【開催レポート】地域に暮らす子どもたちの挑戦を支える「きっかけプロジェクト」の交流イベント“きっかけ感謝祭”開催 〜小学生から大人まで、全国から100名が札幌に集結〜

2024年3月28日(木)13時55分 PR TIMES STORY

生まれた場所や環境に関係なく、子どもたちが世界を拡げられる学びの場や機会の提供・運営を事業とする株式会社あしたの寺子屋(本社:北海道札幌市、代表取締役:嶋本勇介)は、2023年9月に地域に暮らす子どもたちの挑戦や越境を、資金と経験で支援する「きっかけプロジェクト」をスタートしました。そして2024年3月17日(日)には、「きっかけプロジェクト」を支援する大人と、プロジェクトに参加する小学生から高校生の子どもたちが総勢100名集う「きっかけ感謝祭」を札幌市内のEZOHUB SAPPOROにて開催しました。

◼︎挑戦・越境を通して、気付きや出会いを得られる仕組み「きっかけプロジェクト」

株式会社あしたの寺子屋は、「世界を拡げる一歩目を、どこからでも」をビジョンに掲げ、国内で最も過疎化が深刻と言われる北海道で、教育関連事業を行っています。きっかけプロジェクトは、あしたの寺子屋が、全国各地域で居場所運営や教育活動を行いながら、日々子どもたちと向き合っているローカルパートナーとともに取り組んでいます。(きっかけプロジェクト クラファンページ https://actnow.jp/project/kikkake-project/detail

本プロジェクトでは、子どもたちの夢や挑戦を実現するために必要な資金を提供する「きっかけ奨学金」と、それを支援する大人たちの"経験”を提供する「きっかけ書店」を通して、継続的に子どもたちの挑戦・越境を支援します。

◼︎北は利尻島から、南は宮崎県まで100名が参加した「きっかけ感謝祭」

今回の「きっかけ感謝祭」ではきっかけプロジェクトに参加した、または挑戦を検討している、小学3年生から高校2年生までの子どもたちが約20名、そして彼らを支援・応援する大人たち80名が集まり、交流しました。北海道の利尻島をはじめとした北海道の各所から、南は宮崎県の新富町まで、全国から100名が参加しました。

◼︎トークセッション「みんなのきっかけトーク」

<プロジェクト挑戦中の子どもたち>

トークセッション「みんなのきっかけトーク」では、きっかけプロジェクトに挑戦中の子どもたちが自らのプロジェクトを紹介。大勢の大人を前に、緊張しながらも自分の言葉で挑戦の過程を話しました。

そのなかの一人、函館の高校2年生のはるのさんの進めているプロジェクトは「ドッキリ・びっくり・スマイルプロジェクト」。

高校での留学事業で、オーストラリアに100日間交換留学をした彼女は、苦手だった英語への意識が一変し、「多くの国の人と話したい」と憧れるように。さらに、大好きなYoutuberが11ヶ国語を使いこなし、様々な国の人と会話をしている姿を見たことで、このプロジェクトの実施を決めました。

「自分が、話し相手の母国語で話しかけることで、相手がそれに驚き、とびっきりの笑顔になる瞬間をつくりたい(はるのさん)」

はるのさんはその実現に向け、きっかけプロジェクトの資金を使い、韓国語講座と並行して色々な国の料理教室に通い、海外の方と交流することで言葉を学んでいます。そしてプロジェクトの実践の場として、海外からの宿泊客の多いゲストハウスを併設するあしたの寺子屋パートナー校「やくもの寺子屋」への一泊二日の旅を計画しています。

勉強をするなかで、日本語にはない発音や記号に出会い、日々驚きと学びがあると話すはるのさん。将来は21ヶ国語を話したい!と話す彼女にとって、きっかけプロジェクトは夢への一歩目を後押ししているようです。

<子どもたちに日々伴走するローカルパートナー>

<ローカルパートナー 登壇者> 写真左から

やくもの寺子屋 坂田 純華 さん、利尻あそびどころ 廣瀬 諒さん、E-LINK(まくりんく) 平野順風さん

「きっかけプロジェクト」を共につくるローカルパートナーのトークでは、各地域で民間塾等、子どもの居場所を運営し、最前線で子どもたちに伴走する彼らが、きっかけプロジェクトを通して感じたことについて語りました。

ALOP SCHOOL代表の花田 翔二郎さんは2021年4月、嶋本とともに、あしたの寺子屋初のパートナー校として、北海道の美幌町で寺子屋「ALOP SCHOOL」を立ち上げました。

「ALOP SCHOOLでは、外に行った時に自分の町を自慢してほしいという思いで、美幌町の大自然を生かした学習プログラムを提供しています。オホーツクの田舎でも、自信をもって子どもたちに成長して欲しいと思ったことが創業のきっかけです。

今回、ALOP SCHOOLに通っている生徒がきっかけプロジェクトに挑戦しています。その子は、出会った当初はもじもじして地元の電車の切符すら買えなかったんですが、今回のきっかけプロジェクトを通して、“大好きなキーボードを自作する”という夢のために東京へ行くことを決めて、旅程組みから企業訪問まで企画しています。さらに、みんなのきっかけトークの発表では、“次の挑戦では行ったことのないところへ旅をしてみたい。”という言葉まで..。ちょっと目頭が熱くなってしまいました。」(花田さん)

北海道八雲町で「やくもの寺子屋」を運営する坂田さんは、プロジェクトに参加した高校2年生の生徒の変化をこう話します。

「うちに通う高校生の子が声優を目指しているのですが、ご両親が酪農家さんということもあり、なかなか遠出の旅行に出られないという話を聞いていました。それでも勉強のために、まだ見たことのない生の舞台を見たいと、きっかけプロジェクトを通して仙台まで好きな俳優が出演する舞台を見に行くという挑戦をしました。

きっかけプロジェクトの話をしたときはワクワクが半分、あとは想像ができない、という反応で。以前からいろんなチャレンジの提案をしていましたが、不安の方が先行している様子でした。ですが、仙台の一人旅から帰ってきてからは、舞台を見て楽しかったり、勉強になった話をよくしてくれています。それに加え、きっかけプロジェクトで出会った他のパートナー校の友達に誘われて、今度は函館の舞台を見にいくという挑戦も。町の外の人と話すことにも慣れてきて、段々オープンマインドになってきていると感じます。」(坂田さん)

<ローカルパートナー 登壇者> 写真左から

やくもの寺子屋 坂田 純華 さん、ALOP SCHOOL 花田 翔二郎 さん

トークセッションの中では、「5万円の資金の支援があることで、意外な効果がみられた」という話も。子どもたちからは「5万円を使えるなら、これをやってみたいし、これもできる!」という言葉が出たり、自分のプロジェクトで使用する予算を算出するなど、資金をもとに思考の広がりや学びが生まれているといいます。

そのほか、オンラインで実施する「交流会」では、きっかけプロジェクトに携わるさまざまな場所で暮らす大人や同世代に対し、自分のプロジェクトについてプレゼンします。そのなかで質問や意見をもらうことで、深く考える経験が価値観を広げることにも繋がるという話もありました。

<子どもたちを支援するきっかけびと>

クラウドファンディングを通してプロジェクトを応援する「きっかけびと」のトークでは、“きっかけびと”でもあり、フジテレビ報道局解説委員として教育と人権をライフワークに「現場第一」で伝えている鈴木款氏が、東京から駆けつけ、モデレーターを務めました。

「感謝祭に参加し、幅広い地域や立場の方のお話を聞くと『こどもたちの可能性をどんどん広げてあげたい』というのが皆さんが感じていることだと思います。人口減少と少子化は、どの地域でも大きな問題。しかし、“教育”は地域が魅力的になるための1つの要にもなると思うんです。その地域ならではの取り組みは、外から移住する人にとっても大事ですし、その地域に暮らす子どもたちが、地元を大切に思う気持ちを育むことにも繋がります。」(鈴木氏)

会場の参加者にも意見を聞いていきます。町の教育に関するコメントをくださったのは、人口約2,200人の北海道滝上町(たきのうえちょう)で教育委員会に勤める中村氏。

「うちの町は人口2,200人ほどの小さな町です。都会に行こうとすると4時間ほどかかり、地域外との交流自体も少ないため、子どもたちは、どうしても狭いエリアに留まってしまいます。だからこそピュアなのですが、自己アピールや自分のことを話すのが苦手な子が多いのも事実です。きっかけプロジェクトや、あしたの寺子屋の事業などをとおして、町の外の人との交流を重ねていき、小さな町でも自己肯定感を高めて、自分のやりたいことを話せる子が増えたらいいなと思っています。」(中村氏)

都心に住む人の多くは地方出身だからこそ、まずは自分の生まれた場所や縁のある地域に一人一人が恩返ししていくつもりで、少しでも関わりをもったり、応援していくことが大事なのでは、という意見も上がりました。

「きっかけプロジェクトは、地域の教育への色々な関わり方を受け入れていく“プラットフォーム”にしたいと考えています。どうやったら関わることが出来るか、アイデアや意見もどんどんいただけたら嬉しいです」(嶋本)

教育や自分の地域に対する熱量、そして子どもに対する愛情ある発言が活発に飛び交う場となりました。

◼︎子どもたちがプレゼンし、大人と交流する「活動報告ブース」

活動報告ブースでは、これまでプロジェクトを実施済み、または現在エントリーしている子どもたち14名が発表を行いました。

「メイクの力で自分を好きになってほしい!」というプロジェクトを行った札幌市の小学5年のといろさんは、最年少でメイクセラピスト3級の試験に合格。次なる挑戦として、メイクセラピストとしてのブランド名やプランなども考案中です。自身がメイクをすると気分が明るくなることからメイクに興味を持ったため、同じように周りの人をメイクを通して笑顔にできないか、と考えプロジェクトに応募しました。

といろさんは、プロジェクトをきっかけにメイクセラピストという仕事を知りました。実際にプロとして活躍する方に話を聞き、メイクセラピストにとって重要なことは信頼関係だということも、その時に教えてもらったそうです。

プロジェクトでは、仕事や資格について調べることから始め、外見に悩む学生と美容学生のマッチングが行われる講座に参加したり、資格取得のための勉強に時間を費やしたといいます。交流会に参加した大人から「プロジェクトで一番嬉しかったことは?」と聞かれると、「自分のプロジェクトに協力してくれた人たちが、自分の好きや、やりたい気持ちを認めてくれたこと」だと話してくれました。

(他、これまでのプロジェクトはこちらをご覧ください)

総勢14人がプロジェクトの報告・発表をし、それを聞いた大人に相談に乗ってもらったり、意見をもらいました。

◼︎「中・高校生によるミニプレゼン」きっかけ特別プロデュース企画

これからきっかけプロジェクトに応募する予定の中高校生10名が参加したプロデュース企画ブースでは、参加者に向けて各自が考えたプロジェクトを発表し、その場で質問や意見をもらいながら交流します。自分のプロジェクトを更新・進化させることを目的にすると同時に、参加者全員の投票により、きっかけプロジェクト挑戦者2名を決めるという会場巻き込み型の特別企画です。

当日は、ブース前から人が絶えないほどの盛況ぶり。生徒たちは自ら参加者に声をかけ、熱を込めて自分のプロジェクトをプレゼンしました。参加していた小学生や中学生も一緒にプロジェクトを聞き、質問をする姿が印象的でした。

きっかけ感謝祭の最後には、会場の投票をもって2つのプロジェクトが採択となりました。1つは、函館の高校2年生による「数学セットをつくりたい」というプロジェクト。大好きな数学をもっと多くの人が楽しいと思えるものにしたい、と考案しました。そしてもう1つは、札幌の高校3年生による「選択肢を増やす出会いの場をつくる!!」というプロジェクトです。地方出身の経験を活かし、当時地元に欲しかった場をつくるための一歩目を、きっかけプロジェクトを通して目指します。

今後、皆様にもあしたの寺子屋公式Xを通してプロジェクトの過程をお伝えしていきます。

【参加した中高生の声】

Q.準備からプレゼン本番までで一番苦戦した点、乗り越えた点はどこでしたか?

・自分の考えを深めること。また、イメージとしてぼんやりあったものを言語化することに苦戦しました。

・相手のペースに合わせて発表するのが難しかったです。

・どうすれば自分の意見や考えが不足なく伝わるのかがわからず、苦戦しました。

・自分から話しかけに行く時に、何を話したら自分の思いを相手に伝えることができるのか苦戦しながら考えました。

・自分の中にある思いを伝えるための話の組み立て方が難しかったです。

Q.今後に向けて背中を押された言葉、“きっかけ”になった言葉は何ですか? 

・「ビジコンであなたの発表をみてみたい」、「そのようなアプリがずっと欲しいと思ってたので、応援してる」

・一緒に頑張ろう、誰のことも傷つけないならやってみてもいい、という言葉です。

・「予算が決まってるな、らどれくらい利益を出したいのかっていう計算をちゃんとしてみた方がいい」

・「自分の、やりたいって思う気持ちを素直にまっすぐに伝えるのが1番いいと思うよ」、「経験を積み重ねて、自分で感じるしかないんじゃないかな」

・「これからも応援させてください」、「関連する人、いくらでも紹介する。」

・「何事も楽しんでやる事が大事!」、「"大好き"は一番の武器」

Q.「きっかけプロジェクト」はあなたにとってどんな“きっかけ”になりましたか?

・自分の意見を伝えることの大切さを知る一歩目になりました。

・本格的に起業について考えるきっかけになりました。

・何かをやりたい!と思う気持ちや、夢を目指そうと思った理由を口に出すことで、改めて考えるきっかけになりました。

・今回議題を多くの大人に聞いてもらうことで違った意見をもらえたり、どう感じるかなどの感想をもらえたので、次に何かやることがあったら多くの大人に聞いてもらうことで、案をブラッシュアップしていこうと思いました。

◼︎“人生のきっかけ”となった本と、本に纏わるストーリーが集う「きっかけ書店 」

きっかけ本の展示では、きっかけびとの「人生のきっかけとなった本とそのストーリー」が37冊の本とともに展示されました。“誰かの経験が、次の誰かの背中を押すきっかけに”という願いとともに立ち上がった本企画。

4月以降、これらの本やストーリーは「きっかけプロジェクト」公式ホームページに掲載され、誰でも閲覧できるようになります。日常的には地域の外に出ない子どもたちにとっても、書店のような偶発的な“誰かの人生”や“自分にとってのきっかけ”との出会いの場となることを目指しています。きっかけ感謝祭の最後には、参加者全員を対象に抽選会を行い、本を贈り合いました。

◼クロージング 

乃木坂46の『きっかけ』という曲に好きな一節があります。

“自分のこと自分で決められず 背中を押すもの欲しいんだ ”(乃木坂46 きっかけ)

最近、あまり人に深く入り込まずに距離をとったり、自分のことは自分で決めるという雰囲気が社会にある気がしています。でも僕は、教育も含めてみんなが少しずつ優しくなっていき、『こっちの方合ってるよ!』とか『楽しそうじゃない?』みたいな、一見余計にみえるおせっかいが、実は誰かの背中を押すこともあるし、そこから生まれるものがあるんじゃないかと思い、きっかけプロジェクトを始めたんです。

中高生のプレゼン企画で一位になった彼女も、最初はプレゼンはせずスタッフだけで、と連絡をくれました。でも、同年代の子たちがプレゼンに向けて頑張ってる様子をみたり、大人たちの関わりがあり、“やってみよう”と決意し、挑戦した結果があります。先ほどの『やってよかった』という彼女の言葉を聞いて、本当によかったなと思いました。

こういうきっかけを作り続けたいですし、札幌のイベントに距離的な問題から簡単には来れない地域の子どもたちを呼び集めて、“新しいきっかけ”を作ることが僕らのミッションだと思っています。きっかけ感謝祭の第二回、第三回には北海道中の色々な地域から集まった子どもたちが自分の挑戦を伝え合い、“それいいね!”と言える場にしていきたいと思います。

地域の教育に関わりたい!と考える方々と一緒に、夢を積み上げながら大きくしていく仲間でありたいですし、目の前にある小さなきっかけを拾っていける仲間でありたいと思っています。」(嶋本)

私たち「きっかけプロジェクト」は1年目となる2024年、300人の仲間と共に年間50人の地域の子どもたちの挑戦・越境を応援することを目指しています。そして想いを持った大人の輪を徐々に広げ、翌年度には年間100人の挑戦を応援し、将来的には毎年1,000人(人口3万人未満の1,000町村と同数)の子どもたちを応援することを目指しています。仲間になってくれる方を心からお待ちしています。

きっかけプロジェクトの詳細はこちら

https://actnow.jp/project/kikkake-project/detail


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