東北道逆走事故、最初の接触まで路肩・正面衝突まで追い越し車線…車線変更しながら走行か

2025年4月28日(月)22時10分 読売新聞

事故で大破した乗用車を調べる警察官(4月27日午前1時12分、那須塩原市で)

 栃木県那須塩原市の東北自動車道上り線で26日夜に発生した逆走多重事故で、逆走車両が最初に対向車と接触する前は路肩を直進していたことが28日、捜査関係者への取材で分かった。その2・7キロ先で起きた正面衝突事故は追い越し車線で発生しており、逆走車が車線変更をしながら走行したとみて、県警が経緯を調べている。

 また、逆走車は那須塩原市内の黒磯板室インターチェンジ(IC)から進入した可能性が高いことも同IC料金所の監視カメラ映像で判明。捜査関係者によると、色や形が酷似した車が正面衝突の数分前に、同IC料金所を通過するのが監視カメラに映っていたという。

 事故は26日午後10時頃に発生した。宇都宮市峰町の前原勇太さん(42)の乗用車が同ICから福島県方面に約500メートル逆走したところで乗用車と側面同士を接触する事故を起こした。捜査関係者によると、この対向車のドライブレコーダーに、前原さん運転の逆走車が路肩を直進してくる様子が映っていた。

 逆走車は接触後、2・7キロ先の追い越し車線で岩手県北上市の会社員平岡勝利さん(56)の乗用車と正面衝突。前原さんと平岡さんは死亡した。

 黒磯板室ICは、料金所から上り線に進入する道路と、上り線から料金所に向かう道路がY字状に交差している部分がある。

 県警は、逆走車が本来進むべき右折方向ではなく、「進入禁止」などの標識がある左折方向に進入して逆走を開始した可能性があるとみて捜査している。

高速道逆走、年間200件

 国土交通省や高速道路各社によると、高速道路での逆走は年間200件前後発生しており、2023年には224件だった。

 11〜23年に起きた逆走のうち、事故に発展したのは2割程度。高速道路の事故全体で死傷者が出た割合は約1割だが、逆走事故に限ると、死傷事故の割合は約4割に上った。

 逆走の開始場所では、インターチェンジ(IC)を含む出入り口や分岐・合流箇所が最多の約4割を占めた。各社はこれらの場所で注意喚起を行っていて、同省によると、今回の事故現場に近い黒磯板室IC付近でも、「進入禁止」の標識や順路を示す道路上の矢印などが整備されていた。

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