政策進まず公明に焦り、「減税」「夫婦別姓」自民と調整難航…「このままでは丸腰で選挙戦突入」

2025年5月19日(月)7時2分 読売新聞

公明党

 公明党が6月の東京都議選と夏の参院選に向け、焦りを募らせている。減税や選択的夫婦別姓制度の導入など重視する政策で、連立を組む自民党との調整が進んでいないためだ。アピール材料がないまま政治決戦に突入すれば、惨敗した昨年の衆院選の二の舞いになりかねないと懸念し、公明執行部は発信を強めている。(田ノ上達也)

 「食料品については例えば5%、世界標準にする。私たちは恒久的措置として考えている」

 公明の斉藤代表は18日放送のTBS番組で、消費税の軽減税率を現在の8%から期限を設けず引き下げる案に言及した上で、「これから経済対策、最終的には自民党と議論して参院選の公約という形になると思う」と期待感を示した。

 自公両党は、物価高や米国の関税措置を受けた経済対策を参院選前にまとめる方針で一致しており、公明は「減税と給付」を盛り込むよう主張している。自民に参院選の共通公約の作成も呼びかけており、公明の西田幹事長は17日に新潟市内で開いた党会合で「来週から政調会長同士で共通公約を練り上げていく」と明かした。

 ただ、公明が選択肢の一つとする消費税減税について、政府・自民は実施しない方針を固めている。公明や支持母体の創価学会内では、食料品の消費税減税を求める声は根強いが、自民の森山幹事長は18日に鹿児島県内で行った講演で、「ポピュリズムの政治をしては、国は持たない。ツケは全て国民に返っていく」と述べ、改めて財源の伴わない減税論を戒めた。

 選択的夫婦別姓制度でも、公明は「石破首相を通じて説得したい」(斉藤氏)などと導入を掲げ、政府として国会に法案を提出するよう訴えてきたが、自民は意見集約が難しいとして今国会中の法案とりまとめを見送る考えだ。

 企業・団体献金を巡っても、公明は国民民主党と規制強化策をまとめ、自民と立憲民主党を含めた幅広い合意形成を目指しているが、法案を国会に提出するメドは立っていない。

 公明は昨年の衆院選で、公示前から8議席減らす24議席の獲得にとどまった。石破内閣の支持率の低迷が続く中で、公明幹部は「このままでは『丸腰』で選挙戦に突入することになる」と危機感を強めている。

 自民の軟化は見通せないが、斉藤氏は「時間はまだある」と周囲に語っており、与党内の駆け引きは激しさを増しそうだ。

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