★9月の天体イベント★ 西村彗星が見頃に!月末には中秋の名月も

2023年9月2日(土)12時50分 ウェザーニュース

2023/09/02 12:45 ウェザーニュース

9月は月に注目です。惑星との接近やアンタレス食が起こり、月末には中秋の名月があります。
また、発見されたばかりの西村彗星が見頃を迎えます。晴れた日は天体観測をお楽しみください。

西村彗星が見頃

9月上旬〜中旬に「西村彗星」が5等級前後まで明るくなり、見頃となります。
この彗星は、今年8月12日(土)の未明に発見されたばかりの新彗星です。発見者は静岡県の西村栄男さんで、発見者の名前からとり「西村彗星」(C/2023 P1 (Nishimura))と命名されました。
西村彗星は、9月中旬にかけてかに座からしし座へと東進し、未明〜明け方の東北東の空に見ることができます。

西村彗星は9月12日(火)頃に地球と最接近し、18日(月)頃に太陽と最接近する予想です。この頃に最も明るくなりますが、太陽に近く高度が低いため、観測は難しくなります。
観測に適しているのは10日(日)頃までの予想です。明るさは5等前後のため、なるべく空が暗いうちに双眼鏡や望遠鏡でお楽しみください。街明かりのない空が暗い場所では、もしかしたら肉眼でもぼんやり見えるかもしれません。

月が木星に接近

木星は空に昇る時刻が早くなっていて、東京では9月頭には21時過ぎ、9月末には19時過ぎに東の空に昇るようになります。木星はマイナス2.5等以上もの明るさで輝くため、夜空の中でも目を引きそうです。
4日(月)夜遅く〜5日(火)明け方には、月が木星に接近します。明るい月と木星が隣り合う様子をお楽しみください。
▼4日(月)に昇る時刻(東京)
月 20:36 木星 20:54

細い月が金星に接近

9月は明け方の東の低空で、明けの明星「金星」を見ることができます。うっすら明るくなり始めた空で、マイナス4等以上の明るさで輝く金星の様子は見物です。
12日(火)未明〜明け方には、新月間近の細い月が金星に接近します。東の方角が開けた場所から、月と金星の共演をお楽しみください。
▼12日(火)に昇る時刻(東京)
月 2:19 金星 2:40 太陽 5:21

水星が西方最大離角

水星が9月22日(金)に「西方最大離角(※)」を迎えます。普段よりも空高くに昇るようになるため、観測しづらい水星を見られるチャンスです。
20日(水)〜26日(火)の期間は、日の出30分前で水星の高度が10度をこえます(東京)。その後は徐々に水星の高度は下がるものの、マイナス1等ほどの明るさのため、9月いっぱいは見やすいかもしれません。東の方角が開けた場所から、水星観賞をお楽しみください。
▼22日(金)に昇る時刻(東京)
水星 4:03 太陽 5:28
(※)西方最大離角
地球から見て水星が太陽から西側に最も離れる現象のこと。
地球の内側を公転する水星は、見かけ上では太陽から大きく離れることがなく、日の入り後の西の低空か、日の出前の東の低空にしか見えません。太陽から最も離れる最大離角の際は、普段よりも空高くまで昇るため観測チャンスとなります。

月が土星に接近

8月27日(日)に「衝(しょう)」を迎えた土星は、9月もまだまだ見頃です。東京では9月頭に23時過ぎ、9月末には21時過ぎには南の空高くに昇ってきます。
9月27日(水)夜〜28日(木)未明には月が土星に接近します。満月を控えたお月さまと、0.7等の明るさの土星が接近する様子は見物です。
▼27日(水)に昇る時刻(東京)
月 16:32 土星 16:09

アンタレス食

9月21日(木)に、さそり座の1等星「アンタレス」が、上弦前の月に隠される「アンタレス食」が起こります。
前回、日本国内でアンタレス食が起こったのは2009年9月24日です。今回は14年ぶりの観測チャンスとなります。なお、夜間に起こるものとしては2005年3月31日以来で18年半ぶりです。
今回のアンタレス食は日本全国で見ることができますが、起こる時刻は場所によって異なります。

アンタレスは月の光っていない方の縁から月に隠されて(潜入)、月の光っている方の縁から姿を現します(出現)。
潜入時刻は21日(木)の17時過ぎです。日の入り前の明るい空の中で起こるため、潜入の様子を観察することは難しく、天体望遠鏡が必要になります。
出現時刻は日の入り後の18時30分過ぎです。アンタレスは一瞬で月から出現するため、出現の瞬間を見る際は予報時刻の少し前から観察をはじめてください。
▼潜入・出現の時刻
【札幌】潜入 17時24.0分 出現 18時44.1分
【東京】潜入 17時26.2分 出現 18時51.2分
【那覇】潜入 17時07.5分 出現 18時33.8分
西側の地域になるほど、日の入りからあまり時間が経たないうちにアンタレスの出現を迎えるため、双眼鏡や望遠鏡があると見やすくなります。

29日は満月・中秋の名月

今年は9月29日(金)に「中秋の名月」を迎えます。今年はちょうど満月のため、お月見では丸いお月さまを楽しめます。
中秋の名月とは、月の満ち欠けをもとに1か月の日付を決める太陽太陰暦(旧暦)の8月15日の夜に見える月のことです。
中秋の名月を愛でる習慣は平安時代に中国から伝わったとされており、日本では中秋の名月は農業の行事と結びついて「芋名月」と呼ばれることもあります。
次に中秋の名月がちょうど満月となるのは、2030年9月12日となります。ぜひ丸いお月さまのお月見をお楽しみください。

9月の満月、英語で“Harvest Moon”

9月の月は、29日(金)18時58分頃に満月の瞬間を迎えます。
アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。農事暦(The Old Farmer's Almanac)によると、アメリカでは9月の満月を「ハーベストムーン(Harvest Moon/収穫月)」と呼ぶようです。
農産物を収穫する秋にちなんで、この名前がつけられたと言われています。同じまるい月でも、季節感が感じられますね。
中秋の名月写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

参考資料など

国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers' Almanac

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