「赤ちゃんポスト」の慈恵病院、18歳未満でも出自開示が対応可能に…昨年度は14人が預けいれ

2025年5月28日(水)22時3分 読売新聞

経営難に陥った慈恵病院(17日午後、熊本市西区で)=中島一尊撮影

 親が養育できない子を匿名で託せる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を運用する慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健理事長は28日、預けられた子らの「出自を知る権利」について、情報開示に関する手順などをまとめた病院独自の指針を明らかにした。子と養育者が望み、子が病院の聞き取りに対応できれば、開示請求に年齢制限は設けないことを明記している。

 ゆりかごは開設から18年となり、0歳で預けられた子が今年、成人の年齢となる。出自情報を巡っては、熊本市と病院が設置した検討会が3月に分類や保存法などを示した報告書をまとめており、病院も独自で指針を作成することにした。

 指針は、担当者だけに身元を明かす「内密出産」で生まれた子も対象で、情報は永年保存すると明記。開示請求できる年齢は報告書の「原則18歳以上」を踏襲しつつ、子と養育者の意向を尊重して18歳未満でも対応可能とした。開示内容は、有識者らを含めた審議会で検討する方針。父母の意向が確認できない場合は非開示とする。蓮田理事長は「女性や赤ちゃんの助けにつながればいい」と述べた。

 一方、熊本市は28日、昨年度は14人がゆりかごに預けられたと発表した。過去10年間では最多で、2007年の開設以降の累計は193人となった。14人は生後7日未満で男児4人、女児10人。13人は身元情報がなく、市が戸籍をつくった。出産場所は自宅9人、車中2人、その他2人、不明1人、医療機関0人だった。

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