各店では、地元の警察に相談する予定です。国の個人情報保護委員会にも24日中に報告します。こちらに落ち度があって、ご迷惑やご心配をおかけしたお客様にはお詫びしたいと思います。次回からは、顔写真付きの身分証の確認も徹底し、管理体制を強化していきたいと考えています」
商品購入の不正については、日本トイザらスの公式サイトで、24日夕にも「重要なお知らせ」として報告し、お詫びしたいとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)