八潮道路陥没、運転席から1人の遺体搬出…運転手の勤務先「余人をもって代えがたい人物だった」

2025年5月2日(金)11時29分 読売新聞

下水道管内で発見された遺体を乗せて現場を出る車両(2日午前8時10分、埼玉県八潮市で)=木佐貫冬星撮影

 埼玉県八潮市で今年1月、県道が陥没してトラックが転落した事故で、県は2日朝、下水道管内で見つかっていた運転席部分から1人の遺体を搬出したと発表した。運転していた男性(74)とみられ、県警が身元の確認を進める。

 この日は防護服を着て、ボンベを背負った消防隊員らが午前4時20分頃から直径4・75メートルの下水道管内に入った。遺体を地上に搬出後、同8時過ぎ車で県警草加署に運んだ。

 事故は1月28日にあり、陥没した穴にトラックが転落。荷台部分は引き上げられたが、運転席部分は地下10メートルにある下水道管内に落ち、運転手が取り残された。運転席部分は現場から約30メートル下流で見つかったが軟弱な地盤や流れ込む下水に阻まれ、消防による捜索活動は中断を余儀なくされた。

 県は下水を迂回うかいさせるバイパス管の設置や地上の2方向からの掘削で捜索ルートを確保した。1日朝、消防隊員らが事故後初めて下水道管内に入り、運転席部分の内部に人の姿を確認。有毒な硫化水素の濃度や下水の水位から、二次被害の危険性は低いと判断し、2日の捜索再開を決めていた。

 トラックを運転していた男性の家族と勤務先の会社は2日、県警を通じてコメントを発表した。家族は「みんなが大好きな父が突如として居なくなってしまった事実を、いまだに信じることも、受け止めることも出来ません」などと胸の内を明かした。

 勤務先の代表者も「おっちょこちょいな部分もあったが憎めない人柄で、会社にとって余人をもって代えがたい人物だった。公道を安心して走行できるようにしていただきたい」などとつづった。

 県は運転席部分を回収し、現場の復旧作業に入る。下水道の複線化など、工事完了までには5〜7年かかる見込みだ。

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