「日本はモームリ」風俗嬢の手取り相場が大暴落 過激さや命の危険を覚悟して「海外出稼ぎ」に行くワケ
2025年5月7日(水)17時0分 J-CASTニュース
風俗業界には「出稼ぎ」という制度がある。住まいから離れた場所に一定期間滞在し、規定の労働時間を守れば日給保証が出るため、確実な収入を得たい人にとっては有難い働き方だ。
滞在期間は1週間以上が基本で、稼働は12時間以上からと条件はなかなかハードだが、保証システムのおかげで「お茶(お客につかず、収入0円のこと)」を回避できる。平成後期より客入りが不安定なお店が多いからこそ、自ら「出稼ぎ」を希望する女の子は増加傾向にある。
しかし、そんな「出稼ぎ嬢」たちも苦戦を強いられているらしい。以前はセクシー女優なら日給保証7〜10万円が当たり前だったのだが、最近は知名度が高くない限り日給保証が5万円以下となってしまった。
この現実を知ると「肩書きがある人間で大5枚なら、一般素人は?」という疑問が浮かぶだろう。遠方へ足を延ばしてもさほど稼げず、国内で限界を感じた人々は違法な海外出稼ぎへ手を染めていく。
高額保証を出せるほど、売り上げに自信がないお店たち
「夜職ブーム」、「六本木バブル」などと囁かれるナイト業界だが、爆発的に稼ぐのはほんの一握り。波に乗れたら収入は青天井なものの、そうでないキャストは月収100万円を手にするのすら難しい。
働き手だけではなく、店そのものの運営が苦しいケースも増えた。
流行りの店はごく一部で、残りは吸収や合併でどうにか生き残るか、閉店を余儀なくされる。「オトナのお店」は特に厳しく、ここ数年は需要と供給が見合っていないことが多いため、女の子たちに高額の保証を出せば赤字の可能性が高い。絶対に日給10万円を持ち帰らせる自信がないとなれば、提示する保証金額が低めになるのは当然なのである。
最近は多数のセクシー女優や有名インフルエンサーがナイト業界に出入りし、もはや飽和状態だ。以前は著名人が入店するだけで大きな注目を集められたのに、「今は一店舗に最低1人は在籍しているレベル」に変わってしまったのだから、肩書きがある人間は何も珍しくない。
著名人の働き手が増えた→客の目が肥えた→食いつきが悪くなる流れが出来たのも、高額保証を打てなくなった大きな理由なのだ。
日本がダメなら海外へ?海外出稼ぎの実情
短期間でまとまったお金がほしいから、女の子たちは「出稼ぎ」に行く。
それなのに国内でパパッと稼げず、おまけに「身バレ」の危険性も低くはないとなると、選択肢に「海外出稼ぎ」が浮かんでしまう。リスクが高く、違法という現実を分かっていながらも、大金を得たい人々は後先考えずにあっさりと国外へ飛ぶ。
少し前なら「海外出稼ぎ」はブルーオーシャンで、容姿が良ければそこそこの金額を持って帰れた。「イイ思い」をした子たちがSNSなどでメリットを発信したり、知人同士で勤め先を紹介し合ったりしたのだが、コロナ禍以降はネットや口コミを中心に労働希望者が続出。よって、国外も日本人が溢れる飽和状態になった。これでは、日本での「出稼ぎ」と状態は何ら変わりない。
むしろ海外では危険な案件も増えている。最悪の場合は命を落とす。意を決して海を超えても日給10万円にも満たなかった人々は大勢いて、おまけに稼げない+身の危険に晒された最悪な経験をした話も聞くほどだ。
覚悟を決めれば稼げる時代は、とうの昔に終わってしまった。「それなら水商売以外の道で稼げばいいじゃないか」なんて意見もあるけれど、手っ取り早く収入を得る方法と言ったら昔から「お水一択」なのだから悩ましい。
客を待っているだけでは始まらない時代に突入した令和の今、本当に歓楽街は厳しいものとなっている。ナイトワーカーの頼みの綱だった出稼ぎさえままならない現実に直面すると、この手の業界人たちは在り方、そして働き方を変える必要があるのだろう。
【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。