AstroX株式会社、株式会社大林組、千葉工業大学がロケットの空中姿勢制御装置開発で共同研究契約を締結

2024年3月6日(水)17時46分 PR TIMES

成層圏からのロケット空中発射を可能にする姿勢制御装置の開発により、宇宙産業の新境地へ

空中発射方式による衛星軌道投入ロケットを開発するAstroX株式会社(本社:福島県南相馬市、代表取締役:小田翔武、以下「AstroX」)は、株式会社大林組(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮輪 賢治、以下「大林組」)、および千葉工業大学(千葉県習志野市 学長:伊藤穰一)と2023年5月1日に、ロケットの空中発射実験に関連する姿勢制御装置の開発を目的とした共同研究契約を締結しました。

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共同研究契約の背景


AstroXは「誰もが気軽に宇宙を使える未来を創る」をミッションに、Rockoon方式(ロックーン方式、大気球からの空中発射)での衛星軌道投入ロケットの開発、そして宇宙アクセスの民間化を推進しています。
一方、大林組は宇宙インフラ建設の分野における知見を有し、地上から宇宙空間の建設技術に至るまで、技術的革新と安全性の確保においてリーダーシップを発揮しています。そして、千葉工業大学は宇宙工学の研究におけるその先進性を生かし、惑星探査センターを通じて、実際の宇宙ミッションに役立つロケットや探査機の開発に関わりつつ、次世代の技術者と研究者を育成しています。

AstroXの高い柔軟性と技術的洞察、大林組の建設技術と安全に対する厳格な基準、千葉工業大学の研究能力と革新的な思考が一体となることで、日本の宇宙産業のさらなる発展を促進し、国際競争力を高めることを目的としています。
持続可能な宇宙開発への貢献と、産業界と学術界の協力によるイノベーションの加速となることを目指してまいります。
共同研究契約について


大気球からロケットを発射する際、ロケットの姿勢制御は大きな課題になります。精密な方位角制御をすることで正確な保安区域の確保と、目標の軌道へのロケット投入が可能になります。そこで本共同研究では、成層圏での気球からのロケット発射に必要な姿勢制御装置の開発と、その環境条件の厳密な調査に焦点を当てています。AstroXは、ロケットビジネスにおけるニーズの把握と要求仕様の検討を、大林組はロケット発射時の振動計測と空中姿勢制御装置(スカイジャスター)のカスタマイズを、千葉工業大学は成層圏の環境条件計測、ロケットの提供とランチャーの開発に取り組んで参ります。

2023年5月、大林組所有の実験施設にて、ロケットのサイズと重量を模擬した試験体の旋回試験、及びトルク試験を実施し、スカイジャスターによる方位角制御が有効であることを確認しました。今後、成層圏の環境条件、輸送に伴うペイロード制限を考慮し、最適な姿勢制御装置の開発を行う予定です。
地上試験を実施


本試験では、今年度開発した空中でのロケット発射時の姿勢制御を行う装置(重さ約160キロ、全長約2メートル)の性能評価を行いました。本姿勢制御装置は内部でフライホイールと呼ばれる円盤が地面と垂直に高速回転しており、それを傾けることで水平方向の回転力を生み出すジャイロ効果を利用しています。
実験は千葉工業大学千種グラウンドで実施。ラフタークレーンで装置やロケット(全長約6・5メートル)をつり上げ、ロケットの角度を変えながら、自在に方位を定める性能を確認しました。
試験名称:姿勢制御装置地上(屋外)統合試験
試験目的:姿勢制御装置の性能および耐久性の確認、無線通信の確認
試験日時:2024年2月22日~2024年2月25日
場所:千葉工業大学千種グラウンド
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コメント


【AstroX株式会社 代表取締役 小田翔武 コメント】
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「誰もが気軽に宇宙を使える未来を創る」というAstroXのミッションに共感いただき、共同研究という形で今回共に事業推進できることを嬉しく思います。
この共同研究により我々の事業に欠かせない要素である姿勢制御装置の開発がより加速すると確信しています。
日本から衛星軌道投入ロケットを打ち上げることで、宇宙産業のインフラを確立し日本が世界と戦える産業を作っていきます。


【株式会社 大林組 技術本部 未来技術創造部 新述隆太 コメント】
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スカイジャスターは、建設工事でのクレーンを用いた資材揚重作業において、吊荷の回転を防ぐために開発された装置です。建設業という、比較的に身近な業界の中で培われてきた技術が、将来的に宇宙産業に活用されるという事は、「誰もが気軽に宇宙を使える未来」への第一歩だと感じています。
また建設業では常に安全を最優先に考えており、空中発射方式を確立するうえでも安全性は必要不可欠な要素だと思っています。今回の共同研究によって、それぞれの強みを活かし、新たなシナジーを生み出せるのではないかと期待しております。

【千葉工業大学 教授 和田豊 コメント】
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この度のAstroX社との協業は千葉工業大学の成果を生きた実証の場へ展開し、成果を社会に還元する貴重な機会であると捉えています。本学の学生が本共同研究に参画することで、プロジェクトを通した実践的な教育を通して、即戦力となる人材育成につなげて行きたいと考えています。学生と共にアカデミアの立場から「誰もが気軽に宇宙を使える未来を創る」ビジョンの実現に向け、成層圏からのロケット打上を目指します。


AstroXの研究開発サービス展開について


世界的に急成長している宇宙産業。現在約40兆円の世界の宇宙産業市場は2040年には約120〜160兆円になると予測されています。
その中でも衛星を使ったサービスなど人工衛星の需要が大きく伸びており、それに伴い小型衛星の打ち上げ需要は急増しています。しかし現在、日本国内では衛星を宇宙に運ぶロケットが不足しており、国内の小型衛星のほとんど100%を海外ロケットで打ち上げています。この打ち上げ機会の不足が日本の宇宙開発の大きな課題となっています。
その課題を解決し、日本が宇宙産業を一大産業にできるよう、AstroXはRockoon方式での高頻度、低価格での打ち上げを実現するべく、研究開発サービス展開に取り組んでいます。

採用について


AstroXは正社員、副業問わず、ロケットの開発経験を有するエンジニアを募集しています。
その他の職種も随時採用を開始していく予定ですので、取り組みに共感いただける方は気軽にご連絡ください。
お問い合わせ先:info@astrox.jp

会社概要


会社名:AstroX株式会社(AstroX, Inc.)
本社所在地:福島県南相馬市小高区本町1-87
代表者:代表取締役 / CEO 小田翔武
設立:2022年5月20日
事業内容:宇宙輸送事業
企業URL:https://astrox.jp

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