2023年に8,565人が死亡 移民にとって記録的な受難

2024年3月12日(火)18時17分 PR TIMES

IOMの収集したデータによれば、2023年、世界各地の移住ルートで少なくとも8,565人が亡くなり、同データが収集されてきた過去10年間で、最多の死者数を記録した。2022年と比べても2割増加した。

世界各地で、安全で正規の移住ルートが限られているため、毎年何十万人もの人々が危険を伴う非正規のルートで移住をしようとしている。死因の半数以上は溺死で、自動車事故が9%、暴力が7%と続く。

北アフリカから欧州を目指す地中海を横断するルートでは、昨年だけで少なくとも3,129人もの死者及び行方不明者が記録され、数字を見ると移民にとって引き続き最も命を落としやすいルートである。この数は2016年(5,136人)をピークに減少傾向にあったが、2021年より再び上昇している。
地域別でみると、特にアフリカ(1,866人)とアジア(2,138人)で記録上最多の死亡数が確認された。アフリカでは、サハラ砂漠並びにスペイン領カナリア諸島に向かう海上で命を落とすケースがほとんどで、また、アジアでは昨年、故郷を追われたアフガニスタン及びロヒンギャの難民が数百人規模で亡くなった。
[画像1: https://prtimes.jp/i/132200/10/resize/d132200-10-14fab1e4db0c51ee7451-1.png ]

「行方不明移民プロジェクト」は移民の死亡及び行方不明者に関する唯一の公開されたデータベースで、開始されてから今年が10年目となり、これまで世界中の63,000件以上のケースを記録してきた。それでも、南米からアメリカを目指す経由地として、移民が険しいジャングルの地峡を越えようとするパナマのダリエン国立公園といった遠隔地や、船が跡形もなくなるような定期的に発生する海上ルートの難破事故については、データ収集が難しいので、実態はより深刻だと推定される。

ウゴチ・ダニエルズIOM副事務局長のコメント
「『行方不明移民プロジェクト』が10年の節目を迎えるにあたり、これまで失われてきたすべての命にまず思いを馳せます。その一人ひとりの死が、彼らの家族や地域社会に今後何年にも亘り傷跡を残す、痛ましく人道的な悲劇なのです。同プロジェクトが収集した恐ろしい数字を見ると、すべての人のための安全な移住を目指し、今から10年後には、よりよい暮らしを求める人々が命を危険にさらさずに済むよう、私たちは一層の行動と決意を思い起こします。」

[画像2: https://prtimes.jp/i/132200/10/resize/d132200-10-0a045f2e6a5bad528aaf-2.jpg ]

■IOMについて
国際移住機関(IOM) は、1951年に設立された、紛争や自然災害による避難民への対応などを始めとした、世界的な人の移動(移住)の課題を専門に扱う国連機関です。「正規のルートを通して、人としての権利と尊厳を保障する形で行われる人の移動は、移民と社会の双方に利益をもたらす」 という基本理念に基づき、移民個人への直接支援から関係国への技術支援、移住に関する地域協力の促進や調査研究などを通じて、移住にまつわる課題の解決に努めています。

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