もしトラはリスクなのか?

2024年3月11日(月)16時54分 財経新聞

●もしトラが現実味
 もしトラ(もしもトランプ氏が米国大統領に再選されたら)の可能性が高まり、マーケットは戦々恐々としている。

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 11月に行われる米大統領選挙に臨む共和党候補の予備選挙で、ドナルド・トランプ前大統領は圧勝を続けた。

 大統領選挙の予備選挙や党員集会が集中し、多数の代議員が決まり大統領選最終候補の行方を左右すると言われる“スーパー・チューズデイ”でも、15州のうち14州の予備選挙で勝利した。

 既に他の候補者が全て撤退を表明したため、共和党候補にはトランプ氏が確実視される。民主党では現職のバイデン氏が候補者に選ばれることがほぼ確定しているため、前回の大統領選に続き、この両者の争いが再び繰り広げられる。

 もしトランプ氏の再選となれば、政策が大きく変わる可能性があり、為替や株価はどうなるのか、世界中が注目している。

●前回のトランプ政権と株価
 2016年11月に行われた米大統領選挙でも、トランプ氏の当選はリスクとして捉えられており、トランプ氏勝利が決定すると日経平均は1000円以上下落。ドル円も100円を割る寸前まで円高が進んだ。

 世界経済は不透明感が増し、グローバル時代の終焉などと悲観的な声も聞かれた。

 しかし、円高は直後に即修正され、株価も株高へと向かった。トランプ氏が打ち出す規制緩和や大幅減税策が好感され、上下両院を共和党が抑えたことで、期待感が先行した。

 ウォール街に厳しいと見られていたトランプ氏は、ウォール街に好意的という評価に変わり、トランプラリーと言われる上昇相場となり、翌年1月にNYダウが過去最高値を記録した。

 当時、日経平均も2万円台が定着するようになった。

●前回の再現なるか!?
 大統領選挙でトランプ氏が勝利するという仮定だが、トランプ氏は前回政権時の姿勢を踏襲すると見られている。

 関税引き上げによる保護貿易化、移民抑制、脱炭素の一部停止、減税路線など、バイデン政権から大きく転換することが予測される。

 これらはトランプ2.0と言われているが、前回政権時と世界を取り巻く環境は大きく変わっており、その策が効果的かどうかに疑問符もつく。

 慢性的な人手不足の中で移民抑制は逆効果になる可能性もあり、減税路線もさらなるインフレを招きかねない。

 前回政権時は、米中貿易摩擦があり、ドル安・株安が進んだ。今回再選となれば、前回同様に軌道修正することも考えられるが、11月までの動きを慎重に見極める必要があるだろう。

財経新聞

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