雲仙・普賢岳の「平成新山」で視察登山…溶岩ドームは「島原市方面へずれているが幅は年々小さく」
2025年5月15日(木)13時0分 読売新聞
火成岩を乗り越え平成新山を目指す参加者
長崎県島原市と九州大地震火山観測研究センターは12日、1990〜95年の雲仙・普賢岳噴火災害でできた溶岩ドーム「平成新山」(1483メートル)の状況を確認する防災視察登山を行った。
平成新山の山頂は、溶岩の固まった火成岩が乱雑に積み上がった状態で、崩落の危険性がある。山頂周囲は警戒区域に指定され、一般の立ち入りは制限されている。
視察登山は、山の状況を把握し、防災業務に反映させるため、市と同センターが年2回実施している。今回は、行政、警察、報道関係者計約90人が参加した。
山頂付近の噴気の温度を確認した同センターの松島健教授は「90度程度と、一頃に比べ大きく下がり、落ち着いている。新たなマグマの上昇はない」とした。長崎地方気象台の担当者も「火山性地震は月10回程度で、噴火の兆候は認められない」と説明。溶岩ドームの大規模崩落を警戒して観測を続けている国土交通省雲仙砂防管理センターの担当者も「東南東、島原市方面へ少しずつずれてはいるが、ずれ幅は年々小さくなっている。すぐに崩落する恐れは少ない」とした。
一方で、山頂の火山