自覚症状がない「かくれ熱中症」正しいチェックの仕方

2020年8月15日(土)8時23分 ウェザーニュース


2020/08/15 08:22 ウェザーニュース

連日のように熱中症対策が呼びかけられています。熱中症の初期症状といえば、めまい、立ちくらみ、唇や手足のしびれ、筋肉痛などが知られています。
しかし、自覚症状がない「かくれ熱中症」は、いきなり頭痛や吐き気、けいれん、意識障害を起こし、救急搬送されるケースがあります。
2019年にウェザーニュースが行ったアンケート調査によると、自己診断も含めると回答者の4割以上が熱中症になったことがあるようです(8月7〜8日実施、1万720人回答)。回答者のコメントを見ると「一瞬にして目の前が真っ暗になり、気を失った」「急に冷や汗が出始め、頭がボーッとなった」という人が少なくありませんでした。いわゆる「かくれ熱中症」です。

自覚症状がないまま、急に重症化してしまう「かくれ熱中症」を自分でチェックする方法はあるのでしょうか?

体調変化に敏感な人、鈍感な人

「子どもや高齢者は熱中症になっても自覚しにくいので重症化しやすいと言われます。しかし、若くても体調変化に鈍感な人がいます。寝不足や二日酔い、風邪気味などで体のセンサーが鈍っていると、のどの渇きを感じなかったり、めまいや立ちくらみがあっても気にならないのです」と話すのは、横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長です。
ふだんは体調の変化に敏感な人も、寝不足や二日酔いだと体調変化を感じにくいのですが、寝不足や二日酔いは熱中症の危険因子です。そのため体調の変化に気づいたときは手遅れで、けいれんや意識障害を起こしてしまうというのです。

脱水状態かどうかチェックする

「熱中症になっているのに自覚がない『かくれ熱中症』は、すでに相当の汗をかいて脱水状態になっているので、次の方法でチェックできます」(吉田院長)
(1)手のひらが冷たい
脱水状態になると手のひらに血液が行きわたらないため冷たくなります。手のひらで自分の頬や額に触れて熱く感じれば手のひらが冷たいのがわかります。
(2)舌が乾いている
脱水状態になると唾液が減少するので舌を出して鏡で見ると乾いていることがわかります。
(3)つまんだ皮膚が戻りにくい
脱水状態になると皮膚の弾力が失われます。手の甲の皮膚を指でつまんで放し、3秒上以上戻らなかったら脱水症の疑いがあります。
(4)親指の爪を押して赤みが戻るのが遅い
指先に流れている血液は爪の色でわかります。親指の爪をギュッと押したあと、赤みが戻るのに3秒以上かかったら脱水の疑いがあります。
「脱水状態をチェックする4項目の1つでも該当していたら、すでに熱中症にかかっている可能性があります」(吉田院長)

すぐに水分摂取と涼しいところへ

「かくれ熱中症」とわかったらどうすればよいのでしょうか。
「脱水状態なので、まず水分摂取が必要です。水だけでなく塩分も摂れるスポーツドリンクがよいでしょう。脱水が進行していると思われるので、少なくともペットボトル1本(500ml前後)は飲んでください。そのうえでエアコンが稼働している屋内、屋外なら日陰の風通しがよいところで休息してください」(吉田院長)
水分を摂って休息したあと自覚症状が現れることがあります。めまい、立ちくらみ、しびれ、筋肉痛、頭痛や吐き気、けいれん、意識障害といった症状があれば、救急車を呼ぶなどして医療機関で診てもらってください。


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