LCC貨物便機長から勤務前の禁酒時間帯にアルコール検出…「検知ゼロ」になるまで自ら検査繰り返す
2025年5月9日(金)18時45分 読売新聞
国交省
国土交通省は9日、格安航空会社(LCC)の「スプリング・ジャパン」の貨物便男性機長(51)が勤務前の禁酒時間帯に多量のアルコールが検知された上、乗務前の法定検査も正しく実施しなかったとして、同社に対し、行政指導にあたる厳重注意をし、30日までに再発防止策を報告するよう求めた。同社は機長を懲戒解雇処分とした。
国交省などによると、機長は3月18日未明、北九州発羽田行きの貨物便に副操縦士と乗務。その勤務開始5時間前の17日午後7時半以降、滞在先のホテルで十数回にわたり自らアルコール検査を行い、1リットルあたり最大0・52ミリ・グラムのアルコールが検知された。
さらに、勤務時間の18日午前0時25分になっても同0・09ミリの数値が出たため機長は法定検査を30分以上怠り、「検知ゼロ」になるまで自主的な検査を繰り返した。その後、貨物便はほぼ定刻通りに羽田まで運航した。
機長は社内調査に過度な飲酒を否定し、「17日朝に少し酎ハイを飲み、夕方に栄養ドリンク3本やレーズンパンを飲食した」などと説明したが、国交省と同社は再現実験の結果などから「運航規程に反した飲酒の事実があった」と認定した。