一力遼棋聖の就位式、漫画「伍と碁」の原作者・蓮尾トウトさんが花束贈る

2025年4月25日(金)20時59分 読売新聞

棋聖就位式で一力遼棋聖(右)に花束を渡した漫画家の蓮尾トウトさん(25日午後6時43分、東京都文京区で)=西孝高撮影

 第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)を制した一力遼棋聖(27)の就位式が25日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われた。式には、今年1月から「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載中の囲碁を題材にした漫画「と碁」の原作者、蓮尾トウトさん(32)が出席し、一力棋聖に花束を贈った。

 一力棋聖は、2期連続で挑戦者となった井山裕太王座(35)を4勝3敗で下し、4連覇を達成した。

 祝辞で蓮尾さんは「白熱した戦いを長時間にわたって戦い抜いた一力棋聖、対戦相手の井山王座には、大変感銘を受けた」と語った。一力棋聖については、「小学校の入学式の後、ランドセルを背負ったまま棋譜を並べていたと聞いた。幼少の頃から囲碁への強い探究心と愛情を持っていたことが、今の強さの根底にあるのだと気づかされた」と話した。

 和服姿で登壇した一力棋聖は「今年は囲碁の奥深さを感じる対局が多いシリーズだった。昨年、世界戦(応氏杯)で優勝はしたが、実力的には足りない部分が多いと感じている。日本一の棋士が世界一の棋士に、ということを目標に精進を続けていきたい」と謝辞を述べた。

 式には一般参加者ら約120人が出席した。村岡彰敏・読売新聞東京本社社長から正倉院宝物の金銅鳳形裁文こんどうおおとりがたさいもんを写した鳳を刻み込んだ純銀製の棋聖大賞メダルと、賞金4300万円の目録が贈られた。

 式では、蓮尾さんと、「伍と碁」の監修を務める寺山怜六段(34)らが登壇して、同作品をテーマにしたトークショーが開かれた。単行本第1巻の発売は5月7日に予定されており、蓮尾さんは「多くの方にご協力いただいたこともあり、楽しみという感情が大きい」と話した。

 作中に登場するキャラクターについて、蓮尾さんは「現実の棋士の棋風やエピソード、どんな考え方で打っているかを聞いている。それがキャラクターの深みにつながっている」と明かした。寺山六段も「蓮尾さんが生み出すキャラクターは面白く、僕も楽しみにしている。この作品を通して、囲碁に触れるきっかけがない人も囲碁に触れて、『る』楽しみ方を見いだしてくれる人が増えたら、うれしい」と話した。

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